原文入力:2011/09/23 08:25(1861字)
イ・ジェミョン記者
為替レート急騰 対応無策 なぜ?
資本輸出入が自由な反面
外国為替市場 取引構造 落伍‘限界’
2008年状況再現の可能性 低い
ユーロゾーン 危機展開方向が‘変数’
←ウォン-ドル為替レートが30ウォン近く騰り1179.80ウォンで締め切った22日午後、ソウル、乙支路の外換銀行本店ディーリングルームで、ある外国為替ディーラーが電光掲示板の前を歩いている。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr
ウォン-ドル為替レートが外国為替当局の口頭介入も虚しく暴騰傾向を演出している。最近の為替レート急騰傾向は2008年のグローバル金融危機時の悪夢を思い出させるほどだ。当時(2008年9月15日~2009年3月)ウォン-ドル為替レートは前日対比で平均22.7ウォンずつゆれた。最近のウォン-ドル為替レートも一日に20~30ウォンずつ暴騰している。
韓国ウォン価値の下落幅は主要20ヶ国通貨に比べても非常に高い水準だ。去る9日に比べ韓国ウォンはドル対比9.5%(102.5ウォン)切り下げられて南アフリカ共和国のランド、ブラジルのレアル、チリのペソに続き4番目に高かった。
最近の為替レート急騰の背景には複合的で構造的な問題がある。イ・ソンクォン新韓投資証券エコノミストは「安全資産選好心理が広がりドル選好度が高まったうえに、ヨーロッパ系金融機関の韓国に対する投資と貸出金の回収憂慮、米国・ヨーロッパ景気の鈍化、グローバル金融危機の長期化可能性などが作用した結果」として「適切な解決方案を探すのは難しく時間も長期間必要とされるだろう」と分析した。そのために外国為替当局が使える手にも限界があるように見える。政府当局者は22日にも「市場の過度な雪崩れ現象は望ましくないと見て市場状況を綿密に覗き見ている」として、市場介入性発言をしたが為替レート急騰を防ぐには力不足だった。
しかし現時点では2008年リーマンブラザーズ破産事態当時の状況が再現される可能性は小さいというのが大方の診断だ。外国為替対応能力が大幅に改善されており銀行の健全性と外貨借入条件が向上したという理由からだ。また、国内証券市場でヨーロッパ系資金が占める比重が低く、特に外国人らの債権保有額が拡大しているということも根拠だ。国内金融機関の短期外債比率は2008年の50%から最近では30%まで低くなった。
専門家たちは世界経済を揺さぶっているギリシャなどユーロゾーンの危機がどのように展開するかにより為替レートの方向が決定されると見ている。チョン・ヨンシク三星経済研究所研究委員は「10月初めに予定されたギリシャ救済金融支援案が否決されギリシャが国家不渡り状態に追い込まれたり、スペインの国家信用等級下落、イタリア救済金融のような悪材料が既定事実化すれば為替レートが更に騰る可能性が強い」と分析した。
一方、国際通貨基金(IMF)・世界銀行(WB)合同年次総会参加のために米国を訪問中のキム・チュンス韓国銀行総裁は21日(現地時間)ウォン-ドル為替レートが急騰していることに対して「2008年金融危機の時にも我が国の為替レート変動幅が他国よりより大きかった」として「しかし、今後は(為替レートの)このような急騰は続かないだろう」と話した。
イ・ジェミョン記者、ワシントン/クォン・テホ特派員 miso@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/497526.html 訳J.S