原文入力:2011-01-07午前08:34:26(1315字)
‘口蹄疫と死闘’防疫公務員 ペク・ヘリョン氏
"乳飲み子牛 殺処分後 夜中に悪夢・幻聴に苦しめられ"
ワクチンから埋没まで指揮…肉体より精神的苦痛が大きい
イ・スボム記者
←防疫公務員ペク・ヘリョン氏
口蹄疫防疫が長期化する中で家畜の殺処分を引き受け実施する防疫公務員たちが肉体的・精神的に苦痛な時間を過ごしている。
6日、京畿坡州市の口蹄疫防疫対策本部で会った京畿道第2畜産衛生研究所家畜防疫チームのペク・ヘリョン(37・獣医師・写真)氏は、先月16日 坡州地域に投入された後、22日にわたり旅館で過ごしながら朝から夜遅くまで口蹄疫と戦っている。初期にはほとんど連日明け方4~5時まで夜通し作業をしたという。 彼女は歳末インターネットを熱くした‘坡州殺処分農家の息子の文’に出てくる女性防疫官だ。
ペク氏など京畿道第2畜産衛生研究所家畜防疫官30人余りは家畜の状態を判断し消毒から殺処分・埋没まですべての過程を指揮する京畿北部地域口蹄疫現場司令官たちだ。行政公務員と軍人、警察、消防隊、民間人など支援人材に対する教育と、予防殺処分に反発する農民を説得し埋没地を選定することが全て彼らの役割だ。
8才の子供を持つペク氏は「何より耐え難いのは乳飲み子牛や子豚を殺処分する時」として「その時に職業に対する懐疑感が高まり悪夢に苦しめられたりもする」と話した。昨年1月、京畿道、漣川で発生した口蹄疫殺処分に動員された後には外傷後ストレスとうつ病を体験したと語った。当時、殺処分した韓牛農場が偶然にも一昨年ブルセラ感染のために自身の手で殺処分した農家だったため後遺症がより大きかったと話した。2度も同じ家の家畜をなくしたという罪悪感のために3日間 農家に留まり泣きながら謝罪したが、現場を離れた後にもしばらく牛・豚のなき声が幻聴のように聞こえ牛・豚に追われる悪夢に苦しめられたと語った。この日、ハンナラ党口蹄疫対策特別委幹事のキム・ヨンウ議員が出した資料を見れば、最近 殺処分に参加した公務員211人をアンケート調査した結果、71.1%が精神的ストレス、悪夢などにともなう睡眠障害を体験している。
防疫官らは各種事故の危険に露出しており、業務自体が‘緊張の連続’だ。牛の殺処分は筋肉弛緩剤 2mlを注射器で投与するが、通常 血管注射なら5秒、筋肉注射では 1~2分ほどで死亡に至る程に致命的だ。油断すれば韓牛に足蹴りされたり角で突かれたり、注射器にささって負傷したりもする。
ペク氏は「生命を生かさなければならない獣医師が生命をなくすこともしなければならないので胸が痛い」としつつも「口蹄疫遮断のためには殺処分は避けられない」と話した。彼女は「畜産農家も防疫に努めるなど自身の財産を守る努力をして欲しい」と頼んだ。
坡州/文・写真 パク・ギョンマン記者 mania@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/457609.html 訳J.S