原文入力:2011-05-06午後09:24:01(1861字)
自動車輸出増えるが国内競争も激しくなる公算
電子製品、現地生産多く効果は制限的 分析も
ワイン・名品 価格 下落…高所得層に恩恵集中 観測
ファン・ボヨン記者
←主要業種別 韓-EU FTA影響
韓-EU FTA産業別得失
来る7月、暫定発効を控えた韓-ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定(FTA)は国内産業(業種)別に互いに異なる影響を及ぼす展望だ。自動車と電子など我が国の主力輸出品目は輸出増大効果を享受することができるが、精密化学と製薬分野などヨーロッパ連合に比べて競争力が劣る分野では 少なからぬ打撃が予想される。特にヨーロッパ産畜産物輸入が大きく膨らみ国内畜産業界は大被害をこうむるものと見られる。
■自動車・電子は恩恵受ける模様
この間、ヨーロッパ地域へ輸出する際に10%の関税負担を抱えてきた自動車は輸出を増やすことができる代表的な業種に挙げられる。中・大型車は3年、小型車は5年以内に関税がなくなる。そのために相対的に国産車の価格競争力が高まり、我が国に比べ14倍も大きなヨーロッパ市場攻略を加速化できるという展望が出ている。国策研究機関は自動車輸出増大効果が15年間にわたり年平均14億1000万ドルに達すると分析した。その代わり価格が安くなったヨーロッパ産高級輸入車と国産車との競争には火がつく展望だ。例えば国内輸入車市場1位のBMW528iの場合、現在6890万ウォンで売られているが、今後は500万ウォン以上価格が安くなりうる。
電子製品ももう一つの恩恵品目として挙議される。ヨーロッパ連合は我が国主要家電製品の中でTV(14%),冷蔵庫(1.9~2.5%),エアコン(2.2~2.7%),電子レンジ(5%)等に関税を賦課してきた。特に14%に及ぶ関税が無くなるTVおよびTV用部品である液晶ディスプレイ(LCD)モジュールは輸出に青信号が点った。ただし輸出効果が制限的であるという観測も出ている。三星電子関係者は「TVと家電はすでに現地生産をしており今回の協定発効による恩恵効果は大きくないだろう」と話した。また、主力輸出品である半導体・携帯電話などの場合にはすでに無関税が適用されている。
■精密化学・畜産など大被害 予想
精密化学分野は我が国の市場をヨーロッパに差出すことになる可能性が高い。ヨーロッパには世界トップ化学業者のバスフをはじめ世界的な競争力を有する精密化学企業等が居並ぶ。特にこれらの企業は最近数年間、汎用製品市場からは手を引く代わりに医療機器など精密製品に属する高級製品を中心にポートフォリオを変えた状況だ。
中小企業は業種別に得失が分かれる。各々8%と4%に達する関税が直ちになくなる編織物とポリエステルなどの繊維業種は恩恵業種に挙げられる。反面、医療機器と医薬品などの場合にはヨーロッパ連合に比べ技術競争力が劣り被害をこうむる確率が高い。国内製薬会社の中には売上1兆ウォンを越える企業が一社もなく、製薬産業の花と呼ばれる新薬開発も本軌道に上がっていないのが実情だ。
特に豚三枚肉をはじめとするヨーロッパ産畜産製品の輸入は急増するものと見られる。フランス産豚三枚肉を販売しているイーマート関係者は「関税が25%含まれた現在でも、輸入豚肉価格は国産に比べ競争力が高い」と話した。昨年ヨーロッパ連合地域から輸入された冷凍豚三枚肉は6万1238tで、国内三枚肉消費量(22万tほど)の30%ほどを占めた。
一部ではヨーロッパ産自動車とともにヨーロッパ産ワインと化粧品、名品価格が下がり主な顧客である高所得層に恩恵が集中するだろうという観測も出している。現在、フランス産ワインの中で大型マートで最も多く売れている‘Mouton Cadet Red’の価格は3万6000ウォンから3000ウォン程 安くなる展望だ。関連業界は慎重な雰囲気だ。業界関係者は「直ちに輸入品価格を大きく引き下げるよりは、この間国内に入ってこなかった製品が大挙して韓国市場に進出する効果が大きいだろう」で見通した。
ファン・ボヨン記者、産業チーム総合 whynot@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/476753.html 訳J.S