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現代自動車 非正規職に恩恵? 毒薬?

登録:2011-05-09 10:54

原文入力:2011-05-09午前09:46:58(2040字)
"生産正規職 7年ぶりに新規採用…非正規職 40% 抜てき"
正規職労組 "会社に建議" 非正規職労組では "拒否"
"組合員身分としては難しい" 以前にも労組脱退 煽る
"放っておくことも阻むこともできない" 非正規職労組 心痛

キム・ソヨン記者

←去る2月13日、現代起亜自動車グループ本社そばの大型広告看板の上で非正規職労働者が横断幕を掲げ高空籠城を行い、一人の同僚労働者が遠くから籠城する彼らを見守っている。現代自動車非正規職労働者らの不法派遣反対闘争が9年目をむかえたが、会社側は依然として冷淡な態度を見せている。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

現代自動車労働組合(委員長 イ・ギョンフン)が長期勤続者の子弟の優先採用を団体協約要求案として確定する中で、現代車が8日 7年ぶりに生産職新規採用を実施する予定と明らかにした。現代車会社と労組関係者は「新規採用規模と時期について議論している」と話した。今回の新規採用は定年退職など自然減少にともなう人員補充で100~200人の間になると見られている。労組関係者は「定年退職などでこの間 800人以上が退職したので今後 新規採用を継続的に要求する」と話した。

現代車正規職労組は新規採用人員中、約40%(40~80人)を下請け労働者の中から抜てき採用するよう会社に建議する方針だ。だが、現代車非正規労組(蔚山、牙山)は去る6日、民主労総傘下の全国金属労組と懇談会を開き「不法派遣にともなう正規職化問題が解決されていない状況で下請け労働者に対する正規職新規採用が実施されれば、非正規労働者の分裂だけが深刻化されるだろう」とし「拒否することにした」と明らかにした。

■非正規職労組、正規職採用拒否なぜ?
先月、長期勤続者の子弟優先採用問題がふくらんだ時、正規職労組は「この間、新規採用で40%を下請け労働者で満たしてきており、今後もこの原則を守って行くだろう」としつつ‘正規職利己主義’という社会的非難が無念だと訴えた。正規職労組が主張するように、ちょっと見には下請け労働者の正規職採用が非正規労働者にとって恩恵のように見られるが、むしろ‘毒薬’になる可能性が大きいという指摘が出ている。

労組資料を見れば、2002年237人、2003年139人、2004年314人など3年間に690人(新規採用の約35%)の下請け労働者が正規職として採用された。だが、副作用が深刻だった。2003~2004年、非正規労組が作られた後に新規採用が始まり、組合員が大挙非正規職労組を脱退した。オ・ミンギュ全国非正規労組連帯会議政策委員は「正規職に選ばれるためには下請け業者社長の推薦書が必要なうえ、組合員という‘邪魔者’身分では採用が難しく、数百人が労組から脱退した」として「正規職になった690人中、非正規組合員は殆どいない」と話した。オ政策委員は「会社は非正規労組の力を弱化させなければならない時点に常に新規採用を持ち出した」と指摘した。

このように副作用が深刻だと見ると、正規職労組は2005年から「不法派遣問題が解決されるまで新規採用に合意しない」と非正規労組に約束した。現正規職労組はこういう約束まで覆し新規採用に乗り出しているということだ。正規職労組関係者は 「元請けの直接雇用が難しい勤続2年以下の下請け労働者たちにも機会を与えなければならないと考え40%採用を提案した」としながら「非正規労組ともう少し深みのある議論をする」と話した。

■はらわたが煮えくり返る非正規職労組
現代車非正規職労組は下請け労働者抜てき採用では非正規問題を全く解決できないと主張する。非正規労組関係者は 「新規採用で下請け労働者の一部が正規職になると言っても、抜け出た非正規職の場所に新たに非正規職が満たされるなど現代車で差別を受け雇用不安に苦しめられる8000余の下請け労働者の暮らしは全く変わらない」と話した。状況がこうであるにも関わらず、労組は下請け労働者正規職採用に心置きなく反対することも難しい境遇だ。非正規労組関係者は「下請け労働者にとって、正規職は夢であり希望であるのに、副作用が大きいからと言っても労組がその道を積極的に塞ぐことも困難」としながら「はらわたが煮えくり返る」と語った。現在、非正規職労組組合員は最近の労組脱退作業などで約1500人まで減った。労組関係者は「正規職労組が真に非正規職のためを思うならば、最高裁判決に基づき不法派遣下請け労働者を正規職に転換させることに積極的に乗り出さなければならない」と話した。

キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/476960.html 訳J.S