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“公憤のルツボ” 市民「再調査を」

登録:2011-09-30 09:10

原文入力:2011/09/28 11:50(1796字)
アン・クァノク記者、チョン・デハ記者

“障害者性暴行”を扱った実話映画の衝撃

2004年 光州(クァンジュ)イナ学校で
校長らが生徒に暴行し
真相隠蔽・綿棒(非常に軽い)処罰

5日間で100万の観客突風
市民ら真実追求の火をつける
再調査署名、3日間で4万人

障害者の学校での性暴行事件を扱った映画<ルツボ>が社会的に大きな波紋を呼び起こしている。 封切り五日目の27日に100万観客を突破し、映画を通じて“直視したくない真実・目を背けたい真実”に接し、怒りを感じた市民が行動に立ち上がっている。 インターネットで事件の再調査を要求する署名者数がわずか三日で4万3千人を越えた。 ダウムコミュニケーションとオリニ(子供)財団は、児童性犯罪公訴時効廃止のための100万署名キャンペーン(agora.media.daum.net/nayoung)に突入した。

この映画の素材になった光州広域市も煮えたぎっている。 カン・ウンテ光州広域市長は地域の名誉失墜を心配し、チャン・フィグク光州市教育長は事件にきちんと対処できなかったと謝罪し、イナ学校監査対策班を設けた。

光州市光山区(クヮンサング)三巨洞(サムゴドン)にある聴覚障害特殊学校(訳注:幼稚部から高等部まで)のイナ学校では、2004年12月から設立者の息子である学校長と行政室長が一部の生徒たちを校長室と寄宿舎などで性暴行するという事件が発生した。 加害者の権勢に押さえられ真実は隠蔽されるかに見えた。だが2005年6月、ある職員が障害者性暴行相談所にこの事実を知らせ、警察が捜査に入った。 加害者は少なくとも6人、被害者は10人余りにのぼった。 性暴行は2000年から始まっていたという証言も出てきたが、一部は公訴時効満了で、一部は様々な懐柔により、水面上に浮かび上がったのは真実の断片だけだった。

捜査と裁判が進められる間、市民団体と父母らで構成されたイナ学校性暴行対策委は、削髪や登校拒否、242日間のテント座り込み、人権委員会陳情などで事件の解決を要求した。彼らは一貫して△加害者処罰△学校認可取り消し△法人理事解任△公立特殊学校設立などを要求したが、裁判所・検察・行政・教育等、どの機関も弱者の側に立ってはくれなかった。 加害者の代表であるキム・某校長が1審で懲役5年、2審で懲役2年6ヶ月に執行猶予を宣告されたのをはじめ、4人が刑事処罰の対象になっただけだった(訳注:作家コン・ジヨンは「加害者が執行猶予で釈放されるという軽い刑量が手話で伝えられた瞬間、法廷は聴覚障害者たちの発する何ともいえない叫び声でいっぱいになった」という一行の記事に導かれて原作『るつぼ』を書いたという)。この軽い処罰のために被害者は罪を犯した人のように一人二人と学校を去り、一部の加害教師は復職し学校に戻った。学校側はイナ学校という名前をソヨン学校に変える“校名洗濯”を試みもした。

事件が映画になり再照明を受けるや、対策委は30日に光州で観客が参加する集いを開いて実際の事件と映画の内容に関して徹底討論を行なうことにした。 また来月3日午前10時、イナ学校を訪ねて学校側の謝罪と再発防止対策を要求することにした。

パク・チャンドン対策委執行委員長は「被害生徒の治療と賠償、手話通訳教師採用など、常識的な要求さえ受け入れられない現実がもどかしい」として「映画を契機に私たちの社会が障害者教育全般を振り返ってみることを期待する」と話した。
オンラインを熱くしている再調査要求に対し光州地検関係者は「宣告まで終えた同一事件に対しては再調査できないが公訴時効が過ぎていない新しい被害者の告訴や告発があれば捜査できる」と明らかにした。 イ・サンガプ民主社会のための弁護士会光州支部長も「一度処罰を受けた人は再度処罰できないというのが一事不再理の原則だが、加害者らの追加犯罪が出てきたり新たな加害者が現れれば状況が変わる」と話した。

光州/アン・クァノク、チョン・デハ記者 okahn@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/498306.html 訳A.K