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「アルバイトにトイレに行く時間を与えよ」

登録:2011-06-23 11:25

原文入力:2011/06/22 20:40
イム・ジソン記者

青年ユニオン、労働実態調査
事業主ら、人件費削減し、「一人だけで勤務」が多くなっている
トイレを我慢し体調悪化、数時間水を飲まないことも
19%が「最低賃金ももらっていない」

下腹部が重くなり、信号が点った。キム・ホジンさん(仮名、26)が「トイレに行きたい」と思った瞬間、注文が入ってきた。「焼肉バーガーセット二つ!」、24時間営業のファーストフード店のキッチンでキムさんは一晩中一人で働く。ハンバーグを鉄板に載せ、お腹をさすった。この日は午前3時まで一瞬も注文が絶えなかった。「夜11時から朝7時までの夜間は、店主がアルバイトを厨房とカウンターにそれぞれ一人しか置かないのです。アルバイトがもう一人いればトイレに行けるのに……。休むことなく8時間仕事するのでとても大変です」
有名カフェチェーン店で働くイ・ウチョルさん(仮名、27)にも休憩時間がない。午前7時30分に出勤し午後4時まで働く李さんは「押し寄せるお客さんに魂が抜き出るほど仕事をすると、お腹がとても空いて大変」「社長が監視カメラを設置していて、アルバイトが席を外したり、何か食べようとすると、すぐに叱られ、ストレスがひどい」と話した。

チョ某さん(27)はトイレに行きたい時、どんどん入ってくるコールを一時遮断してチーム長に報告をした後トイレに行かなければならないテレマーケティング・アルバイトだ。勤務最初の月「トイレに行く」と言えなくてこらえていると、生理不順が訪れた。午前11時から午後4時まで働くが、休憩時間はもちろん昼休みもない。毎日通勤途中にパンを買い、数秒間コールを防いでおき、急いで噛んで食べる。

トイレに行くのにしばらく席を外した間に、災難に遭うこともある。インターネットカフェのアルバイト、カン某さん(30)は「トイレに急いで行って帰ってくると、誰かが金庫を持ち去った」と言い、「当時手元にあったお金をすべてはたいて社長に弁済をしてからは、トイレはできるだけ我慢している」と語った。トイレに行く時間さえとるのが難しいアルバイトは、働いている間、まったく水を飲まずに我慢することもある。

時間制アルバイトが最小限の休憩時間もきちんと確保されないまま働いている現実は、アンケートの結果でも確認できる。青年ユニオンは、今年5月19日から1ヵ月間、ソウル龍山区にあるコンビニエンスストア、コーヒーショップ、ファーストフード店など166の場所で働くアルバイトを調査し、22日に公開した内容を見ると、221人の回答者のうち91人(41.2%)が「休憩時間なしで働いている」と答えた。勤労基準法[日本でいう労働基準法]は、「労働時間が4時間の場合30分以上、8時間の場合1時間以上の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない」と定めている。イ・ジョンピル青年ユニオン組織局長は「大手チェーン店やコンビニエンスストアから零細自営業者まで、人件費を節約しようとアルバイトの数を削減し、労働環境がさらに悪化している」と話した。

休憩時間がないだけでなく、最低賃金も受けとれないアルバイトも相当数いた。龍山区の166事業場のうち41ヵ所(18.6%)は、最低賃金(時給4320ウォン)さえ守らなかった。47ヵ所(21.2%)は、アルバイトに最低賃金分だけ支給した。青年ユニオンが昨年、全国のコンビニエンスストア444ヵ所を調査した結果でも、292ヵ所(66%)が最低賃金法に違反していることが分かった。

最小限の休憩もない労働は、様々な事故や健康の悪化と直結する。ピザ配達人のイ某さん(33)は「数時間連続で休む暇もなく宅配に出て、運転中ぼうっとして事故になりそうなことが多々あった」と話した。イム・サンヒョク労働環境健康研究所長は「トイレに行けないほど労働に苦しめられる場合には、直接的には膀胱に影響を及ぼし、尿失禁などの症状が早期に発生し、脳卒中、心臓病にも簡単にかかるなど、健康全般に悪影響を及ぼす」とし、「特に、休めないまま仕事をすると集中力が落ちて様々な事故に容易に遭うほかない」と指摘した。

イム・ジソン記者 sun21@hani.co.kr