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チョ・ナムホ「整理解雇は避けられない」、キム・ジンスク「撤回すれば降りる」

登録:2011-08-11 00:22

イ・スユン記者 キム・グァンス記者 
原文入力:2011.08.10

チョ・ナムホ韓進重工業会長記者会見
「人的構造調整は避けられない選択」「公聴会出席は国会の決定を尊重」

▲10日午前、釜山市庁ブリーフィング室でチョ・ナムホ韓進重工業会長が記者会見を開き、韓進事態に関して、国民への謝罪とともに、外部勢力の介入自制などを訴える「対国民要請文」を発表している。チョ会長はまた、議論がされていた長期の海外出張について釈明し、労使合意の遵守、経営正常化を前提とした希望退職者再雇用、希望退職者及び地域住民の支援方策等、事態解決案も提示した。【釜山=ニューシス】
「3年以内の経営正常化のために最大限努力する…成長の足場が用意されれば、再び迎える」
出国後50日ぶりに帰国したチョ・ナムホ韓進(ハンジン)重工業会長は10日、釜山市庁で開かれた記者会見でアピール文を発表し、整理解雇撤回要求に「企業と従業員皆が生存を放棄するのを求めることに他ならない」と一蹴した。キム・ジンスク全国民主労働組合総連盟釜山本部指導委員の高空籠城[クレーン上での座り込み]と希望バスの訪問をめぐって、「違法な圧力」と非難した。 

チョ会長は「裁判所の決定を無視してクレーンを不法占拠する行為は、事態の解決には何の役にも立たない危険かつ違法な行為であり、直ちに中断しなければならない」と強硬な態度を重ねて示した。 

彼は「キム指導委員がクレーンから降りるようにする対策」について聞かれると、「長期間上がっておられる方に対して、個人的に健康が懸念される。上がっておられることが韓進重工業と協力業者にとって助けになるのかと問いたい。降りてきて、韓進が正常化されてから、主張をすればよいのではないか。一刻も早く降りてくるのを望む」と述べた。 

財界の圧力で整理解雇を撤回できないのではないかという質問には、「影島造船所の生存が最も急がれる」と即答を避けた。 

あわせて、「経営上構造調整にかかわる原因について、法的な正当性を根拠に何も責任がないという意味ではなく、経営者としての責任を痛感しており、重ねてお詫び申し上げ、これまで各界との意思疎通ができなかった点も残念に思う」とし、「公聴会出席は、国会の決定を尊重する」と述べた。

チョ会長は「3年以内に経営正常化を達成できるよう努め、会社を去らねばならなかった家族[従業員のこと]を再び迎え入れる」とし、希望退職者には子供2人まで大学卒業までの学費全額を支援すると約束した。経営正常化に関しては、「影島造船所は、8万坪という小さな敷地なので、特殊船舶の建造に特化する」と答えた。彼は、「フィリピンのスビック造船所に受注を移してきた」疑惑について、「競争力のための必然的な選択だった」とし、「影島造船所を放棄したり、釜山影島を離れることは絶対にないだろう」と話した。

これまでの行動を問う質問には、「船主があれば世界中どこでも行く。営業上の秘密だ」とだけ答えた。 

釜山/イ・スユン記者 syy@hani.co.kr 


クレーン座り込みギム・ジンスクさんに電話
「適当に懐柔して乗り越えようというもの」「整理解雇を撤回すれば降りる」
「53日ぶりに帰ってきて、違法座り込みとデモのせいで経営活動が難しいというのは国民への冒瀆」 

▲釜山影島区韓進重工業85号クレーンで高空籠城を続けているキム・ジンスク民主労総釜山本部指導委員が、6月14日夜、座り込み中のクレーンの上で携帯電話を見ている。釜山/イ・ジョンウ記者woo@hani.co.kr 


釜山韓進重工業影島造船所内の船舶クレーンで217日間座り込み中のキム・ジンスク全国民主労働組合総連盟釜山本部指導委員(51)は10日『ハンギョレ』との通話で、「チョ・ナムホ韓進重工業会長の記者会見は、整理解雇の問題をめぐる国民的関心を薄め、対立を適当に懐柔ししようとするもの」とし、「整理解雇が直ちに撤回されなければ降りない」と述べた。 

キム指導委員は、「昨年2月に労組と構造調整中断を合意した後、従業員を一斉に希望退職させ、整理解雇をし、過去3年間に故意に受注を回避した疑惑が提起されている状況で、『3年後、整理解雇者を再入社させる』という言葉をどう信ればよいのか」と問い返した。 

キム指導委員は、「工場を正常化するには、整理解雇者を先に復帰させなければならない」とし、「チョ会長は適当にやり過ごそうとするのではなく、私が降りられる実質的な措置を準備しなければならない」と声を強めた。

キム指導委員は、趙会長が「外部勢力が不法高空籠城とデモを行い、合法的な経営活動が難しくなっている」と話したことをめぐり、「交渉もまともにせず、国会聴聞会を避けて海外に出て、53日ぶりに戻ってきてそのように言うのは、国民を冒瀆すること」と答えた。また、「会社が正常化された後、(キム指導委員が)自分の主張をすればよい」というチョ会長の発言には、「会社が正常化されるのなら、私が主張することはない」とし、「整理解雇を撤回することが、会社を正常化させることだ」と反論した。 

チョ会長は17日の国会聴聞会に出る意思を表明したことについては、「国会に行って、正々堂々、自分の立場を明らかにすることが望ましい」と評した。 

キム指導委員は、ハンナラ党が「キム指導委員も、チョ会長と一緒に国会聴聞会に出席しなければならない」と主張していることについては、「私は(全国金属労働組合)組合員にすぎず、聴聞会には組織の代表者が行くのが筋だ」と拒否の意志を明らかにした。 

さらに、「(ハンナラ党と会社側は)私が行けば整理解雇問題が懐柔されるとでも思っているかのよう」と述べ、「整理解雇の中断という問題の本質をごまかしてはならない」と強調した。

釜山/キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr

原文:http://hani.co.kr/arti/society/area/491273.html 訳:K.H