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ソウル 鍬入れがなされなかった所が86%…着工地域でも葛藤・不正がひしめく

登録:2011-04-05 10:36

原文入力:2011-04-04午後11:15:39(2977字)
破綻したニュータウン、破綻した庶民たち

ホン・ヨンドク記者、キム・ギョンウク記者、チェ・ジョンフン記者

←全国ニュータウン推進現況(※クリックすれば大きい絵を見ることができます)

事業進展どれくらい
9年間に237ヶ所中32ヶ所だけが工事…遅延相次ぐ
京畿道は住民の反発強まり‘白紙化’の嵐
一時‘金の卵を産むアヒル(訳注:韓国ではアヒルではなくガチョウです)’と呼ばれたニュータウン事業だが、ソウルでは10ヶ所中8ヶ所で事業着工もできないまま遅々として進まない状態で、京畿道では自治団体らの放棄宣言が相次ぎ住民の反発も日に日に強まり‘座礁の危機’に直面している。

全国でニュータウン事業を展開している所は82ヶ所8190万㎡だが、この内 ソウルと京畿など首都圏にニュータウン地区全体面積の73%にあたる58ヶ所、6003万㎡が集中している。

4日、ソウル市と京畿道の‘ニュータウン推進現況’(去る1月基準)を見れば、ソウル市はニュータウン事業を始めた2002年から計35地区237ヶ事業区域を指定したが、工事を始めたり、または既に終わらせた事業区域は32ヶに過ぎない。ソウル ニュータウン事業区域の205ヶ所(86.5%)が着工すらできずにいる。組合設立推進委員会を構成できない区域も66ヶ所(27.8%)に及ぶ。35ヶニュータウン地区の内、既に着工した事業区域が1ヶ所でもある地区は恩平・吉音・往十里など示範ニュータウン3ヶ所をはじめ、彌阿(ミア)・阿峴(アヒョン)・鷺梁津(ノリャンジン)・黒石(フクソク)など10ヶ地区だけだ。

着工した事業区域でも住民間の葛藤、組合による不正、組合と施工者間の葛藤などで事業が遅れている。西大門区カジェウル(加尺洞)4区域は、組合員間の訴訟で、麻浦区阿峴3区域は組合長の不正問題で事業が遅れた。先月分譲する計画だった城東区、往十里2区域は分譲価格を定められず工事が中断された。

2007年以後 23地区を指定した京畿道は4年目の昨年からは地区指定解除などでふらついている。昨年9月、軍浦衿井に続き、安養萬安地区が賛否住民たちの対立で決定告示をできないまま地区指定効力を失った。平沢市では住民の80%が反対した安亭地区を解除した。烏山市は住民投票を経て19ヶ区域中3ヶ区域を除く残りの区域の解除を推進中だ。

京畿道では特に2006年にニュータウンを選挙公約に掲げたキム・ムンス京畿知事の就任と共に大量に推進されたが、ソウルに比べ開発利益が少なく生存権剥奪を憂慮した住民たちの反発が強まっている。京畿安養・軍浦・富川・議政府・九里などで住民たちによるニュータウン反対対策委員会の結成が続いていて、富川・議政府では住民たちの市庁舎長期占拠座り込みなど反発強度も激しくなっている。

イ・ジュウォン‘分かち合いと未来’地域政策局長は「ソウル地域ではニュータウン事業場の管理処分認可が一度に集中する場合、大規模住宅滅失にともなう貸切住宅大乱と家賃上昇問題が起き、京畿道では再定着が難しい住民たちの極限的な反対が溢れでている」と話した。現在、ソウルで移住・撤去を含む管理処分認可まで受けて着工を控えた事業区域は10ヶ所、管理処分認可以前に事業施行認可を終えた区域は20ヶ所だ。昨年ソウルでは再開発などで48,000余世帯の住宅が撤去された反面、供給物量は28,000余世帯に留まり、26,000余世帯分の住宅が不足したものと推算される。 水原/ホン・ヨンドク、キム・ギョンウク記者 ydhong@hani.co.kr

なぜ こんなになったのか
①選挙の票を狙ったむなしい公約‘後腐れ’
②景気が悪くなり分担金上昇
③くつろぎの里住宅に人気を奪われた

ニュータウンが各地で破綻状況に至ったのは、歴代選挙の度に登場した無責任な公約乱発とむちゃくちゃな地区指定に根本原因がある。選挙の票を意識した政界と難なく税収を増やすことができる地域開発の誘惑にかられた地方自治体が合作して市民に‘はかない夢’を植え付けたことが悲劇の種だ。

ニュータウンが初めて登場したのは2002年10月だ。李明博 当時ソウル市長は均衡開発促進のためのニュータウン示範地域として恩平・往十里・吉音の3ヶ所を指定した後、翌年11月には阿峴・カジェウルなど2次ニュータウン12ヶ所を大量選定した。ニュータウン選定地域では住宅価格、地価が急騰し不動産市場が沸き返った。反対にニュータウンから脱落したところでは不動産価格が急落し地元地方区の国会議員と地方自治団体長の無能を恨む世論が形成された。 ニュータウンと政界の‘誤った出会い’はこの時からだった。2006年地方選挙当時、ソウルと京畿道の広域・基礎自治団体立候補者などの公約は誰も彼もがニュータウンだった。地方選挙が終わった後、キム・ムンス京畿知事の公約により富川を始め京畿12市で23ヶのニュータウンが大量に指定された。2008年18代総選挙でもソウルではニュータウンを掲げた候補が大挙当選し‘タウン族’という新造語が出てきた。

水面下に潜伏していたニュータウン問題がさく烈することになった契機は2008年世界金融危機にともなう不動産景気沈滞だった。現行ニュータウン事業は公共が道路など一部基盤施設を設置することを除けば、組合員が土地を供出して建設会社が工事費を賄った後に分譲を通じて利益を残す民間事業であるため住居価格の下落が最大の危険要因だ。収益性が落ちるほど反対に組合員が払わなければならない分担金が増えるためだ。

政府が2009年から首都圏開発制限区域(グリーンベルト)を解除しながら入居者事前予約に出たくつろぎの里住宅もニュータウン事業をさまよわせた要因に挙げられる。韓国土地住宅公社(LH)は現在、京畿圏に河南ミサ、高陽元興など11ヶのくつろぎの里地区を指定し事業を推進中だが、自治団体が指定したニュータウンに比べ位置が良く分譲値段が安いためにニュータウンを窒息させているというのが不動産業界の評価だ。2009年10月に事前予約を受け付けた高陽元興地区の場合、専用面積60~85㎡のアパート分譲価格が3.3㎡当たり850万ウォンで、高陽市一帯で最も安く、その余波で翌年分譲に入った元堂ニュータウンが未分譲の直撃弾を受けた。また、昨年 くつろぎの里富川玉吉地区が素砂ニュータウンのすぐそばで事前予約を始めるや素砂ニュータウンも続々と未分譲事態を体験している。

パク・ウォンガプ不動産1番地研究所長は「政府は当初、くつろぎの里住宅はソウル郊外の周辺グリーンベルト、ニュータウンはソウルと京畿の旧都心に位置するため影響がないと見たが、現実には衝突する結果がもたらされた状況」とし「ニュータウンは自治団体所管だから俺は知らないとした政府にも責任がある」と話した。

チェ・ジョンフン記者 cjhoon@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/471377.html 訳J.S