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放送通信委員会‘格好だけ合議制’…実際には‘チェ・シジュン独任制’

登録:2011-02-25 14:36

原文入力:2011-02-24午後07:12:39(2267字)
政府 "政策効率・産業振興のために独任制 加味"
与党 多数構造の下 折衝せずに表決で一方的処理
"独立機構に変え委員の専門性強化を" 指摘

ムン・ヒョンスク記者、イ・ジョンチャン記者

←チェ・シジュン放送通信委員会委員長(左端)が昨年11月10日、ソウル、世宗路の放送通信委員会会議室で‘総合編成および報道専門チャンネル細部審査基準’を議決するための全体会議を始めるために議事棒をたたいている。 イ・ジョンチャン先任記者 rhee@hani.co.kr

3年間行跡調べてみれば

放送通信委員会は大統領直属の合議制行政機構だ。しかし去る3年間の行跡を見れば‘形だけの合議制’に過ぎず、チェ・シジュン委員長主導の‘独任制委員会’という評価の方が説得力を得る。

■予告された災難
放送と通信の融合機構議論は2006年に遡る。融合の流れに合わせ、大統領諮問機構である放送通信融合推進委員会を設け、関連法制整備と機構改編などを議論した。分散していた放送・通信機能を統合し大統領直属の合議制行政機構を委員会構造とするものの、産業振興などを考慮し独任制要素を加味する案が出てきた。これを基礎にMB政府引継ぎ委員会は過去の放送委員会と情報通信部の業務を合体させ放送・通信政策を総括する放送通信委員会設立案を発表した。

当時、市民団体と野党は放送の中立性と独立性が毀損されるとし大統領直属に反対した。これらは△無所属独立機構△国会が常任委員5人推薦△委員会で委員長互選などを主張したが貫徹させられなかった。2008年2月26日、国会本会議を通過した案は委員長を含む放送通信委員2人は大統領府が、3人は国会持分(与党1,野党2)に戻った。

■独任制の弊害
政府・与党は効率的な政策決定と産業振興のために独任制の加味は避けられないと主張する。反面、知識情報社会で民主化の根幹である放送・通信議論に独任制要素が入ることは産業社会的発想という反論も侮れなく提起される。

実際、放送通信委員会の‘3対2’構造により野党の声は徹底的に隅に押いやられている。「大統領府の注文がチェ・シジュン委員長に伝えられれば、これは直ちに政策局長を経て実務陣へ渡る。全体会議に上がってきた案件は与党側委員の同意の下で多数決で整理されている。」放送通信委員会内部要人の証言だ。

総合編成チャンネル基本計画議決と朝鮮・中央・東亜総合編成チャンネル選定、<韓国放送>(KBS)受信料引き上げ案議決など与野党が衝突した争点の解決法は折衝と合意ではなく、表決を通じた一方的処理だった。政府部署の独任制と大きく変わるところがない。
米国の連邦通信委員会(FCC)も3対2構造で我が国と同じだ。しかし大部分の議決懸案に少数見解が埋もれず意見書として添付される。先月、連邦通信委は米国最大のケーブル業者<コムキャスト>による地上波放送<NBC>引き受けを承認しながら民主党側のある委員が同意しないという意見を残した。こういう反対の声を反映しコムキャストの専横を防ぐ色々な補完措置が承認の前提条件に追加された。

放送通信委員会が事実上の独任制委員会になったのは制度の問題とみるより我が国社会の根深い保守・進歩の葛藤構造と疎通不在の中から出てきたという見解もある。ファン・グン鮮文大教授は「放送通信委員が(推薦権者の意中に合わせ)政派的態度を示すことにより専門性を備えた政策決定に支障をきたしている」と指摘した。合議制の趣旨を生かすためには協力政治を前提とする政治文化が伴わなければならないということだ。

■学界・市民団体の代案
放送通信委員会の合議制を名実共に守るためには政治権力から独立した機構への転換と放送通信委員の専門性強化に重きが置かれている。

パク・ギョンシン高麗大法大教授は「放送通信委員会の政策は思想や表現の自由に介入し操作しようとする危険があるが、これを防止するためには行政機関ではなく独立した機構として行くことが望ましい」と明らかにした。放送通信委員らの専門性強化のための支援が優先されなければならないという意見もある。キム・ソジュン聖公会大教授は「放送通信委員たちが事務局に振り回されず専門性を備えて政策決定できるよう内部に政策補佐官を置き外部に諮問機構を設け、必要な資料が提供されるようにしなければならない」と指摘した。 政策補佐官支援案は現在 国会に係留中のイ・ヨンギョン創造韓国党議員の代表発議である放送通信委員会設置法改定案にも含まれている。

各界各層の多様な意見をまとめ社会的合意を導き出すドイツの放送委員会も調べるに値する。チェ・ギョンジン大邱カトリック大教授は「ドイツの放送委員会は地域別に宗教界、学界、文化界、市民団体など公衆の利益を代弁し最高60人余りで構成されており、人が多くて合意に時間がかかるが政権与党の影響力を排除し民主主義を貫徹させていくという長所がある」と話した。

一方、言論改革市民連帯など市民団体は来年3月までに放送通信委員会の合議制的性格を強化する内容の放送通信委員会設置法改定案を用意する計画だ。

ムン・ヒョンスク先任記者 hyunsm@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/465168.html 訳J.S