原文入力:2011/08/09 22:17(2415字)
イ・ジョンエ記者
燃え上がる英国暴動
ツイッター・フェイスブック・メッセンジャー網に乗り拡散
政権 批判に直面…総理一歩遅れて急帰還
‘怒りの原因’正確に分からない 事態さらに深刻
←英国主要騒乱発生地域
英国の首都ロンドンが燃え上がっている。
火はツイッターとフェイスブック、ブラックベリーメッセンジャーなどソーシャルネットワークサービス(SNS)網に乗り、第2の都市リバプールとバーミンガム、マンチェスターなど四方に急速に拡散している。 暴動が三日目に入り込んだ8日からは白昼にも堂々と放火や略奪行為が起きるなど、戦場を彷彿とさせる無法天地の状況が続いた。 1985年‘ブロードウォーターファーム暴動’以後、最悪の都心暴動として記録される今回の事態で、デビッド キャメロン総理政府は批判に直面している。
怒りの正確な原因が分からないという点が今回の事態の深刻性を逆説的に示している。それだけ潜在された怒りが累積しているという話であるためだ。 去る4日、29才の青年マーク ダッガンが警察の銃撃で命を失ったことは出発点に過ぎず、すでに暴動はダッガン死亡に対する公憤水準を越えた。 同じトッテナム地域で起きたブロードウォーターファーム暴動とは違い、人種葛藤的要素が原因だと正確に規定することは難しいと<CNN>放送は9日伝えた。
これと関連して注目すべき事実は、頭巾で顔を隠して街頭に出ている彼らの大部分が青年層という点だ。 暴動加担で逮捕された彼らの中に11才の少年がいたかと思えば、警察は両親たちに10代の子供たちと接触し帰宅させることを要請している。 彼らは当局の追跡が容易ではないブラックベリーメッセンジャーなどを利用し警察をあざ笑うように警察阻止網を突き抜け組織的に動いている。
外信は若者たちが動いた理由いついて、2008年金融危機以後、政府の過度な緊縮政策と失業率上昇などで生活が難しくなった若者たちの不満が過激な行動として表出されたのではないかという分析を出している。 昨年11月から授業料引き上げ反対デモ等を通じて こういう不満が少しずつ表出されてきたということだ。 暴動発生以後、外に出て行き帰ってこない17才の息子を待っているあるアフリカ系女性は9日、<BBC>放送に 「各種社会的サービスが途切れ若者たちができることは街頭に出ていくことしかなかった」とし「こうしたことがいつかは起きると思った」と話した。ロンドン東部 hackneyの住民アンソニ バーンズも<AP>通信に「この子供たちには働き口も、未来もない」として「(政府支出)の削減は事態を悪化させた」と話した。
事態が拡大し過度な緊縮財政を押しつけてきたキャメロン総理政府と警察は新たな試験台に上がった。全世界が負債危機を体験しているところにロンドンで暴動が起きたことで休暇を過ごしていたが一歩遅れてようやく対策準備に入ったことも俎上に上がっている。 <ニュース オブ ザ ワールド>の盗聴事件不良捜査で袋叩きにされた警察は暴動にもまともに対処できなかったという非難に包まれた。 イ・ジョンエ記者 hongbyul@hani.co.kr
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騒乱でサッカー競技も中断
プレミアリーグ延期の可能性
英国、ロンドンが騒乱に包まれスポーツにも影響を及ぼしている。
イングランド サッカー協会は9日、ホームページを通じて10日ウェンブリー球場で開催する予定だったイングランドとオランダの国家代表チーム間親善競技を取り消すと明らかにした。オランダ サッカー協会も同じく「ロンドン警察が我々選手とファンたちの安全を保障できない状況」とし、イングランド遠征評価試合が白紙化されたことを発表した。
警察は去る6日、ロンドン北部地域で発生した暴動が広がっているなかで、数万の群衆が殺到するサッカー競技が「暴動の潜在的導火線となりかねない」としてAマッチ強行に対する否定的な見解を明らかにした経緯がある。
9日の開催を予定されたウェストハム ユナイテッドとオルダーショット タウンのカリンカップ1ラウンドが延期され、ロンドン南東部のバレースタジアムで予定されていたチャールトン アスレチックとレディンFCとのカリンカップ競技も警察の要請で延期された。暴動が鎮圧されない場合、13日に開幕するイングランド プレミアリーグ2011~2012シーズンも影響を受ける展望だ。 <BBC>放送は球団らと警察がプレミアリーグ開催可否を議論しているが、事態の推移をもう少し見守った後に決めることにしたと報道した。
多少性急な感があるが、354日後に迫ったロンドンオリンピックをきちんと行うことができるかという憂慮まで出ている。去る8日に暴動が起きたロンドン東部hackneyにオリンピック主競技場をはじめ主要競技場が集まっているオリンピック公園が位置しているためだ。 先月27日、オリンピック‘D-365日’記念行事を開催し詰めの準備に拍車を加えたロンドン市当局とオリンピック組織委員会も慌てている。英国は7億7000万ドルの予算を投じ、オリンピック期間に毎日1万2000人の警察力を配置する計画だった。 だが、暴動と略奪で統制不能に陥ったロンドンの姿が全世界に放送され、1908年、1948年に続き3回目のオリンピックを開催するロンドンが治安能力不在という不名誉を抱くことになったという評価だ。 イ・ジョンエ記者
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/491104.html 訳J.S