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<ハンギョレ[in]> 国費留学して学位 在職中に大学講義 退職後には教授の名刺

登録:2011-09-14 10:35

原文入力:2011/09/13 22:29(4139字)
ユ・シンジェ記者、イ・ジェフン記者


教育公務員の怪しい就職


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国のお金で留学し博士学位
雇用休職制を利用して教授職予習
大学教授になるには博士学位、講義経歴などが必要だ。教育科学技術部公務員たちは国の金を活用してこれらを準備できる。


 匿名を要請した現職4級教育公務員K氏は<ハンギョレ>記者に会い‘国費留学→在職中大学講義→退職後 大学就職’に繋がる過程を証言した。「本来、国費で海外研修に送るのは先進教育体系を学んで来いということじゃないですか。実際には子供たちに英語の勉強をさせ自身は外国大学で学位を取るために行きます。子供たちが小・中学校に通う頃に合わせて行こうとする公務員たちどうし、互いに海外研修順序を定めておいたりもしていますね。」

 彼らが行く先は主に米国と英国だ。2003年から最近まで国費研修に行ってきた教科部公務員は計117人だが、この内42人が米国へ、39人が英国へ留学に行ってきた。とりわけ 国費研修生が集まる大学も目につく。 英国、バーミンガム大が9人、サセックス大が7人、米国、フロリダ州立大が5人の教科部公務員を学生として受けた。


 外国大学研修は業務の質を高めるために活用されるが、たびたび退職以後のための経歴積みとして使われる。‘雇用休職’制度を活用して大学で講義を引き受けるということだ。雇用休職は公務員たちだけが享受する独特の制度だ。国際的経験を補完しろとの意で1978年国家公務員法改正当時 「国際機構または外国機関に臨時に採用される時」雇用休職できるようにした。雇用休職期間には公務員報酬は受け取れないが、就職した職場で月給を受け取ることになる。公務員身分もそのまま維持される。


 ところが大学設立自由化以後、大学が爆発的に急増した1997年に雇用休職条件として「国内外大学に採用された時」という規定が新たに作られた。この規定を踏み台として教科部公務員たちが雇用休職のための職場として選択する所は大学だ。


 アン・ミンソク民主党議員が教科部から提出させた‘教科部書記官(4級)以上公務員の2008~2011年雇用休職現況’によれば、2008年から今まで雇用休職届けを提出した教科部公務員は計107人だ。9月現在、教科部に所属する4級以上高位公務員は計256人だ。最近4年間の資料だけを調べても教科部高位公務員の40%以上が雇用休職の恩恵を享受したわけだ。


 資料によれば、最近4年間に雇用休職した107人の内 27.1%にあたる29人が国内大学で教授などとして勤めている。各種研究機関で勤務したケースが61.7%(66人)で最も多いが、雇用休職中である教科部高位公務員3人に1人は大学教授の肩書を得ているわけだ。


教科部高位職40% ‘雇用休職’
週4時間 講義・年俸8千万~1億


 国内大学で勤める教科部公務員29人の平均年俸は8095万ウォンに達し、1億ウォン以上の年俸を受け取る人も3人いた。彼らは主に1~2年契約の非専任教員として任用され、兼任教授や契約教授の身分で仕事をする。ソウル地域のある大学関係者は「雇用休職中の教科部公務員は主に契約職教授資格で講義をするが、給与は普通公務員が一年に受け取る報酬に準ずる程度に大学が策定する」と話した。


 教科部2級公務員のパク・某氏は去る3月から雇用休職に入った。パク氏は現在、延世大教育大学院教授として仕事をしている。2単位の講義一つを引き受け、大学院生らの論文作成を指導している。パク氏は2006年にも1年間の雇用休職を受け崇実大で仕事をした経緯がある。彼は大学業務を直接掌握する教科部大学学務課長職を経た高位官僚だ。


 パク氏は<ハンギョレ>との通話で「公務員として‘卓上行政’を避け現場経験を政策と連動させるために業務領域を拡張しようとの趣旨であり、実際に大学の講義を引き受ければ業務負担も大きくなる」として「退職後に大学に行くつもりはない」と話した。パク氏は「契約書上の年俸は9300万ウォンであり、これは公務員として受け取る報酬より多少少ない水準」と付け加えた。


 雇用休職中の教科部高位官僚の内、18人の講義情報を確保し分析した結果、彼らの一学期平均講義時間は週当り4時間に過ぎなかった。教科部4級公務員のイム・某氏は、今年3月から1年契約で東国大教育大学院で教授職をひきうけている。学期当たり2単位の講義一つをして大学から年俸7750万ウォンを受け取った。教科部4級公務員ク・某氏も2009年2学期から1年間、専門大のチョンファ芸術大学で教授職をひきうけ一学期間に2単位講義一つだけを引き受けた。彼は年俸7500万ウォンを受け取った。また別の教科部4級公務員キム・某氏は今年1月から1年契約で檀国大師範大で教授職をひきうけたが、1学期には講義を引き受けず、2学期から3単位の講義一つだけをしている。彼は7908万ウォンの年俸を受け取っている。


