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[この人]‘三星白血病 少女の死’覚えていますか

登録:2010-12-15 09:58

原文入力:2010-12-14午後08:21:06(1349字)
演劇‘半導体少女’作った劇団‘ナル’代表 チェ・ヒョン氏
社会問題扱った劇 着実に舞台へ
"演劇が鎮痛剤の役割だけしていてはいけない
患部に触り 社会矛盾 治癒しなければ"

ホ・ジェヒョン記者

←演劇‘半導体少女’を作った劇団‘ナル’代表 チェ・ヒョン氏

"人の生命がかかった重要な問題じゃないですか。ところがこの問題を大きく取り扱う報道がとても少ないですね。" 文化創作集団‘ナル’の代表チェ・ヒョン(35・写真)氏は演劇<半導体少女>(演出 チェ・チョル)を製作した理由をこのように説明した。

去る11日からソウル、大学路の劇場‘恵化洞1番地’で公演に入った<半導体少女>は敏感な社会問題に正面から触れ注目を引く。私たちの社会でまともに扱われない非正規職労働者と三星に入社しようとしてもがく大学生が出てきて、これらの姿を半導体工場で仕事をして罹った病気で亡くなった一人の少女が黙黙と見守る話だ。

チェ代表は「三星電子器興工場半導体ラインで仕事をして、去る3月に亡くなったパク・チヨン氏を見ながら幼い少女の死があまりに簡単に埋められてしまうようで、そのやるせない心情から公演を企画した」と語った。

<半導体少女>が舞台に上がるまでには、チェ代表だけでなく同僚芸術家の助けが大きかった。オ・セチョル延世大名誉教授と小説家リュ・ミニョン氏は劇中で教授として登場し熱演を繰り広げ、演劇<龍虎相搏>と映画<密陽>、<怪物>等に出演した俳優イ・ドンヨン氏なども快く出演に応じた。演劇人の集い‘恵化洞1番地同人’はこの作品のために劇場舞台を安価で提供した。

チェ代表が率いている劇団ナルは、2008年‘ロウソクのあかり少女’の話を素材にした<スコップ作業>と2009年の龍山惨事を素材に在した<リスト>等、社会問題を着実に舞台に上げた。だが、この劇団の前途は容易でない。社会劇の市場自体が狭いうえに、収益構造も劣悪なためだ。昨年<リスト>を1ヶ月間 舞台に上げた収益がやっと百万ウォン余りに過ぎなかった。俳優をはじめ製作スタッフが最低賃金水準の給与を受け取ってもその程度だった。チェ代表は「半導体少女も儲かりそうではない」と話した。
それでもチェ代表が社会劇に固執する理由は明確だ。金は儲けられないが、演劇は社会の矛盾を治癒する手段になりうると信じるためだ。チェ代表は 「患部に直接触れて傷を抉り出してこそ治癒できるのに、この頃の演劇はそれを避けようとしている」として「演劇が痛みを忘れるさせる鎮痛剤のような役割をそていてはいけない」と強調した。

そのような理由でチェ代表は三星関係者たちが<半導体少女>を必ず見れば良いと薦める。「‘何が正しい’と主張する演劇ではなく‘こういうものもある’ということを見せるのです。この作品が三星を治癒し良い企業として正しく立つことに役立てばいいですね。」文・写真 ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/453732.html 訳J.S