原文入力:2010-12-16午後08:33:18(1651字)
緊急措置1号 違憲判決の意味
1970年代 緊急措置 違反起訴 1千人超
憲法裁判所で違憲決定すればすべての被害者に効力
ノ・ヒョンウン記者
←朴正熙政権時期の1974年、バスで横の座席に座った人に政府政策を批判する発言をし、大統領緊急措置と反共法違反疑惑で懲役3年を宣告され服役したオ・ジョンサン(一番前)氏が16日午後、ソウル、瑞草洞の最高裁で開かれた再審宣告公判で無罪判決を受け、大法廷を出ている。イ・ジョングン記者 root2@hani.co.kr
"1974年1月を死と呼ぼう/午後の通り、放送を聞いて消えた/君の目の中の光を死と呼ぼう/狭くて寒いあなたの胸に凍りついた血が弾け/暖かく今まさに流れ始めた/その時/また襲ってきた吹雪を死と呼ぼう" 緊急措置1号が下された当時を描写した金芝河詩人の‘1974年1月’という詩だ。 緊急措置とは第4共和国憲法(維新憲法)に規定されていた憲法的効力を持つ大統領の特別措置を言う。1号の1項は特に維新憲法に対する一切の誹謗を禁止している。そのため一言口が滑って拘束され重刑を宣告される事件が相次いだ。金芝河詩人もその年7月に緊急措置第1号と4号などの違反疑惑で拘束起訴され、死刑の宣告を受けもした。しかし最高裁全員合議体が16日、緊急措置1号に違憲性があると判断したことにより、当時 緊急措置違反疑惑で処罰を受けた被害者たちの再審請求など関連事件処理がはずみをつける展望だ。最高裁が 「当時の維新憲法上の発動要件さえ備えずに限界を抜け出し国民の基本権を侵害したために違憲」とし「緊急措置1号違反疑惑は無罪を宣告しなければならない」と判断したためだ。
70年代に緊急措置違反で起訴された人だけで1千人を越える。大法院が今年の初めに発刊した<歴史の中の司法府>資料によれば、表現と集会の自由を阻むために作られた緊急措置1・4号違反疑惑で起訴された被告人は計203人だ。この内、執行猶予を宣告された被告人は全体の8.4%の17人に過ぎず、残り186人(91.6%)は実刑を受けた。真実和解のための過去史整理委員会資料によれば、緊急措置違反で起訴された人が1140人に及ぶ。しかし、予備検束次元で不法連行され被害を受けた事例は数千件に達するものと見られる。
当時、緊急措置で処罰を受けた被害者たちの中には反共法などでも不法捜査を受けたとし、再審申請をした人が多い。したがって緊急措置1号が違憲だという最高裁全員合議体の判決だけで被害者たちの再審訴訟に大きい影響があると見るには難しい。ただし免訴ではなく無罪を宣告される場合、被害事実が裁判所で立証されただけに損害賠償訴訟などを出すことが容易になる展望だ。
このために緊急措置に対する違憲性判断は憲法裁判所がすべきだという主張が出ている。憲法裁判所が緊急措置に対し違憲決定をすれば、訴訟を起こした一人一人ではなくすべての被害者に法的効力が生じるためだ。憲法裁判所関係者は 「最高裁で明確に主文に入れず‘判決理由’部分で‘緊急措置1号に違憲性がある’と明らかにすれば、再審請求可否が不明確になる」とし「どのみち憲法裁判所が違憲性を再び審査しなければならない状況に見える」と話した。
反面、イム・ジボン西江大法学専門大学院教授(憲法学)は「最高裁の判決は被害救済の側面で賞賛に値する」とし「憲法裁判所が自分たちの形式的規定解釈による憲法審査権を主張する以前に、急いでこの事件を処理することが正しく、‘裁判の前提性’の審査要件を緩和し、最初から緊急措置に対し違憲性を確認することが望ましい」と話した。
ノ・ヒョンウン記者 goloke@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/454233.html 訳J.S