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“二人の子供育児費57万ウォン…赤字増えても削れる所がない

登録:2008-12-08 13:30

原文入力:2008-12-08午前08:55:43
[民生ニューディール]①危機に陥った庶民家計簿
夫婦が楽しみにしていたビール退出…突然な病院費怖い
チョンセ(不動産貸しきり保証金)弱勢だけが慰め…‘宝物1号’カメラ売却も

ソク・ジンファン記者

不況が正常な経済活動をする庶民家庭を脅かしている。極貧層は言うまでもないが、表面的には問題がないように見える人々も苦しさと不安を訴えている。平凡な庶民家庭がなぜ不安を感じ、その不安の実体は何だろうか? <ハンギョレ>は今回の企画を始めるにあたり平凡で仲むつまじい庶民家庭の一つを訪ね生活像を事実そのままに紹介することとした。広く深く蔓延っている不安の実体を分かってこそ対策も出てくるからだ。

ハン・ジョンフン(38・仮名)氏とチョ・チェヨン(34・仮名)氏は2001年に結婚した7年目の夫婦だ。ハン氏はある流通会社で販売店数ヶ所を管理する仕事をしており彼が管理する売り場マネジャーであったチョ氏と愛が芽生えた。夫人チョ氏は結婚翌年一番目の子供を身ごもり会社を辞め昨年8月には二番目の子供も産んだ。「夫は元気で子供たちはよく食べ寝る遊ぶ。」

ところで何が問題なのか? チョ氏は「もっと苦しい人々に比較すれば稼げないわけでもなく贅沢もしなかったのに月末になればいつも‘マイナス’」と話し始めた。チョ氏の家計通帳には毎月25日正確に289万ウォンが入金される。夫の月給268万ウォンと活動費として出る21万ウォンを加えた金額だ。去る11月チョ氏一家が使ったお金を一つ一つ見てみた。領収書が残っていなかった食費などは万won単位で計算し支出を合算してみると307万8千ウォンだった。18万8千ウォンの赤字だ。貯蓄は今年の初めからできなかった。昨年50万ウォンずつした積立金も今年は中断したし、10万ウォンずつ4回入れたファンドは今26万ウォンだ。

ソウル,道峰区の貸し切り7500万ウォンの22坪アパートに設けたチョ氏の‘棲み家’に赤字が積もっている。積もる赤字とともに不安も大きくなって行く。

ビール退出

チョ氏の家計で食費の比重は非常に高い。収入が多くないから当然だ。先月は外食費10万ウォンを含めて50万ウォン程度を使った。状態が少しは良かった昨年より10万ウォンぐらい減らした規模だ。今年、赤字に転換してチョ氏は大型割引店の代わりにアパート団地の中のスーパーマーケットに行く。豆腐・もやし・卵などおかずを一度に購入する代わりに必要な時ごとに少しずつ買う。チョ氏と夫二人ともビールには目がないけれど、そんなに好きなビールもこの頃は買わない。豚足や鶏の丸焼きなど週末の間食も減らした。「牛乳や子供たちのおかずの材料価格が継続上昇したけど、ウチは赤字で食費支出を減らなければならなくて、やむを得ず私たち夫婦の飲食が退出1順位」とチョ氏は話した。

テコンドー教室,おむつ

昨年二番目の子供が生まれて育児にかかる費用が大きく跳ね上がった。二番目を産む前には月平均32万ウォン程度だったが、先月は57万6千ウォンを使った。家計支出で最も大きい規模だ。第一子の幼稚園費と教材費などで月28万6千ウォンを使った。政府から受けとる保育料支援金3万ウォンを除いた金額だ。「区立幼稚園は通園バス運行をしなくて不便なので価格差(5万ウォン)も大きくないから」私立幼稚園に送る。先月からはテコンドー教室にも月9万ウォンをはらう。6万5千ウォンの冬用テコンドー服もやむを得ず買った。友人たちが通うと言うので通わせないわけにもいかなかった。50%割引の童話の本1セットをインターネット分割払いで購入し毎月6万ウォンずつ出て行く。小さい子供は母乳で育てたが、大きく上がったおむつ代に予防接種費や風邪薬代なども侮れない。だからと言って費用を減らすことは難しい。「幸福で希望である子供たち」にチョ氏夫婦ができる最小限という考えのためだ。だがチョ氏の話のように「これから子供たちのために増える支出を考えれば見通しが立たないというのが事実」だ。子供たちは不安の出発点でもある。

