原文入力:2011/06/16 23:00(1345字)
ナム・ジョンヨン記者
韓米調査団 会見…専門家ら "基地内こまかく土壌調査すべき"
慶北、漆谷郡、倭館邑の米軍基地‘キャンプ キャロル’内の汚染物質は基地外に流出していた。キャンプ キャロル周辺調査でダイオキシンが有意な水準で出てきてはいないものの、猛毒性発ガン物質であるテトラクロロエチレン(PCE)が確認された。
キャンプ キャロル枯れ葉剤埋却疑惑を調査している韓・米共同調査団は16日、漆谷郡庁で記者会見を行い「キャンプ キャロル近隣アパート住民たちが飲料水として使っている地下水からテトラクロロエチレンが基準値(0.01㎎/L)を2.6倍超過した0.026㎎/L検出された」と明らかにした。工業用洗浄剤として使われるこの物質は中枢神経を損傷し動物実験で癌発生率を高めると知られている。
また、韓・米共同調査団は「河川3ヶ所でダイオキシンが検出されたが、これは米国環境保護局(EPA)が定めた飲み水基準値と比べてみれば3000分の1から3万分の1水準」と明らかにした。地下水の場合、一部試料から検出限界値に至らないダイオキシン‘ピーク’(グラフ上の頂点)が確認されたと知られた。検査過程で汚染物質の存在は‘折れ線グラフ’で表現されるが、検出限界値以上のピークは濃度が表示されるが限界値以下のピークは無視してもかまわないほどの極微量なので検出されなかったものとして処理される。だが、解釈によってはダイオキシンが一時存在した跡と見なされたり、全く別の変数によって現れた‘ノイズ’と規定したりもする。
専門家らは今回の調査結果が予想されたことだと話した。キム・シンボム労働環境健康研究所産業衛生室長は「しばしば地下水や河川でダイオキシンが出てくるか否かを重きをおいて見ているが、ダイオキシンの特性上それは大きな意味がない」と話した。 一般的にダイオキシンは地下水を通じて移動するが、水に混じらず浮遊物質に吸着する性質があるため、水質検査で発見されない場合が多い。
このため‘ダイオキシンが存在するか’等、枯れ葉剤埋却有無だけを問い詰めることは本質から外れている指摘が出ている。キャンプ キャロルではダイオキシン以外にも他の猛毒性・発ガン物質が存在することが米軍側資料を通じて確認された。だが、現在キャンプ キャロル基地内では、ドラム缶埋却有無だけを問い詰める地下透過レーダー(GPR)と地下水水質調査だけが進行されており、これを土台に一部地点でダイオキシン存在有無だけを調べる土壌ボーリング調査が実施される予定だ。
共同調査団関係者は「米軍は世論に押されて土壌調査をすると言ったが、現在の雰囲気では非常に制限的な地点だけで実施されるだろう」とし「ダイオキシンは大変少ない区域に局地的に存在するため、きめこまかく調査しなければ出てこない」と話した。
ナム・ジョンヨン、漆谷/ク・テソン記者 fandg@hani.co.kr
原文: 訳J.S