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グローバル ポスコの夢、‘虎穴’中国で着々

登録:2010-11-16 11:34

原文入力:2010-11-16午前09:15:06(1898字)
[東アジア企業の進化] 4部 韓国編-アジアを踏まえ世界へ 1.ポスコ
中国業者の牽制にも自動車輸入鋼板占有率 1位
市場飽和 切迫…‘東南アジア先行獲得→世界進出’大きな絵

ファン・イェラン記者

 "私たちはポスコ グローバル政策の成功モデルであり、中国進出のベースキャンプだ。" 先月、中国で会ったキム・ヨンミン張家港浦項不銹鋼(ZPSS)有限公司社長の話には自信があふれていた。最大鉄鋼市場である中国で世界1位を見下すステンレス生産業者として位置を占めたことに伴う自負心だった。ポスコが87.5%の持分を保有するこの会社は、上海から150km離れた張家港に位置している。今こちらでは来年春の竣工を目標に年産23万tの冷延工場増設工事の真っ最中だ。長さ710mに及ぶ世界最長生産設備を設置し、高付加価値製品など多様な鋼種を同時に生産するためだ。現在この会社が作り中国全域で台所用品、自動車マフラーなどの材料として使われるステンレス製品は年産80万t規模だ。工事が終われば年間生産能力は100万tに増える。

全世界ステンレス鋼の3分の1を生産する中国という‘虎穴’に入り、韓国業者が成功を収めたわけだ。職員1800余人の内、ポスコ派遣職員は33人だけだ。事実ポスコにとって中国は競争者であると同時に協力パートナーだ。韓国鉄鋼部門の対中国輸出依存度は昨年23.3%で、10年前より5%近く高まった。中国鉄鋼企業等の牽制も侮れない。それでもポスコは中国自動車輸入鋼板市場で1位を走り、去る7月には瀋陽に中国内16番目の鉄鋼加工センターを開くなど比較的善戦している。

中国との協力は鉄鋼に限らない。来年には中国、内モンゴル自治区にポスコが持分60%を持っている稀土類原料加工工場が完工する予定だ。先立って去る7月には単一企業としては初めて吉林省政府と港湾建設、先端産業などでも合作事業を推進するよう協約を結んだ。

ポスコはこういう成果を出した秘訣として‘信頼’を挙げるのに躊躇しない。ポスコチャイナは2008~2009年、続けて中国で‘社会貢献100大企業’に選ばれた。張家港浦項不銹鋼をはじめとする中国現地法人として植樹や災害復旧活動などに積極的に参加し篤い信頼を積み重ねたおかげだ。2003年からは北京大学校などの優秀学生681人に奨学金も支給してきた。

だが、世界鉄鋼市場へ視線を転じれば状況は変わる。今は韓国と中国、日本の3ヶ国が覇権を分け合う‘三国時代’であるためだ。世界10大鉄鋼会社中の8社が韓・中・日の業者だ。東アジアの鉄鋼消費量は全世界の半分ほどを占め、鉄鋼産業の成長速度は全世界平均より2倍近くはやい。グローバル金融危機以後、財政危機に陥ったヨーロッパ企業等と違い、アジア圏は優れたコスト競争力などを土台に大きな打撃を受けなかった。世界鉄鋼産業の‘メーカー’として新たに東アジアが注目される理由だ。

この話はすなわち東アジア鉄鋼市場での競争がそれだけ激しいという意でもある。2000年代後半から韓・中・日の国内市場はすでに供給超過状態に達した。主要鉄鋼会社が3000万~6000万tの設備増設を推進中であり、以後の市場はますます狭くなる展望だ。これに対しチョン・ジュンヤン ポスコ会長は「世界経済の中心がヨーロッパからアジアに移ってくる過程で、鉄鋼産業を主導してきた韓・中・日が飽和状態の国内市場を抜け出し、東南アジアへ視線を転じる段階」と話した。先月、ポスコが初めての国外一貫製鉄所を作るために起工したインドネシアだけでも、中国の杭州鋼鉄と武漢鋼鉄などが製鉄所建設のためを伺っている。ポスコ経営研究所は最近「中国が東南アジアの市場支配力を拡大しており、国内鉄鋼産業に被害が憂慮される」という分析を出すこともした。

もちろんポスコの遠大な夢は東アジアだけに留まりはしない。チョン会長は「韓国を中心にした地域プレーヤーからアジア圏、ひいては世界へ活動舞台をどこまで拡大するか考え中」と明らかにした。来る2018年、半世紀の歴史をむかえ‘グローバル ポスコ’として新たに出ようとする挑戦はすでに中国、インドネシア、ベトナムなど世界各地で始まった。

張家港(中国)/ファン・イェラン記者 yrcomm@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/448903.html 訳J.S