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[‘核危険社会’に駆け上がる大韓民国 ③核脱皮は社会可能か]

登録:2011-03-30 10:46

原文入力:2011-03-30午前08:31:37(1874字)
"核依存社会 費用10%だけ加えれば核脱皮社会は可能"
2050年‘核依存’シナリオ vs ‘核脱皮’シナリオ
原子力38.7% -> 3.4%、  再生エネルギー 30.8% -> 93%
費用 605兆ウォン -> 667兆ウォン 温室ガス 0.06%↓-> 87.3%↓

イ・ジェフン記者

2050年までに原子力発電比率(設備容量基準)を3%台に減らし、事実上‘核脱皮社会’を作るのにかかる費用が、政府構想のとおり原子力発電所比率を39%に高め‘核依存社会’となる費用に比べた時、10%程度多くかかる水準だという研究結果が出た。原子力発電を減らし再生可能エネルギー中心の電力需給システムに切り替えようとするには莫大な費用がかかるという一般的な予想とは異なる結果で、国内学界でこういう長期的な‘核脱皮社会’シナリオが出てきたのは初めてだ。

←シナリオ別電力生産設備容量比重推移(* クリックすれば大きく見ることができます。)

29日パク・ニョンベ世宗大気候変化特性化大学院研究教授が去る2月、ソウル大大学院環境計画学科に提出し通過した博士学位論文‘発電部門 再生可能エネルギー転換のため長期シナリオ分析’によれば、2050年まで原子力と石炭、液化天然ガスなどの電力設備比重を各々3.4%、0%、3.5%へ大幅に減らし、再生可能エネルギー電力設備比重を93.0%に高めた‘持続可能社会シナリオ’に従い電力需給計画を組む場合、累積費用が667兆ウォン(2005年貨幣価値基準)程がかかることが明らかになった。反面、政府が2010年12月に発表した第5次電力需給計画に基づき2050年までに‘原子力 38.7%、石炭 19.1%、天然ガス 11.3%、再生可能エネルギー30.8%’の電力設備割合で‘政府政策シナリオ’を組めば、持続可能社会シナリオの90%水準の605兆ウォン程度がかかると分析された。国家エネルギー基本計画が発表された2008年から2050年まで 1年単位で原子力発電所建設計画など発電設備別電力需給計画と費用、経済成長率などを分析モデルに投じモデリングした結果だ。

二つのシナリオの費用差異は設置費をはじめとする‘資本費用’の差から始まった。国際エネルギー機構(IEA)等の資料を土台に資本費用を算出した結果、原子力は1Kwを生産するのに207万ウォン程度かかり、石炭(無煙炭)は204万ウォン、天然ガスは30万ウォン程度がかかり、太陽光電池(614万余ウォン)より費用が少なかった。持続可能社会シナリオのためには2050年までに太陽光電池板1005万ヶ余りを設置しなければならない。

だが、原子力は資本費用の15%に及ぶ31万ウォン程度の原子力発電所廃棄費用が追加でかかる。その上、再生可能な太陽光や風力とは違い原子力と石炭、天然ガスなどは燃料費用も追加負担しなければならない。

さらにモデリング過程で算定されなかった温室ガス排出量にともなう追加費用まで合わせれば、費用格差はさらに縮まる。政府政策シナリオは2050年の温室ガス排出量を2008年より0.06%程度しか減らすことができなかったが、持続可能社会シナリオでは87.3%を減らすことができる。政府が2008年第4次電力需給計画で明らかにした温室ガス排出費用(t当たり3万2000ウォン程)を考慮すれば、政府政策シナリオでは110兆ウォンの追加費用がかかるが、持続可能社会シナリオでは78兆ウォンが追加されるに留まった。持続可能社会シナリオと政府政策シナリオ間の費用格差が62兆ウォンから32兆ウォンに減るわけだ。

何よりも持続可能社会シナリオでは放射能流出などの危険が今なお残る原子力発電所の数が2008年の20基から2020年には26基に増え、2030年16基、2040年12基、2050年には7基へ大幅に減る。政府政策シナリオでは2050年の原子力発電所数が49基だ。パク教授は「持続可能社会シナリオは気候変化緩和など環境問題が改善され、原子力発電所事故などの核危険を甘受せずに済む利点がある」と語った。 <終わり>

イ・ジェフン記者 nang@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/470566.html 訳J.S