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金持ち減税 3年、慢性財政赤字 ‘あっぷあっぷ’ …国家負債 90兆 急増

登録:2011-08-20 09:34

原文入力:2011/08/19 22:35(2329字)


大統領府減税基調の問題点
MB政府 5年間 減税で税収66兆ウォン減少 推算
投資・消費拡大 好循環より再分配構造だけ悪化
与党まで‘追加減税撤回’要求…結局 一歩後退

←李明博大統領が18日、大統領府で開かれた第26次国家競争力強化委員会議に先立ち新任の民間委員委嘱状授与式を行い、委員らと共に話をしている。 左側からキム・キムン中小企業中央会会長、ソン・ギョンシク大韓商工会議所会長、イ大統領、ホ・チャンス全国経済人連合会会長、イ・ジュヨン ハンナラ党政策委議長、サ・ゴンイル韓国貿易協会会長、チャン・デファン毎日経済新聞会長、イ・ヒボム韓国経営者総協会会長、チョン・ウネ韓国女性経済人協会長。大統領府カメラマン団


与野党政界の‘減税撤回’圧迫がますます強まるや大統領府が19日「減税の時期と量を調整しうる」と態度を変えた。大統領府の気流変化は結局、立法権を持った国会を説得できなければ現実的に減税を施行できないという判断に従ったものだ。所得税・法人税最高区間に対する追加減税は当初2010年に施行予定だったが、‘金持ち減税’論難がおき2009年末の国会で与野党合意により2年間施行が電撃留保されたのだ。 大統領府では与党すらも減税撤回を事実上の党論に定めた状況であり、むやみに減税を押しつければややもすると名分と実利をすべて失う境遇に置かれかねない。

大統領府は減税の‘時期と量’を全て調整しうるというカードを出した。もし減税時期をもう一度遅らせる側に方向を定めれば結果的に現政権任期内には追加減税を施行することが不可能であり、事実上の減税撤回と解釈されうる。 減税の‘量’を調整する方案としては、減税率を低くする代りに雇用と関連した投資の減免・減税を増やす方案などが議論されるが、‘金持ち減税’論難を解消することができるかは未知数だ。


事実、最近の‘減税撤回’世論を再点火したのは大統領自身だ。大規模減税で税収を減らし財政健全性を強化しろと促すなど辻褄が合わないという批判と共に減税をまず撤回するのが順序という世論に直面したわけだ。


李明博政府の減税政策は2008年末からすでに相当部分が施行された。残ったのは8800万ウォン超所得者に対する所得税率の引き下げ(35%→33%)と課税標準2億ウォン超企業に対する法人税率引き下げ(22%→20%)の二種類だ。


‘金持ち減税’以後、国家の蔵は大きく穴があいた。2008年グローバル金融危機に対応するための大規模財政投資とあいまって李明博政府スタート以後 4年目の財政収支は赤字状態だ。 現政権5年間に減税により減る税収は計66兆5000億ウォンと推算(国会予算政策処)される。 来年から追加で法人税と所得税率を下げれば毎年3兆7000億ウォンの税収がさらに減ることになる。追加減税をしないだけで‘半額授業料’等、新しい福祉需要を満たす財政余力をある程度確保できるという話が出る所以だ。 国家債務も急増した。 去る2008年に309兆ウォンだった国家債務は393兆ウォンへ2年間で90兆ウォン近く増えた。


わが国政府は2008年の金融危機以後、経済協力開発機構(OECD)会員国中で最も大幅に法人税率を下げた。3年間のOECD平均法人税率引き下げ幅は0.3%だが、わが国は3.2%も下げた。 主要国が金融危機に対処するために財政支出を大きく膨らませながらも法人税減税には積極的に出なかったのは景気浮揚効果が大きくなく税収縮小により財政余力を減らすだけという判断に従ったものだ。


李明博政府は財政赤字と国家債務を甘受しながらも攻撃的減税を行ったが、その成績表はあまりにもみすぼらしい。 減税を通じて投資と雇用が増え、更に民間の生産と消費が拡大する好循環は現れなかった。 むしろ失業率は高まり所得再分配構造は悪化した。


2000年代初め、米国ブッシュ行政府の大規模減税に対して米議会は後から "景気浮揚に適合しない方式" という結論を下した。 総需要は減税1ドル当り0.74ドル分が増え投入より産出が少なく、雇用も政府予測値の38%増加にとどまり、莫大な財政赤字の57%は減税から始まったという報告書を出した。


キム・キウォン放送通信大教授(経済学)は「減税は財政運営に累積的に負担になり、税金の特性上 一度引き下げられた税率は再び復元するのが難しい」として「私たちは先進国より財政規模が大きくなく、減税による財政運営の制約が更に大きい」と診断した。


政府の均衡財政政策は‘支出構造調整’に焦点が合わされている。専門家たちは政府が減税を維持し、財政赤字と国家負債問題を解決しようとしていることも見当はずれだと指摘している。 歳入減少が主な理由なのにもかかわらず支出縮小に答えを求めているということだ。更にこういう財政縮小基調では急激な高齢化・両極化により増える‘義務的福祉支出’需要さえ賄うのが難しいという指摘も出ている。ホン・ジョンハク キョンウォン大教授は「分母(政府予算)が増える速度より分子(福祉支出)が増える速度があまりにもはやい」として「こういう状況で支出を最小化する政策基調を維持すれば、福祉支出増加率もやはり基調的に下落せざるをえない」と話した。 キム・フェスン記者 honesty@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/492570.html 訳J.S