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調達・融資金利差0.5%…「損害ない」大言壮語できず

登録:2011-02-12 09:51

原文入力:2011-02-11午後08:00:28(1580字)

輸出入銀行マージン半分およばず
融資団構成時は負担がより大きく
超長期融資 信用危機が変数に

イ・ジェソン 記者

←輸出入銀行純利子マージン推移

アラブ首長国連邦(UAE)原子力発電所工事受注の条件として100億ドルを融資することにした政府と輸出入銀行が「逆ザヤの憂慮はない」と主張している。どこまで信じなければならないだろうか?

逆ザヤ憂慮がないと主張する根拠は、経済協力開発機構(OECD)ガイドラインだ。OECDガイドラインとは、国際貿易で公正競争を害する政府輸出補助金乱用を防止するために作られた「OECD会員国間の協定(Gentleman's Agreement)」を指す。このガイドライン基準を下回る金利で融資してはならないというのだ。このガイドラインは、米国財務省が発行する十年満期国債金利の1ヶ月分平均を基準とする。これを基本に1ポイント(原子力発電所のように工事期間が長い場合、1.3ポイント)を加えて、最終的に金を借りる側の信用等級にともなう対外危険手数料を加えてガイドラインを定める。チェ・チュンギョン知識経済部長官が10日に「現在OECD勧告により、輸出金融を支援する時、5.4%以下で融資できないようになっている」と話したのは、この計算から出てきたのだ。5.4%は、10日現在の米国債十年物金利3.29%に210bp(1bp=0.01ポイント)の加算金利(スプレッド)が加わっている。しかし、アラブ首長国連邦側は、現在、国際金融市場で流通する自国国債の加算金利が100bp水準であることから、OECDガイドライン適用を拒否していることが分かった。

それでは韓国の国策銀行は国際金融市場でいくらでドルを借りられるのだろうか? 輸出入銀行は昨年10月、十年満期債権10億ドルを4%で発行した。これには当時の米国債十年物に160bpの加算金利が含まれている。昨年6月発行の債権は加算金利が198bpも加わった。正確な貸出金利は、アラブ首長国連邦側との交渉を通じて決定されるだろうが、アラブ首長国連邦側がOECDガイドラインを受け入れても、輸出入銀行としては調達金利と貸出金利の差は最大50bp(210-160=50)にしかならない。これは過去10年間、輸出入銀行の平均純利子マージン(NIM:資産を運用して出した収益で、調達費用を差し引いて運用資産総額で割った数値で、金融機関の収益力を現わす指標)の120bpの半分にも達しない水準だ。韓国の都市銀行の預貸マージンは平均200~300bpに達する。

キム・サンジョ漢城大教授は「普通銀行が国際決済銀行(BIS)基準自己資本比率8%に合わせるために資本金を積むことだけで50bpの費用が入ってくる」として「輸出入銀行の逆ザヤが出ないという主張は受け入れ難い」と話した。その上、輸出入銀行単独で原子力発電所プロジェクト融資金を調達するのでなく、国内外の金融会社で融資団(シンジケート)を構成しなければならないため、調達費用がさらに高まる公算が大きい。しかも、今回の原子力発電所の融資は28年という最長期融資である。過去10年間、韓国が3回の大小の信用危機を体験したことから推測すると、これから28年間、一度も信用危機を体験しない可能性は小さい。信用危機が発生することになれば、輸出入銀行が国際金融市場で長期債券を発行しにくくなり、発行しても加算金利を大きく上げざるを得ない。

イ・ジェソン記者 san@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/463046.html 訳M.S