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TV 美味しい店はニセ物だ

登録:2011-05-02 07:17

原文入力:2011-05-01午前10:40:25(2475字)
前職PD キム・ジェファン監督 飲食店紹介放送の秘密を探るために自分で食堂を運営
3年間 隠しカメラ設置し潜伏取材したドキュメンタリー 'ツルーマッ(味)ショー' 発表
"放送を決めるのはお金…あなたが見ているのは全てショーだ"

←ツルーマッショー スチール

2010年3月第3週、地上波TVに登場した食堂は計177ヶ所。1年間その傾向が続いたとすれば1万ヶ所余りの食堂が‘美味しい店’として電波に乗っただろう。大韓民国は美味しい店共和国だ。その店は全てが "最高" であり "想像もできない" 味を引き出し "無愛想だが気立ては良い" 社長が営んでいる。ドラマ以上に明確な美味しい店放送の公式だ。2011年、全州映画祭韓国長編競争部門に参加したドキュメンタリー<ツルーマッショー>は千編一律のようなワンパターンで10年間にわたり教養情報プログラムを一人占めした飲食店紹介放送の実状を告発する映画だ。MBC教養局PD出身の監督は、京畿道一山に直接食堂を構え隠しカメラを設置した。飲食放送に出演するためブローカーや広告代理店にお金を渡す過程を撮った。視聴者に分からないように‘組んで撮る’製作スタッフを反対に隠しカメラで撮影したわけだ。キム・ジェファン監督に会って3年間に及ぶ飲食店紹介放送潜伏取材記を尋ねた。

- "なぜTVの中の美味しい店がまずいのか" 映画はそれらが美味しい店ではなかったためだと答える。

  飲食店紹介プログラムに出演しようとすれば金を出さなければならないということは公然の秘密だった。誰も認めないだけだった。2年前ぐらいに美味しい店の秘密を撮るために一山に自分で食堂を整えた。食堂に隠しカメラを設置し、放送に出演する方法を探した。契約金300万ウォンで放送出演コンサルティングをするというブローカーは今までに数えきれない程 多くの美味しい店を放送出演させたと言った。美味しい店のメニューを組み味を定めるのも大部分がブローカーや広告代理店の役割だった。撮影が決まれば、サクラの募集を交渉しなければならない。放送出演者を募集する‘オンマランアギラン(母と子供)’というダウムのカフェは美味しい店の撮影に少なくとも300回以上にわたりサクラを動員したという。放送前に作家とPDが来て、どんなふうに食べ、どんなふうに褒めろといちいち指導する。私たちの食堂も結局、広告代理店に1千万ウォンを払い今年1月にSBSの<生放送トゥデイ>に出演した。

-映画は "TVで味はまずくなりました。放送がまずくなりました。" というナレーションで終わる。

= PDとして仕事をしながら、常に私のいる世界はとてもおかしな世界だが、世の中は何事も無くうまく回っていると考えた。放送ジャーナリズムは失踪し、放送を決めるのは金だった。<生放送 話題集中>も広告がつかずに持ちこたえられない。地上波放送でさえ意のままにはプログラム一つ維持できない。それと共に外注製作社にはケチ臭く下請けに任せ、製作会社は取材源にストローをさす世界だ。放送関係者で仕事をしながら知ることになったメディアの恥ずかしい真実が多い。この映画はメディア3部作中、一番目の映画だ。

- <ツルーマッショー>を見ながら視聴者たちはだまされたという思いを抱く。
=視聴者は被害者でありながらも加害者だ。放送で本当に辛い味を注文するので唐辛子豚カツを作った。青陽唐辛子やチリペパーでは‘極限の辛い味’の料理にはならない。きついカプサイシン原液を注ぎいれた。人間が食べることができる食べ物ではない。おそらく辛い味で放送に登場した他の食堂も私たちの食堂のようにしたのではないか。私たちの食堂は放映された翌日に店を廃業した。ところが放送を見たお客さんたちの電話が鳴り続けた。辛い味同好会が私たちの食堂で食べに来ることを決議したという話も聞いた。飲食店紹介放送はショーだ。身体虐待ショーだ。<VJ特攻隊>が長寿プログラムになった去る10年は、放送局教養プログラムの暗黒時代であった。良心的なプログラムが放送中断される中で美味しい店紹介ばかりを見ていた視聴者の責任も大きい。私が今見ているものが広告であることを識別する感覚すら麻痺していた。

-一種のでっち上げ放送なのに永らく黙認されてきたという点がおかしい。

=その結果、併殺打も打つ。KBS<良い国運動本部>で、油カスが積もった台所のために告発された食堂がいくらもしない内に<生放送トゥデイ>で王様豚カツ大当たりの店として紹介された。放送に何度も登場したソルロンタン店がある。ところが<世の中の朝>とか<生放送 話題集中>では、良質韓牛だけを使う大統領当選者のなじみの店だとし、<良い国運動本部>と<不満ゼロ>は衛生問題が深刻で韓牛もニセ物と告発した。

 でっち上げでも何が問題かと言う。ところで我が国の食堂は普通は生計型の営業スタイルだ。ある食堂が美味しい店として出演しお客さんが集まれば、そのお隣りは閑古鳥が鳴く。そうするうちに自殺を選択する店もあるかもしれない。その店は誰のために自分が崖っぷちに立たされたのか分からないだろう。

-今、外注製作社の代表として暮らしを立てているのに放送告発映画を作った。

=私はこの映画を創業恐喝ドキュメンタリーと呼ぶ。放送が視聴者たちを欺く場面を撮るために放送を騙した結果、ブラックコメディになった。私は本来おいしいものを食べに通い、汝矣島公園を散歩するのが好きな保守右翼遊び人の製作会社代表に過ぎない。この映画は意思のある地上波放送PDがしなければならない役割だが、なぜか私がすることになった。

ナム・ウンジュ記者 mifoco@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/475715.html 訳J.S