原文入力:2011-02-24午前08:17:40(2169字)
教科部、内部型公募制忌避の理由は?
校長資格証の弊害を理由に4年前導入・・・現政権で大幅縮小
MB式競争教育と哲学が異なる平教員校長を“負担”に感じ
「校長昇進点数をエサに一線学校統制の意図」の指摘も
←ソウル永林(ヨンニム)中学校のキム・ギョンスク学校運営委員会委員長(左側)が23日午後、ソウル、世宗路の政府中央庁舎裏で教育科学技術部の内部公募校長に対する任命提案拒否に抗議し髪を剃り落としている。傍で他の参加者が涙を拭っている。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr
教育科学技術部が23日、内部型校長公募制を通して校長に選ばれた全国教職員労働組合(全教組)所属教師2人の任用推薦を拒否し、校長公募制を巡る論議が大きくなっている。 教科部が校長公募制に政治的尺度を振りかざし、その結果 2002年から10年近く議論されてきた校長公募制の趣旨が失踪しているという批判が出ている。
■なぜ導入されたか?
校長公募制は資格証に基盤を置いた現行教員昇進制度の弊害を克服しようと2007年9月から試験的に実施された。 ノ・ムヒョン前大統領が2002年大統領選挙で教育分野の公約として掲げ、2006年8月大統領直属教育革新委員会は教職経歴が15年以上の教師に志願資格を与える校長公募制の導入を骨格とする「校長任用制度改善案」を発表した。
当時「校長公募制」は校長資格証がない平教員も志願できる「内部型校長公募制」の意味で使われていた。 改善案作りに参加したイ・サンソン前京畿(キョンギ)城南市(ソンナムシ)の銀杏(ウネン)初等学校校長は「校長資格証を取るには勤務評定の点数がよくなくてはならないが、その点数を与える権限が校長にある」として「そのため校長の車の運転手をする教師が出てきたり、校長が教師にわいろを要求したりする弊害があり、資格証のない平教員も校長になることができるようにする校長公募制導入を検討した」と説明した。
実際、2007年9月 校長公募制第1次試験実施の際には計55校のうち38校(69%)が内部型を実施しており、校長資格証所持者を対象にする招聘型は12校(22%)に終わった。
■どのように変質したか?
李明博政府がスタートした後、校長公募制を招聘型に制限しようとする試みが絶えなかった。まず現政権スタート後に実施された校長公募制第3次試験実施の時から、教科部は教育長が公募制の類型を自律的に定めるようにし、その結果71校のうち51校(72%)が招聘型を選択するという偏りを見せた。既存昇進制度の枠組みを維持しようとする保守指向の教育長たちが招聘型を好んだためだ。 盧武鉉政権下で実施された第2次の時までは、教科部が内部型を一定比率以上実施するようにしていた。
教科部はさらに2009年10月、校長公募制実施学校の15%だけが内部型を実施できるよう初・中等教育法施行令を改定し内部型の拡大にブレーキをかけた。昨年4月には校長公募制実施学校を校長欠員が生じた学校の50%に拡大すると同時に対象を“校長資格証所持者”に制限し、事実上 校長公募制を招聘型に一元化し、12月には新設校では校長公募できないという指針も出している。
ホン・インギ「良い教師運動」政策委員長は「校長公募制導入の趣旨は校長資格証を取る過程で生じる不正と非教育的な有様を改善しようとするところにある」として「招聘型だけになってしまった校長公募制はもはや校長公募制ではない」と話した。
■ “内部型”をなぜ忌避するのか?
校長公募制の変質については、現政権が内部型校長公募制を政治的に解釈しているためだとの指摘が出ている。 国会教育科学技術委員会の民主党幹事アン・ミンソク議員は「京畿道における革新教育の熱い風がソウルに広がれば“MB(イ・ミョンバク)式競争教育”と対比されて来年の総選挙と大統領選挙にまで影響を及ぼすだろう」とし「革新学校が成功するには内部型を通して情熱と能力を備えた校長を選ぶことが必須であるから、教科部が革新教育がイシュー化されることを阻むために内部型を攻撃している側面がある」と指摘した。 実際、京畿道の革新学校の中で代表的な成功事例として挙げられる城南市のポピョン初等学校や高揚市のソジョン初等学校は、どちらも内部型を通して平教員が校長に任用されている。
官僚の利己主義も原因と言われている。 盧武鉉政府の時、校長任用制度改善作業に参加したキム・ジョングム前「真の教育のための全国父母会」副会長は「教科部が教育政策を展開する際、一線の学校の参加を促すには校長昇進点数が大きな誘引策になっていると言う」とし「教育当局の立場では校長資格証が一線学校を統制する手段になるため、昇進制改革に対する教育官僚の反対は強いだろう」と語った。
チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/465019.html 訳A.K