原文入力:2011/06/14 20:33(1593字)
チェ・ウォンヒョン記者
ムック誌‘デモス-急進民主主義レビュー’ 1・2号
女性主義・生態主義など多様な勢力と連帯すべき
←チョ・ヒヨン教授
1987年6月抗争以後、保守主義陣営は民主主義談論を昔のこととして片付ける態度を示した。87年以後の成果を産んだ 手順を踏んだ民主主義の確立を‘自由民主主義の確立’と解釈したことが大きい。アン・ビョンジク時代精神理事長は最近出版された本の序論で「民主化がなされたのに左派が依然として民主主義を語るのは左翼的民主主義に対する欲求のため」としつつ「しかし彼らなりの民主主義モデルが何かを提示できずにいる」と話したことがある。
しかし民主主義を単に政治体制の一つとしてのみ狭く解釈する保守陣営とは異なり、進歩陣営では民主主義に対してより一層深みのある研究を続けてきた。聖公会大民主主義研究所が2008年1月から‘急進民主主義研究会’(cafe.naver.com/radicaldemocracy)という研究会を設けてきたのがその代表的事例だ。研究会は最近、この間の研究結果をまとめ<デモス-急進民主主義レビュー>という名前のムック誌 1・2号を出した。少壮学者らと共に研究会を主導してきたチョ・ヒヨン(写真)教授は「資本権力など強化された社会的権力に対抗する新しい大衆的力を作り出すための試みとして民主主義の‘急進化’に注目した」と明らかにした。
参加した学者らが自ら "未完成" というほど、これらの研究はまだ進行中にある。何よりも彼らの問題意識は「民主主義が多様な社会経済的領域に拡張され民衆の暮らしと問題を解決しなければならないのに、むしろ現在 民主主義が資本主義と保守主義に包囲されている」という認識から出ている。彼らは民主主義に対して西欧式自由民主主義と自由市場を強調する‘自由化論’、民主主義に発展過程があると見る‘民主化論’、社会経済的次元の闘争のみを重視する‘非本質論’等を否定する。 代わりに彼らは代議的民主主義を越え「民の直接政治または大衆的民主主義を実現すること」、すなわち民主主義を急進化することを指向する。説明だけではややもすれば漠然としている彼らの指向点は他の観点との関係の中では固有の色を示す。
急進民主主義は自由主義が持っている政治的多元性の原理を受け、政治的自由に対する主張をさらに拡大するが、民主主義を社会経済的関係から抜け出した独立的ゲームとして見る観点を批判する。また、既存の社会主義とマルクス主義からは経済的平等に向かう急進的指向を受け継ぐが、全てを階級対決として解説する還元主義は排撃する。また、民主主義を資本主義の‘政治的外皮’と見る観点から抜け出し、グラムシのヘゲモニー論と積極的に結合する。すなわち民主主義という政治的形式自体は肯定しつつも資本主義の支配からは抜け出そうとする社会運動をその中心に置くということだ。
特に注目すべき部分は‘民主主義左派’という新しいアイデンティティに対する規定だ。彼らは6月抗争時の民主化勢力は西欧式自由民主主義を実現しようと考える民主主義右派とともに急進的な民衆的民主主義を指向する民主主義左派の結合だと見た。こういう脈絡から現在、急進民主主義を実践する主体は女性主義・生態主義・社会主義など多様な性格の民主主義を指向する勢力が連帯する新しい民主主義左派だということだ。絶えず社会主体間の新たな合意を形成するという民主主義の原則に沿ってみれば、彼らが主張する急進性は‘連帯性’とも読まれる。 チェ・ウォンヒョン記者
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/482738.html 訳J.S