原文入力:2011/08/31 20:07(1615字)
ソン・ホジン記者リュ・ウジョン記者
ドキュメンタリー≪夢の工場≫のキム・ソンギュン監督
指切断など証言入れた第1編に続く第2編
外国遠征闘争・国内外ミュージシャンの連帯入れて
←キム・ソンギュン(39)監督
「(私も)随分遅くなってそこを訪ねたわけです。」
ロック音楽が好きなキム・ソンギュン(39・写真)監督が“ギターの涙”と初めて向き合ったのは2008年末だった。 彼らの復職闘争がすでに500日になった時点の集会であった。 焼身を試み送電塔高空籠城までやった彼らの“ギターの絶叫”が、そのとき初めて聞こえ始めたのだ。
窓のない工場で塵肺症は普通のこと、指を切断されたり指紋がすりへってなくなるほどなのに、社長は“夢の工場”と呼んでいたギター製造業者コルト・コルテク社。 キム監督は“絶望の工場”で資本の“むき出しの顔”を見た。 1996~2007年に800億ウォンの純利益を上げたが、2006年の1年間に8億5000万ウォンの損失があったとして翌年職員を大量解雇し、大田(テジョン)および仁川(インチョン)工場を閉鎖した。 工場は外国に移された。
キム監督の2009年のドキュメンタリー≪ギターの話≫が、ギターより劣る待遇を受けている低賃金労働者らの証言だったとすれば、9月1日に封切りされる彼の2番目のドキュメンタリー≪夢の工場≫は、ギター労働者の外国遠征闘争と国内外ミュージシャンらの連帯を盛り込んだ第2次報告書だ。
「ドキュメンタリーでない劇映画だったら、ちょっと違っただろうと思います。 有名ブランドのギターの皮を剥がして行くと、中から労働者の血痕と切られた指が出てくるイメージで始めたでしょう。」
コルト・コルテク社は自社ブランドのギターだけでなく、フェンダー・ギブスン・アイバニーズなど有名外国ブランドギター会社の下請けを受けて製造する業者だ。 映画はドイツ、日本、米国などの楽器博覧会とロックフェスティバルまで尋ね歩いて「ギターが搾取でない自由を求めて歌うようにしてくれ」と訴える労働者たちの声を聞かせる。 後援コンサートを開く国内ミュージシャンらと、ザック・デラロチャとトム モレロなど有名音楽グループ スターらの支持発言など国際的な連帯の姿も見せる。
最近ソウル市内で会ったキム監督は「後援コンサートをする時コルト・コルテクの労働者の作ったギターを持って出ると、『私が作ったギターがあんなに美しく演奏されるんだな』と言って喜ぶのでジーンとくる」と語った。
彼はギターブランドの陰に見えなくなっている労働者たちと向き合いながら“ねばる会社とずるずると長引いていく時間”がもどかしかったという。 2009年高等裁判所で解雇が不当だという判決が下されたが会社は上告した。 最高裁判決が2年近く延期されている間に労働者の生計はさらに困難になっている。 労働者たちは仁川(インチョン)工場の駐車場のテント座込み場で、返事のない資本に向けた期限のない闘争を継続中だ。 キム監督は「この映画が最高裁判決勝訴に役に立てばいいが」として「労働者の方々が『第3編を作らなくては』というが、この闘いに勝ったとき作りたい」と言った。 彼はお客さんが取って行けるように食堂に置くことにしたと言って、映画パンフレットの束を持って立ち上がった。 “六弦のオーケストラ”の中に込められたギター労働者の声を、1人でも多くの人が聞いてくれることを願いながら。
文ソン・ホジン記者dmzsong@hani.co.kr写真リュ・ウジョン記者wjryu@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/494285.html 訳A.K