原文入力:2011/08/12 22:15(1530字)
チョン・ナムグ記者
日本の知性、8・15を控えて平和連帯を呼び掛け
高橋哲哉 東京大教授 "軍国主義が強要した犠牲 経済大国を前面に出した犠牲
福島原発事故に見るように日本 問題認識 大きく不足"
←高橋哲哉東京大教授
8・15を2日前にした13日、日本、東京、千代田区の全国電気通信労働会館では日本の良心的人々が5回目の平和のロウソクのあかりを掲げる。‘ヤスクニの闇に平和の灯りをともすロウソクのあかり行動’行事に合わせて沖縄、ソウルと台湾、タイペイでも連帯行事が同時に開かれる予定だ。
2007年から続いている行事だが、今回は格別の意味が加えられた。今年の主題‘3・11以後の東アジア-原子力発電所とヤスクニが強要する犠牲’に見るように、‘福島原子力発電所’問題が加えられたわけだ。
"一部の‘被爆’を前提に稼動する原子力発電が正当なものか、問い質さなければなりません。"
‘靖国神社’の存在に対して長期にわたり問題提起をしてき、<靖国問題> <国家と犠牲>などの著書で我が国にも知られた日本の哲学者 高橋哲哉(55・東京大教養学部・写真)教授が見るに今 福島はもう一つのヤスクニだ。ヤスクニが富国強兵を前面に出して軍国主義が強要した犠牲を象徴するならば、福島は経済大国を前面に出して推進した原発産業が強要した犠牲だということだ。
東京シンポジウムに日本側パネルとして参加する高橋教授は<ハンギョレ>とのインタビューで「福島原発事故は日本に2回目の敗戦のような衝撃を抱かせた」と語った。彼は福島第2原発がある富岡町出身。経済的に後れた福島は国と電力会社の支援を望み原子力発電所を誘致した。彼は「原発労働者の日常的な被爆、原子力発電所周辺地域住民の犠牲の上に原発が建っていたことが今回の事故で明確にあらわれた」と強調した。
高橋教授は「原発事故は周辺国にも影響を及ぼすだけに、安定した繁栄を確保するためにもまず東アジア諸国の間に確実な信頼関係を構築していくべきだ」と話した。もちろん彼は「そうするには歴史認識問題などで日本の対応がまだ足りない」と認めた。
実際、靖国問題は小泉純一郎前総理を最後に現職総理の参拝が中断されたりしたが、それ以上の進展はない。最近、日本の裁判所は靖国神社に合祀された韓国人生存者が合祀を止めてくれとし提起した訴訟を棄却した。日本の戦後責任を正面から提起し主流社会から荒々しい非難を受けたりもした彼は「民主党政府に期待をかけたが失望した」として「米-日同盟から利益を得る既得権集団が非常に強固であり、強力な世論の後押しなしには過去の構造の打破は容易でないのが事実」と打ち明けた。
福島原発事故以後、日本では原発依存から抜け出そうという世論が60~70%に高まり、市民社会による原発反対運動も活発だ。だが、彼は楽観はできないという。「1945年の敗戦直後に活発だった日本の民主化運動が‘豊かさ’という目標に席を渡し、1990年代初期に戦後問題を清算しようとした市民社会の動きが右翼の逆襲で弱まった」とし、脱原発中心の最近の市民運動も新しい日本を作れるかという点では「率直に言って確言できない」と話した。そうだからこそ「歴史問題と原発問題などについて韓・中・日の市民が出会う席を増やし、率直に相談することが重要だ」と強調した。 東京/文・写真チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/491575.html 訳J.S