原文入力:2010-11-11午後03:53:48(2896字)
‘メディア トゥディ’に寄稿…"MB英雄化、全斗煥時の韓国放送を遥か凌駕"
"李明博大統領の自己正当化、矯正不能状態に行ってしまったわけではないことを"
イ・チュンシン記者
←11月5日、李明博大統領が主要20ヶ国(G20)ソウル首脳会議と関連して内・外信記者会見を行っている。金融規制など世界金融危機克服のための核心議題は今回のソウルG20会議では扱われない展望だ。大統領府カメラマン団
<KBS>現職記者が‘ミョンビ御天歌’を歌っている<KBS>の形態をより強力に批判して出た。<蔚山KBS>キム・ヨンジン記者は11日‘メディア トゥディ’に寄稿した文でG20広報に熱を上げている‘韓国放送’とイ大統領の形態を一つ一つ批判した。
キム・ヨンジン記者は<ハンギョレ>との電話通話で「専門職業人として通常の基準に比べてあまりに呆れ返るニュース編集がなされており、息がつまりそうで文を書くことになった」として「数日前からKBSニュースを見れば一般常識基準で見てもひどすぎる」と話した。また「ツイッターなどですごい勇気とか言っているが、私たちの社会がその程度まで意思表現の自由が萎縮したのかと驚いた」と付け加えた。
キム記者は寄稿文で「キム・インギュ社長を筆頭としたKBSの首脳部は、わずか1年余りでKBSを李明博政権のプロパガンダ ツールに転落させた」とし「G20のような定例行事に数千分を編成し政権広報を行いながらも、公営放送云々するのは認知不調和の典型」と批判した。続けて「また、一人の不幸な大統領を作り大切な公営放送システムを完全に壊す悲劇の種」と指摘した。
彼は言論労組KBS本部の調査を引用し 「KBSが編成したG20特集プログラムがTVだけで3300分に達することが明らかになった。それも‘時をわきまえず’に流れる広報スポットやニュースは除いた時間がそうなんだ」とし「(これは)世界放送史に長く残る大記録」と嘆いた。
続けて彼は、KBSが伝播している G20ソウル開催で大韓民国が世界の中心にそびえ立ったという神話を見てみれば「20ヶ国指導者らと肩を並べて進んで超強大国の米国と中国の間で仲裁者と調停者の役割をする世界の新しい経済秩序を左右する世界的な指導者が現れる」とし「こういう英雄神話は‘檀君以来最大の行事’、‘国家ブランドと国の品格を画期的に引き上げる行事’等、華麗な修辞(rhetoric)で装われている」と批判した。
キム記者は「韓国の大多数言論らは事実、G20が半年ごとに開かれる会議体制に過ぎず、どんな合意が導き出されても拘束力のない象徴的水準に留まることをよく知っている」としながら「MB政権と韓国放送など主流言論が作り出したG20キャンペーンにじゅうたん爆撃され、民間人不法査察問題、UAE派兵問題、4大河川問題など重大な懸案を忘却している」と明らかにした。
彼はKBSと李明博大統領がこのような‘永続的キャンペーン’をどのように繰り広げているのか具体的な事例を挙げて説明した。キム記者は「去る12月27日 休日午後、韓国放送1TVは正規放送を切り、UAE原子力発電所受注の便りを特報として伝えた」とし「ニュースが原子力発電所で壁貼りされ、MBの終盤の談判の便りが英雄物語として浮上した」と明らかにした。
また「天安艦沈没事件はその原因攻防とは別個に、6.2地方選挙日程に合わせて細心に考案された意志事件として‘永続的キャンペーン’の精髄を見せた」と話した。彼は意志事件はメッセージを伝達する側から統制可能な事件を人為的に作るものだと説明した。キム記者は引き続き「寄付募金放送等を通じて局面を‘天安艦・英雄神話’ストーリーに転換させたKBSの技巧は芸術的境地に達した」としながら「軍部の偽りと無能、大統領府の未熟な初期対応など政権に致命的負担となる弱い輪を一瞬にして覆ってしまった」と書いた。
また他の事例で‘MBの涙’を挙げた。キム記者は「秋夕連休‘朝の広場’では‘MBの涙ぐましい思母曲’を演出した」とし「全斗煥時期の韓国放送をはるかに凌駕する手並み」と皮肉った。彼は「このような韓国放送とMBの永続的キャンペーンは国民世論を誤った方向に導くだけでなく、指導者自身までを破滅の道に導く」と強調した。キム記者は「<韓国放送>のG20特集3300分は重ね重ね公営放送韓国放送に負担になることで、MBには毒として作用する」とし「カナダ公営放送の‘CBS’がG20報道をどのようにしたかを見てみなさい」と助言した。
キム記者は「イ大統領は就任当初から疎通能力に問題を示した」としつつ「この頃の歩みを見れば、疎通能力の不在を越え一種の預言者的自己確信と自己欺瞞が奇怪に結びついた姿が感知される」と指摘した。また「G20準備状況をいちいち監督しに通う姿は朝鮮中央TVのいわゆる‘現場指導’の姿を連想させる」と批判した。キム記者は「‘法と原則’ ‘公正社会’等を前に出す時は自身の過去との‘認知不調和’を克服するため‘法と原則’や‘公正社会’等とは距離があった自身の過去の人生に関する記憶をメモリーから消して捨てるような感じ」としながら「大統領府の不法携帯電話問題がふくらんでも‘UAE派兵パッケージ’という裏面合意疑惑が提起されても、何の言及もない」と話した。
キム記者は自己の正当化はおおっぴらな嘘よりさらに危険だと話したアロンソンの警告を想起させた。彼は「自身の行為を国民にだけ正当化する大統領はそれを変えるよう説得することができるかも知れないが、自身に真実があると信じ自身の行為を自身に正当化する大統領は矯正が不可能だ」とし「李明博大統領が矯正不能状態にまで行ってしまっていないことを望む」と指摘した。
キム記者は公営放送KBSが‘批判者’になるべきだと強調した。彼は「‘批判者’の役割こそ公共に奉仕する公営放送が追求しなければならない最高の使命」としながら「特別補佐官出身のキム・インギュ社長はKBSを‘MBの信じられる反対者’として機能するようにし、MBが本来の席から抜け出す時に再びた本来の席に導いて上げなければならない」と助言した。
最近、言論振興財団による調査の結果、KBSが52.4%で最も影響力のある媒体として調査されたことを挙げ「私はKBSのこの影響力がとても恐ろしい。正確に言えば、この影響力の使い途が恐ろしい」という告白で始めたキム記者の文は「その影響力を誰のために、どのように使うかが本当に重要なこと」という言葉で終わりにした。
イ・チュンシン記者 cslee@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/448234.html 訳J.S