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"日本 原発災害はCIA冷戦戦略から始まった"

登録:2011-10-01 00:25

原文入力:2011/09/30 20:20(1482字)
チェ・ウォンヒョン記者


インタビュー/福来寛UCサンタクルーズ大教授
"米国 中央情報局心理戦…戦後 同盟国確保するため原子力発電所を利用
日本の巨物 正力‘メディア’通じて偽り広報…核への不安静める"


←福来寛UCサンタクルーズ大教授


世界で唯一原爆被害を受けた日本が今日もう一つの‘原子力災害’である福島原子力発電所事故を体験しているという事実は矛盾的だ。日本はどうして原爆被害を受けて僅か10年後に原子力を主要エネルギー源として受け入れたのだろうか?

去る27日<ハンギョレ>記者と会った日系米国学者の福来寛(写真)カリフォルニア大サンタクルーズ校教授(社会学)は「米国中央情報局(CIA)と日本の少数権力層が協力して行った大々的な心理戦のため」と語った。

福島災害の起源は冷戦時期に同盟国を確保するために原子力発電所を活用しようとした米国の戦略、それに協力した日本の権力層、そこから利益を得ようとした企業などに求めることができるということだ。彼は30~1日、延世大法学専門大学院で開かれる第2回東アジアの法と社会学術大会に参加し、福島原子力発電所を扱うフォーラムでこういう内容を盛り込んだ論文を発表する。


福来は「米国中央情報局は‘KMCASHIR’という作戦名の心理戦を繰り広げ日本に原子力を輸出しようとし、日本現代史の大物であり宣伝専門家であった正力松太郎がそれに協力した」と明らかにしている。日本帝国主義政権の核心人物だった正力は日本最初の商業放送<日本TV>(NTV)と<読売新聞>の創業者であり戦後日本社会で‘メディア権力者’として君臨した。


冷戦体制の中で米国は旧ソ連に対抗し同盟国を確実に自身の側に捕まえておこうとし、日本を敗戦させた原子力の力は良いえさにされたという。


 "米国中央情報局要員のダニエル ワッソンは正力と会うやいなや‘原子力プログラム’について話し始めました。原子力がなくて戦争に負けたと考えた正力も原子力技術を育てるという気持ちで米国に積極的に協力しました。"


こういう正力に中央情報局は2種類の暗号名も付与した。そのためには日本人たちの原子力恐怖心をなくさなければならなかったが、正力が持つメディアの力は大きな効果を発揮したという。


彼が持つメディアは‘平和的で安全なエネルギー’として原子力を強調する広報記事を何度も大々的に送りだし、正力は各種展示会や行事を行い、それを後押ししたという。


1953年アイゼンハワー米国大統領が行った国際的な原子力広報行事に歩調をそろえ、ノーベル賞受賞者など各種有名人らを日本に招請し‘平和のための原子力’を強調する彼らの話を生放送で報道したことが代表的だ。
こういう事実は新たに明らかになったことではない。数年前に同様な内容が書かれた本が日本で出版されたことがある。「ところが日本社会は依然として真実を見られずにいて、日本政府は未だに原子力を放棄していない」と福来は声を高めた。


福来は今年 東日本大地震を体験し親戚11人が亡くなる悲劇を経験したという。彼は「集団訴訟制などの制度を動員し米国内で福島原子力発電所事故の責任を問う法廷訴訟を展開する」と話した。


文・写真チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/498800.html 訳J.S