 (※クリックすればさらに大きく見ることができます。)

応急室

“今二人の男の子が皆病気だ。小さい子は一ヶ月になろうとするのにさらにひどくなり、大きい方は下着を着ようとせずに風邪をひいて夜中39度まで熱が上がった。二人の子がこうしてママを疲れさす。 お願いだから病気だけはしないで”

1年前の2007年12月4日チョ氏が自身のブログに書いた文だ。予想できない病院代はチョ氏の家のようにギリギリな家計では最も恐ろしい‘暗礁’だ。一人で稼ぐ家庭でパパ ハン氏の健康はやはり生命の紐だ。チョ氏が昨年(26万7千ウォン)とは違い月所得の16.8%にもなる48万7千ウォンを健康関連保険料に使う理由だ。昨年上の子が夜中に応急室に運ばれて超音波など色々な検査などをするのに17万ウォンを払った後で二人の子供も医療実費保険に入ったし夫ハン氏にも月12万ウォンの保険を新しくかけた。支出が大きい終身・年金保険の解約を考えたこともあるが“老後不安のため”に考えをひっこめた。

部屋二間

この頃チョ氏に慰めになるのは唯一‘住宅保証金’だ。来年に契約期間が終わるが、昨今不動産費用が下り坂なので心配が減った。だがいつ跳ね上がるか知れない住宅保証金は、相変らず恐れの対象で家作りは遠い‘夢’だ。

チョ氏夫妻は結婚後6年間、貸し切り5千万ウォンで15坪住公アパートで暮らした。「“セントラルヒーティングのその家がとても寒くて」二番目を身ごもった昨年、貸し出し3千万ウォンを受けて今の部屋である二間のアパートに引っ越してきた。「以前に住んでいた家に比較すれば天国」だが代わりに管理費と利子で30万ウォン程度を支出する。前に住んでいた家でかかったお金(16万5千ウォン)の倍に近い。出発点に問題があった。夫が結婚前に6千万ウォン程度のお金を貯めたがIMF事態の後、信用不良者になった婚家両親らの借金を返したので2千万ウォンで新婚の暮らしを始めた。「財産なしに始めて見たら夫が死ぬほど仕事をしても部屋二間以上は期待しがたい」というチョ氏は「貸し切りが今以上に上がらず、この程度でも維持できれば良い」と話した。

カメラ

2年後に二番目の子供を保育所に行かせることになれば、チョ氏はパートタイムでも探してみるつもりだ。「この状態ではすぐにも子供たちの教育費はもちろん、夫の退職後を考えればぞっとするため」だ。職場生活10年目の夫に仕事をできる時間がどれくらい残っているかは見当がつかない。「売り場を管理する仕事の特性上、年齢が高くなるほど失職に対する恐怖は大きくなるため」だ。何年か前、退職金の中から一部(1300万ウォン)をあらかじめ受け取り住宅貸し切り資金に当てたので退職金も多くはない。余裕のない実家,婚家ご両親らがお元気でいられるか心配だ。

チョ氏は先日、大切にしていたDSLRカメラを売った。写真を撮るのが唯一の趣味であったチョ氏が最初の出産の後かかったうつ病に勝ってみようと手にした‘宝物1号’であった。「今何かことが起これば使える非常用の金もない境遇だとして155万ウォンしたものを55万ウォンで売った」というチョ氏は、状態が良くなってカメラをまた買える日が来ることを待つ。 ソク・ジンファン記者 soulfat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/326249.html

原文: 訳J.S