原文入力:2010-11-29午前08:46:03(1890字)
業者が人件費 ピンハネ 自治体は取り締まらず
キム・グァンス記者
←釜山、釜山鎮区の清掃サービス業者○社労働者らが去る26日、釜山鎮区市民公園路(釜岩洞)の釜山鎮区庁前で雇用保障などを要求し座り込みしている。
釜山、釜山鎮区の生活ゴミ収集・運搬代行業者○社のパク・某(55)氏は家族が眠りにつく夜10時から1tトラックを走らせ、アパートなどを回り住民が捨てた生活ゴミを収集している。一日に5~6時間ほど重いものを持ち運び、全身がずきずき痛む。土・日曜日に休めることがせめてもの慰めだ。平日と公休日に仕事をするパク氏が受け取る月給は170万ウォンだ。4大保険料と勤労所得税などが控除されれば140万ウォンに減る。パク氏は「2003年に入社したが、常にギリギリだった」とし「大学生の娘・息子の学費を用意できず、妻が家政婦までした」と話した。
■中間に消える賃金
市・郡・区で生活ゴミを収集し、ゴミ埋立地や焼却場へ運ぶ清掃サービス企業等の労使葛藤が相次いでいる。釜山南区のB社 清掃労働者50人余りが賃金引き上げを要求し9月にストライキを行ったのに続き、釜山鎮区○社清掃労働者50人余りも3ヶ月ごとにストライキと座り込みを行っている。全北全州市の清掃サービス業者C社労組員らも去る8月にストライキを行った。
こういう葛藤は自治団体らが清掃サービス企業等と契約を締結する際に作成した‘民間委託手数料原価算定報告書’の賃金と、清掃サービス企業等が労働者に実際に支払う賃金が異なることから始まっている。
釜山鎮区が今年7月○社と生活ゴミ収集・運搬代行契約を締結する時、基準とした原価算定報告書の労務費を適用すれば、今年8年目のパク氏の4大保険料などを控除する前の年俸は3100万ウォン余りだ。だが、パク氏が受け取る実際の年俸は2300万ウォン余りだ。2002年釜山南区B社に入社した門前回収員ペク・某氏は2008年の基本給が70万ウォンだった。当時、釜山南区が外部に用役を任せた原価算定報告書に出てきた基本給は74万ウォンだった。2008年の原価算定報告書には勤続加算金として月14万ウォンが策定されていたが、ペク氏の給与明細書には最初からなかった。
全国民主連合労働組合は 「2008年6月基準で全国自治団体232ヶ所の内177ヶ所(76.2%)が675ヶ業者に年9300億ウォンを支払い生活ゴミ収集・運搬を委託している」とし「契約金額に10%の利潤が含まれているにも関わらず、清掃サービス企業等が利益をさらに得るために労働者の人件費を中間でピンハネしている」と主張した。
■手をこまぬく自治体
自治体は毎年、民間清掃サービス業者と契約を締結する際に、人件費明細など具体的項目を明示しないまま契約をしているので取り締まりの根拠がないとし手をこまぬいている。
これに対し行政安全部は2006年12月「2007年から単純労務一般用役契約を締結する時、原価算定報告書水準の賃金を与えるようにし、これに反すれば契約を解約することができるという字句を入れろ」という指針を各自治団体に送った。また、昨年9月に改正した‘自治団体用役標準契約書’にも人件費などの算出内訳書を添付するようにした。だが、こういう指針は現場ではまともに守られていない。
清掃サービス企業等は原価算定報告書は法的強制性がないと主張する。清掃業者B社側は「労使問題に自治体が関与してはならない」という論理で対抗した。
全国民主連合労組は「行安部は自治体らが指針を履行しているか点検し、自治体は清掃企業等が市民の血税を横取りすることをなくすため直営に切り替えなければならない」と指摘している。だが、キム・フンソプ釜山鎮区清掃行政課長は「清掃労働者を直接雇用すれば、年間70余億ウォンが更にかかる」とし「暮らし向きがギリギリな自治体の現実に合わない」と話した。
キム・インス民主連合労組政策局長は「全国自治団体の内、55ヶ所が定年が保障される無期契約職として清掃労働者を直接雇用している」とし「自治体が直接雇用し運営すれば、職員を膨らませること等で利益をさらに横取りする清掃企業等の誤った慣行が消え、むしろ予算を節減できる」と強調した。
釜山/文・写真 キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/451060.html 訳J.S