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[単独]裁判所, ‘引継委員 務めた’ 借金52億 免責決定

登録:2009-03-05 09:23

原文入力:2009-03-05午前08:23:30
チョン・ヨンテ氏 不許可理由にかかわらず “経歴考慮” 免責
ファン・ヨンギ会長,ユン・ジンシク大統領府首席 嘆願書 ‘眉をひそめる’

パク・ヒョンチョル記者

←チョン・ヨンテ氏.

裁判所が大統領職引継委員会常任諮問委員を務めたチョン・ヨンテ(53・写真)前コスコム(旧証券電算)社長に免責不許可理由を認めながらも業務引継委員会経歴などを挙げて借金52億ウォンを棒引きにする免責決定を下して論難がおきている。

ソウル中央地裁破産12単独イ・サンジュ判事は2007年8月破産宣告を受けたチョン氏に免責決定を下したと4日明らかにした。免責というのは破産宣告を受けた債務者の借金負担をなくす制度で、債務者の経済的リハビリを目的にする。免責決定を受ければ破産者として受ける制約もなくなる。

イ判事は決定文で「不許可理由が存在するが、借金の大部分が会社代表として勤める中で経営悪化によりやむをえず発生した点と情報通信学博士課程を修了し業務引継委員会常任諮問委員とコスコム代表理事を経た経歴などを考慮して免責を許可する」と明らかにした。

チョン氏は2000年から韓国マルチネット代表理事を務め金融機関などに借金52億ウォンを返すことができず破産および免責を申請した。ところがチョン氏は2002年と2007年の二度にわたり自身の叔母の夫のチュ・某氏にだけ借金8千万ウォンを返した。イ判事は「特定債権者にだけ借金を返す目的で担保を提供したり財産を処分する行為は免責不許可事由に該当する」としつつも、破産に達した経緯や色々な事情を考慮して裁判所が裁量で免責を許可することができるという点を挙げて免責決定を下した。

チョン氏から元金と利子12億ウォンを受けとるべき債権者S某氏は「裁判所が不許可理由を認めながらも、免責を許可した」として先月27日決定に従わず抗告した。S氏は「チョン氏が破産事実を隠してコスコム社長に選任されたにも関わらず、裁判所はこれを主要参酌理由として取り上げ論じている」として「チョン氏が金融機関に対して負っている借金の中にはクレジットカード延滞代金も含まれている」と主張した。

決定に先立ち裁判所に提出された嘆願書も目を引く。チョン氏とともに業務引継委員会諮問委員として活動したファン・ヨンギ KB金融持株会長とユン・ジンシク大統領府経済首席,日刊紙論説委員O某氏などが昨年12月に嘆願書を出した。当時、韓国金融持株会社会長だったユン首席は「チョン氏を公職に推薦したひとりとして再起できる機会を与えるように願う」と書いた。

ある法務士は「不許可理由があるにもかかわらず免責決定を下す場合には、債権・債務者の関係,借金の性格などを綿密に判断し、債権者の被害が最小化されるようにしなければならない」として「部分免責などを活用しなかった理由を納得しがたい」と話した。ある金融機関の債権担当者は「高位職らが後を見るというのを知った以上金融機関が免責決定に異議を提起するのは容易ではない」と話した。これに対してこの裁判所破産部関係者は「債務者の経済的更生という免責制度の導入趣旨により価値を置いた決定」と説明した。

チョン氏は大統領選挙前イ・ミョンバク候補の諮問教授陣として活動した後、業務引継委員会のIT TFチーム常任諮問委員として仕事をした。昨年6月コスコム社長に任命されたが、‘落下傘’論議に包まれたチョン氏は個人破産者であることが露見するや1ヶ月後に辞退した。 パク・ヒョンチョル記者fkcool@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/342325.html

原文: 訳J.S