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脱北移住民が初めて出会う韓国社会‘12週の監獄’ハナ院

登録:2010-11-15 09:13

原文入力:2010-11-14午後09:01:21(1658字)
定着家族いても義務
面会は直系に1回だけ
家族も男女 別に過ごし
"教育・運営 開放 切実"

イ・ジェフン記者

←京畿安城市、三竹面、栗谷里にある脱北移住民定着支援施設 ハナ院 本院全景. <ハンギョレ>資料写真

平壌で暮らしたキム・某(16)さんは、先に脱北して南側に定着した父親と叔母の助けで昨年南側にきた。キムさんは他の人々と同じように本当に北韓離脱住民(脱北移住民)かを調査する関係機関の合同尋問を受けた後、社会適応教育を受けるため北韓離脱住民定着支援施設 ハナ院 に入居した。
中国とタイを経てきたために心身が疲れきった状態だったキムさんは昨年12月11日、ハナ院で食事をして倒れた。ハナ院のキムさんの友人から連絡を受けたキムさんの父親と叔母が釜山と清州から走ってハナ院にきた。だが、ハナ院側は事前の面会申請がなかったという理由でこれらの面会を許容しなかった。キムさんはハナ院での12週間教育を全て終えた後にようやく父親の家へ行くことができた。

南側に先に定着した息子の努力で遅れて南側にくることになった喜寿のあるおばあさんもハナ院の教育を全て受けなければならなかった。

脱北移住民が初めて出会う韓国社会であるハナ院の生活が、過度に閉鎖的なので人権侵害の素地が大きいという指摘が出ている。特に李明博政府になりハナ院の運営が一層閉鎖的に変わり、脱北移住民の反発をかっている。

以前は南側に定着した家族がいる時は‘長期外出制度’を活用しハナ院教育を全て受けることなく家族と過ごせたが、この制度は昨年6月に廃止された。今、ハナ院生たちには12週間の教育期間に直系家族に限り一回だけの面会が許されている。

家族が共に脱北し南側に来た場合でも、ハナ院では共に過ごすことはできない。成人男性はハナ院分院(京畿道楊州)で、成人女性と未成年者はハナ院本院(京畿道安城)で別々に教育を受けなければならない。ハナ院生らは携帯電話を使って引っかかれば罰則として定着金を20%減額され、教育時間以外にはインターネットも使えない。職業訓練・市場購買体験の時を別にすればハナ院外に出て行くこともできない。

これに対して統一部側は、ハナ院は‘加給国家保護施設’で政府庁舎・発電所などと同じ水準の高度な保安が必要で、北韓の工作やブローカーらの悪だくみから脱北移住民たちを保護するには、ある程度の統制は避けられないと説明する。

統一部資料によれば、脱北移住民の家族同伴比率は昨年12%から今年40%、先に入国した家族がいるケースも昨年の23%から40%に急増傾向だ。既存システムに固執する場合、ハナ院がむしろ脱北移住民を‘離散家族’にしているわけだ。 民間団体と専門家たちの間から‘ハナ院教育と運営の開放が切実だ’という注文が出てくる所以だ。

こういう硬直したハナ院システムは統一ドイツ以前の西ドイツの‘財政は政府が負担するものの定着支援は市民社会が引き受けた’東ドイツ離脱住民定着支援政策と対比される。
東ドイツ離脱住民の西ドイツ統合政策を研究してきたシム・ソンジ慶一大教授は14日 「統一ドイツ以前の西ドイツ政府は、東ドイツ離脱住民に対し2~3日間の基本人的調査と健康診断の後、特別な問題がなければすぐに地域社会に出て行けるようにした」として「住む所が準備されていない東ドイツ離脱住民の臨時居住施設が州毎にあるが、一般地域社会民と生活インフラを共有し開放型で運営された」と話した。シム教授は「急増する脱北移住民が韓国社会と成功的に融合するようにするには市民社会主導の開放型定着支援システムに改善しなければならない」と注文した。

イ・ジェフン記者 nomad@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/448622.html 訳J.S