原文入力:2009-02-10午前01:06:33
検察 ‘不公正捜査’ 論難
具体的行為者 特定できないまま ‘共同責任’適用
火災危険 明白だったのに ‘適法な作戦’ 庇う
ソク・ジンファン記者
←龍山惨事犠牲者遺族,市民など500人余りが9日夜、警察がソウル,清渓広場を封じ込めると近隣ファイナンスセンター前で検察捜査結果を糾弾するろうそく集会を開いている。 カン・ジェフン選任記者khan@hani.co.kr
‘龍山撤去民惨事’に対する検察捜査は事実関係糾明には不十分で、確認された事実に対する判断は中立性を失っているという指摘を受けている。核心争点である火災原因と警察の責任の部分が特にそうだ。
■行為者特定できず‘間接証拠’だけ
検察は捜査の終点まで火炎瓶を誰が投げたのか,シンナーを誰が注いだのか特定しようとありったけの力をふりしぼったが失敗した。火災で証拠検索が難しく篭城者などが陳述を拒否したためだと説明したが結局立証責任は検察にある。
検察は火災発生当時の動画資料と‘3階階段で出火’,‘火炎瓶が4階から3階に落ちるのを見た’という警察特攻隊員陳述などを根拠に篭城者などを起訴した。火災直前、誰かがシンナーと推定される液体を望楼の外にばら撒いたと見られる動画も判断根拠とした。火炎瓶投擲者を明らかにできなかったが皆覆面をしていて事前謀議をしただけに篭城者3人に共同責任を問うことができるという論理だ。結局、望楼外から撮影した写真・動画に現れた火災直前状況と撤去民責任論に重きをのせる陳述をつぎはぎして結論を下したのだ。
だが重い罪状を適用し具体的行為者を指定できないというのは異例的だ。3人に適用された特殊公務妨害致死は‘集団暴力などで公務員を死亡させた場合’無期または5年以上の懲役刑を宣告できる罪状だ。
弁護団は「篭城者などが望楼内でシンナーをばらまいた事実を動画だけで立証するのはとても不明確で、たとえシンナーだとしてもこれを発火原因と断定することはできない」として法廷攻防を予告した。また発火地点に対して「検察が‘3階階段で発火したのを見た’というキム・某氏の陳述を根拠に上げるが、キム氏は‘発火が火が始まったところではなく火を見たことと考えた’と陳述を訂正した」と明らかにした。カン・キジョン民主党議員もこの日「近隣建物で鎮静化作業をした龍山消防署チョ・某消防尉(訳者注:消防尉は消防長の上位階級)は議員室報告時、‘最初の発火は階段の対角線反対側だった’と述べた」と明らかにした。火炎瓶に3階階段で発生した火がシンナーを燃やし下に広がり1階で大火災になったという検察の結論と合わない説明だ。
■警察鎮圧, 問題があるが処罰はしない
検察は”事前準備と作戦進行上残念な点”に言及し警察の誤りを指摘することもした。前日鎮圧作戦をたてた時は300tクレーン2台を投じることにしたが実際には100t1台だけ動員し、消防車など安全装備も不十分だったと認めた。だが“鎮圧結果が変わる程に重要な変化とは見ない”として警察の判断を擁護した。
検察が警察に免罪符を与えた基本前提は二種類だ。まず特攻隊投入を通じた早期鎮圧を強行したことは「市民被害が大きく憂慮され時間がかかればさらに危険」なためというものだ。1次火災の後、2次鎮圧を強行した部分に対してはp「火災はシンナーと火炎瓶で抵抗した篭城者などの責任で、警察が統制することはできない領域」であり「鎮圧が火災原因と因果関係がない」と強調した。火災の危険が明白だったのに‘正常判断にともなう適法な作戦’だったと判断した。
篭城者などの弁護団は検察が警察投入以前の先月19日の急迫した状況に対しては具体的に指摘できず、鎮圧決定自体が正当だという理由で明白な危険を見過ごした点などを衝かなかったと指摘した。クォン・ヨングク弁護士は「類似事例と比較して今回の鎮圧は非常に異例的で、警察官職務執行法1条2項の‘警察力を動員する時は…手段もまた目的の重要度に比例しなければならない’という警察比例原則に外れる」として「違法な過剰鎮圧が事件の主要原因だから業務上過失致死傷罪を問うことができる」と主張した。 ソク・ジンファン記者soulfat@hani.co.kr