本文に移動
全体  > 文化

手で握れば携帯電話に充電も遠くない

登録:2011-08-12 10:00

原文入力:2011/08/09(1169字)
イ・クンヨン 記者
延世大イ・ウヨン教授研究チーム 高效率熱電対素子開発への道を開く

韓国の研究チームが、携帯電話を手で握っていれば体温で充電可能な高效率の熱電素子実現への突破口を開いた。

イ・ウヨン 延世大新素材工学科教授(写真左側)
イ・ウヨン(48)延世大新素材工学科教授研究チームは9日、ビスマス(Bi)ナノワイヤにテルル(Te)を被覆する方法で、既存ナノワイヤーより熱伝導率を25倍以上減少させる高效率の熱電効果技術を開発したと明らかにした。

熱電効果とは、二つの金属を接合して、一方を高温に、もう一方を低温に保つと、電気が発生し、反対に、直流電気を流すと、一方では発熱、他方は冷却される現象を言う。熱電素子はこれを利用して発電するシステムで、温度差を維持しながら発電量を増やすには、熱伝導は低下させて、電気は多く流れるようにしなければならない。しかし、電気と熱伝導は同じ割合で起きるため、エネルギー効率が高い熱電素子の開発が難しかった。そのため、現在、熱電対素子がワイン冷蔵庫や人工衛星、潜水艦など高費用の特殊用途のみに用いられている。ワイン冷蔵庫は、熱電素子で冷却すれば既存冷蔵庫と異なり震動が発生しないため、ワ インの沈澱を防ぐことができる。また、熱電素子は潜水艦で無騒音で敵の探知を防止するため、人工衛星では太陽電池板が作動できない状態の時に、放射性物質から生じる熱で電気を発生させる用途に用いられる。

研究チームは、ビズマスとテルルでコアセルナノワイヤ(チョコレートをかけたお菓子のように、中心部を構成する物質と異なる物質が表面を覆っているナノ ワイヤ)を作って測定した結果、電気伝導は維持しながら熱伝導は既存ナノワイヤーより25倍以上減少したことを確認した。特に、ビズマスとテルルの接合部位(界面)が乱れると、滑らな時より熱伝導減少効果が約5倍高くなるという事実も分かった。イ・ウヨン教授は「電気を輸送する電子は、二つの元素の結合 と関係なく高速で移動するが、熱を輸送するフォノンはビスマスとテルルの界面に衝突しながら伝導速度を低下させていくため、このような現象が起きる」、 「今回の研究成果は、熱制御を要する熱電素子と光電素子、そして、多様な物理・化学ナノ素子分野に応用できると期待している」と述べた。

研究成果は材料科学分野の有名学術誌であるAdvanced Materials 9日号表紙論文として掲載された。

イ・クンヨン先任記者 kylee@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/491025.html 訳M.S