 教科部高位官僚の間に蔓延した‘雇用休職-大学講義-教授年俸受領’の慣行は退職後の大学就職に決定的に役立つ。教授資格で講義した履歴ができるためだ。ソウル地域のある大学関係者は「他の部署の公務員も雇用休職を通じて大学講義経験を積むが、退職以後に大学に正式に任用されるのは主に教科部の公務員たち」と話した。この関係者は「大学の入学定員を増やすことが大学の収益と直結するが、かつては教科部公務員たちに対するロビーを通じて入学定員を増やし、今でも退職教科部公務員を教授にむかえれば色々な支援を受けられるという認識がある」と話した。


退職すれば私立大総長・教授として就職
大学は学校運営の支援を狙って提案


 国費研修と雇用休職で学位と講義経歴を積んだ教科部官僚らは、退職時期が迫れば大学就職の誘惑の前に立つ。 匿名を要請した現職4級教育公務員K氏は「教科部次元で退職者の大学就職を探してくれる」と主張した。「教科部人事課で最近退職者らに大学教授職を案内するケースもあります。ある高位公務員出身退職者は人事課から‘○○専門大に席が出でたがどうですか?’で尋ねられ‘私がなぜそんなところに行くのか’と腹を立てたそうです。もっと良い大学に行きたいということでしょう」 その他にも「退職者自らが在職当時の関係を活用し色々な大学に再就職を問い合わせたり、大学から直接教科部に‘退職者を教授としてむかえる’と提案する場合もある」とK氏は主張した。


 これに対して教科部人事課関係者は「退職者斡旋は有り得ない」としながら「私たちも退職者が大学総長として行くという事実を行政安全部退職者再就職システムを通じて後から知ることになるだけ」と話した。この関係者は「雇用休職の場合には大学側から先に(教科部公務員の講義を)要請してくる場合があるが、退職者に対して(教授任用などを)要請したり(大学が)要請してくることはない」と説明した。


 アン・ミンソク民主党議員は「教科部公務員たちが税金で国費研修に行き、その研修を通じて取得した博士学位を利用して雇用休職期間に私立大で教授職をひきうける予行演習をした後、退職以後にはまた大学に流れている」と話した。


 イ・ジェフン記者 nang@hani.co.kr

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次官は4年制大学、1級以下は専門大総長


懲戒審査 教員請願審査委員長
9人中6人 私立大総長・教授


教科部官僚の花は次官だ。長官には外部人士が任命されることが多いが、次官だけは正統官僚出身が主に引き受ける。官僚出身の教育部次官らも教育界‘前官待遇’の例外でない。1級(管理官)以下の官僚らが主に私立大学教授や専門大総長として任用されるのに比べ、次官出身は4年制大学総長へ席を移すケースが多い。


 大学設立が自由化された1996年以後、計14人の教育部次官が誕生した。教育官僚出身次官は10人だった。この内 6人は退職後に大学総長となった。その内、イ・ヨンウォン、イ・ウォンウ、キム・サングォン、キム・ヨンシク、ウ・ヒョンシク前次官など5人は4年制大学の総長を引き受けた。教育官僚出身次官の中で専門大総長へ席を移した人はイ・ギウ才能大学総長 唯一人だ。チョ・ソンジェ前次官は専門大法人理事長を、ソ・ナムス前次官は国立大教授を、ソ・ポムソク、イ・ジョンソ前次官は各々私学年金公団と教職員共済会理事長を引き受けた。


 教員請願審査委員長も次官級の職位だ。彼らもやはり総長などの重責を引き受け大学へ席を移した。去る10年間に9人の教科部官僚が教員請願審査委員長を務めた。退職以後、チャ・ヒョンジク、チョン・サンファン、ユ・ソンギュ、キム・ワンボク、チェ・ステ前委員長など5人は専門大総長に、オム・サンヒョン前委員長は4年制大学教授へ席を移した。


 教員請願審査委は学校や教育当局から懲戒を受けた教職員が異議申請をすれば、それを審査し懲戒が適切だったか否かを切り分ける機関だ。主に不正私学財団と葛藤を生じさせ報復性解職にあった教授が教員請願審査委を訪れる。私立大学と厳正な距離をおかなければならない機関であるわけだ。解職教授らの団体である全国教権守護教授会ホン・ソンハク共同代表は「退職後、私立大学に行った請願審査委員長が、私学財団と葛藤を生じさせ追い出された教授らの懲戒を果たして公正に審査したとは認め難い」として「教員請願審査委が公正性と独立性を確保できるよう関連法改正が必要だ」と話した。


ユ・シンジェ、イ・ジェフン記者 ohora@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/495986.html 訳J.S