原文入力:2011/07/03 23:23(2209字)
パク・ギョンマン記者
亡くなった大学生 独学で検定試験合格
半地下の部屋に三人家族で暮らし
一緒に働いていた労働者3人も惨事
授業料を用意するために軍を除隊した二日後から冷凍機補修業者で仕事をしてきた大学休学生が作業中に命を失った。去る2日未明4時頃、京畿道高陽市一山西区、徳耳洞の‘イーマート 炭峴店’地下1階機械室で冷凍機の点検・補修作業をしていたソウル市立大の休学生ファン・スンウォン(22・経済学部1年)氏が同僚作業者3人と共に亡くなった。ファン氏らはマスクのような安全装備を着用せずに作業をし有毒ガスで中毒したと見られる。
ファン氏は去る5月18日、医務警察服務を終え一日休んだ後、すぐに冷凍機補修業者に日雇いとして就職した。2学期の復学を控え授業料を用意しなければならなかったためだ。
幼いころから勉強がよくできたファン氏は中学生の時、父親が事業に相次ぎ失敗し家を離れ高校進学をあきらめなければならなかった。だが、貧困も少年の夢を阻むことはできなかった。週末ごとに大学生のいとこを尋ね歩き英語・数学を習った。 学院に一度も通わずに独学で大学入学検定試験に合格し、2009年 夢に描いた大学(ソウル市立大経済学部)に入学した。
必死のあがきをつくして大学に進学したが、一学期に数百万ウォンの授業料は彼にとって大きな壁だった。食堂と工場をかけもちして一ヶ月に100万ウォンを稼ぎ自身と妹(17)の面倒をみてきた母親に授業料を頼める状態ではなかった。授業料は全てファン氏が自分で賄わなければならなかった。三人家族はソウル、城東区、玉水洞の保証金1500万ウォン、家賃20万ウォンの半地下の一部屋で一緒に暮らしていた。
3日、一山東国大病院葬儀室で会ったファン氏の母親(51)は「いつも息子に申し訳ない思いで一杯だった」として号泣した。軍から除隊した直後から昼夜別なく辛い仕事をする息子に‘大変ならもうやめなさい’と話したが、ファン氏は「他の業者では月給150万ウォンを受け取るのが容易でない」として、危険で難しい仕事を甘受した。そのような息子は母親にとって自慢の種であり、人生の全てであった。息子は軍の休暇や外泊の時も友人と交際するのではなく母親に愛嬌を見せたキメ細かく心優しい子供だった。
叔父のチョン・某氏は「職場がもう少し安全規定を守ってさえいれば、こんな事故を防げたのではないか。花のように美しい若さで苦労ばかりして夢をかなえる前にこの世を去ってしまうとは…」として目がしらを濡らした。
ファン氏ら4人は去る2日未明、イーマート 炭峴店地下1階 240㎡規模の機械室で倒れているのが発見され病院に運ばれたが全員が亡くなった。先月初めに設置したターボ冷凍機から騒音が出るなど冷房効率が落ち、イーマート側が冷凍機補修業者に連絡し、ファン氏らが現場に出てきて深夜12時頃から冷凍機の点検作業をしていた。地下機械室には家庭用冷蔵庫より10倍ぐらい大きなターボ冷凍機とボイラーなどがある。イーマート技術管理チーム職員は「亡くなったファン氏らがターボ冷凍機から冷媒ガスを取り出した後、部品異物清掃作業を行ったが、その過程で事故に遭ったと推定される」と話した。
一山消防署関係者は「冷媒ガスには人体に有害な塩素ガスが含まれており、少し吸っただけでも致命的であり、一般マスクでは効果がない。作業空間が地下であるため冷媒ガスで窒息死した可能性がある」と話した。
高揚/パク・ギョンマン記者 mania@hani.co.kr
新世界、イーマート 事故二日過ぎても立場表明なし
財閥企業である新世界が経営する大型スーパーマーケット チェーン業者のイーマートが京畿道、高陽市、炭峴店で冷凍機の修理中に4人が亡くなった事件が発生し、二日が経過しても今回の事故に対する道義的謝罪どころか何らの公式立場を出しておらず非難を買っている。
新世界側の広報関係者は「人命が4人も亡くなった重大な事故であるだけに、会社側も慎重に対応している」とし「今日中には会社側の公式立場は出てこないだろう」と話した。新世界とイーマート側が慎重な姿勢を守っているのは、事故原因が明らかになっていない状況で生半可に謝れば補償問題が複雑化することを憂慮する上に、基本的に自社職員や協力業者職員に絡む人命事故ではなく、場所だけがイーマートで発生した問題という認識を持っているためと知らされた。
これに対してツイッターとインターネット空間では「最小限、謝罪くらいはすべきではないか」とし、イーマートの無対応と誠意の無さを叱責する文があふれている。
ツイッター利用者@hansyokwonは「あー、イーマート、本当にひどいですね。最善を尽くして故人の葬儀を行い家族たちを慰労し、補償しなければならないのではないですか? チョン・ヨンジン副会長の猛省を促します」と批判した。ソン・ジョンデ氏は「なぜこれほどまでに持てる者は人命を軽く見られるのだろうか」と怒りを表わした。 デジタルニュースチーム
原文: 訳J.S