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ムバラク、 内閣解散…カイロ市内に装甲車投入

登録:2011-01-30 00:20

原文入力:2011-01-29午後04:18:52(2384字)
エジプト 全国都心で “ムバラク 退け”
デモ隊 政府与党舎に ‘火’ 警察に対抗し激烈抵抗

リュ・ジェフン記者

←28日最大規模の反政府デモが繰り広げられたエジプト、カイロでデモ隊らが目と顔を手で隠し鎮圧警察が撃った催涙ガスを避けている。 カイロ/AP連合ニュース

チュニジアの‘ジャスミン革命’に鼓舞されたエジプト反政府デモが28日、軍が投入される事態へ発展しながらエジプトの状況は荒波の中に陥っている。
デモ4日目のこの日、ホスニ・ムバラク(83)大統領は警察力だけでは自身の退陣を要求する激烈なデモを防げなくなり軍の投入を要請し、午後6時から翌日7時まで夜間通行禁止令を下した。 ムバラク大統領は数時間後のこの日 夜 テレビ演説を通じ内閣を解散し、24時間以内に新しい内閣を構成すると明らかにした。

内閣改編はデモ隊の要求を満足させるより国民の怒りを一層呼び起こす可能性が高い。 今回の大規模反政府デモの打撃対象は内閣ではなくムバラク自身であるためだ。 ムバラクもやはり歴史的に多くの独裁者らの前てつを踏んでいるわけだ。

急激に変わっているこの全ての状況は、ムバラクの退陣を要求するデモ隊と警察との衝突を3日間 静かに見守っていた軍部がついに前面に出ることになり、軍の対応がいつにもまして重要な時点になったということを意味する。 昨年、胆嚢切除手術を受けた老いたムバラクの国政掌握力がより一層弱まり、軍部がムバラクとエジプトの将来に対してより多くの決定権を持つようになる状況に発展する可能性が高く見える。 軍部も自身も一つの軸を受け持っている政権の崩壊よりは秩序ある政権継承側に与しムバラクの演説内容にひとまず妥協したように見える。

46万8千人の兵力を率いるエジプト軍部は、1952年に王政を押し倒したガマール ナセルなど青年将校団の軍事クーデター以来、去る半世紀の間 政権の中心軸を受け持ってきた。初代大統領ムハマド ナギブ、ナセル、サタルト、ムバラクとつながる4人の大統領の全てが軍出身だ。最近、軍部の地位が大きく弱まったという指摘もないではないが、毎年13億ドルの米国軍事支援を受けているエジプト軍部の政治的経済的影響力は決して無視できず、相変らずエジプト政治のパワーブローカーだ。 軍部内元老グループは昨年から次男のガマール(47)に権力を世襲しようとするムバラクの計画に反旗を翻し軍出身を後継に指名しろとの圧力を加えてきた。

軍投入と通行禁止拡大を通じて軍部はムバラクにこういう要求を一層強く押し通す名分を得ることになった。 権力の一軸を受け持ってきたエジプト軍部は、状況を完全に覆すことよりは軍部内で代案的人物を前押し立て指導者交替と一定程度の民主化要求を受け入れるなどの譲歩措置を推進する可能性が高い。 日本野村総研は最近の報告書で “エジプト軍部が必要ならば秩序ある指導部交替を推進する可能性は排除できないが、政権自体を完全に覆す形に出ることはないだろう” と見通した。

こういう変化にエジプトの最大同盟国である米国も同意するような態度を見せている。デモ発生直後、ワシントンを訪問したサミ アナン軍参謀総長が率いたエジプト軍代表団は、米行政府と軍部のこういう役割に対する十分な議論をしたと見られる。以後、米行政府は暴力的なデモ鎮圧自制と政治改革を通じてデモ隊の要求を受け入れることをエジプト政府に促す側に変わった。中東の最大同盟国であり中東平和会談の軸であるエジプトの反米化と不安定状況は米国の中東政策の全面的修正を余儀なくさせるという点でエジプトの順調な政権交替と民主化は米国の利益とも合致する面がある。 アナン参謀総長は29日に帰国する予定であり、軍部の2次対応はその後となる展望だ。

しかし、こういう分析と展望は仮説に過ぎないとも言える。 最も大きな変数は街頭で繰り広げられているデモ現場だ。 大統領選挙出馬意思を示したハムマド  エルバラダイ前国際原子力機構事務総長が帰国しデモに参加して、最大野党圏勢力のイスラム兄弟団が初めてデモに参加する中で軍が投入されるほかはない大規模デモに発展した。すでに与党党舎が燃え、デモ隊が一部政府庁舎と放送局に進入を試みる状況が起きている。

夜間に警察兵力の代わりをし市街地に配置された軍とデモ隊間の衝突はまだ報道されていない。 警察兵力の強硬鎮圧戦術を採択せずにいる軍はデモ隊の歓迎を受けている状況だ。 しかし、こういう状況は軍が発砲をせざるを得ない状況になれば急反転される可能性もある。 単純に食料品価格の急騰に反発して起きた1977年アンワル サダト大統領当時のデモの際は強硬鎮圧に出た軍が事態を沈静させたが、今回のデモは長期鉄拳統治に対する国民の不満が表出された大規模政治デモという点で市民革命に発展する革命的破壊力を持っている。 軍投入にもかかわらず反政府デモが継続して拡大するならば、デモ現場に配置された軍兵力は発砲を巡り選択の岐路に立つほかはない。
だが、エジプトの状況がチュニジアにおける23年に及ぶ独裁者 エルアビディン ベンアリ大統領が海外へ脱出する状況から発展した事例を踏襲することになるか否かは未知数だ。 チュニジアの場合、市民革命が頂点に上り詰めた去る14日、軍部がデモ隊に発砲しろとのベン アリ大統領の指示を拒否したことにより大転換がなされた。

リュ・ジェフン記者 hoonie@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/461294.html 訳J.S