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[このひと] 貪欲に目が眩んだ権力に国民は絶望している

登録:2010-10-07 10:53

原文入力:2010-10-06午後07:32:27(1564字)
企業不正 正面から扱った‘ハスアビ チュム(カカシ踊り)’出版した小説家 チョ・ジョンネ

チェ・ジェボン記者

←小説家チョ・ジョンネ

不法・違法 日常的に行う資本と
これに目を瞑る既得圏 告発
"経済民主化が最も至急"

"1970年代以後、政府は機会ある度に繰り返して言いました。‘今は分配ではなく成長と蓄積の時期’ですと。国民は40年間 分配を待ってきたが、まだ分配に関する便りは聞こえてきません。むしろ税金脱漏とか不法相続とかいう企業の問題がふくらみながら国民の絶望と怒りは大きくなっています。今この時点で私たちの社会に最も至急なことは経済民主化だと考えます。"

不法秘密資金造成と全方向ロビー、脱法相続など韓国企業の問題点を正面から扱った小説<カカシ踊り>(文学の文学)を出し6日昼、記者らと会った作家チョ・ジョンネ(67・写真)氏の第一声だ。

<アー神よ>以来3年ぶりに出したこの小説は、業界2位の一光グループの総帥直属機構‘文化開拓センター’所属役員3人が検察と国家情報院、国税庁、政府部署、報道機関などの核心人士を相手に全方向ロビーを繰り広げる一方、グループ後継者の経営権および財産権相続戦略を推進する過程を中心に進行される。キム・ヨンチョル弁護士が<三星を考える>で告発した話を思い起こさせる内容だ。しかし作家は小説内容を特定企業の話として受けとらないことを頼んだ。

企業不正を正面から扱ったチョ・ジョンネの<カカシ踊り>

 「<三星を考える>を読みはしたがキム弁護士に会ったことはありません。文を書くのにかえって邪魔になると思ったのです。小説に描かれた状況は特定企業の問題ではなく、我が国のほとんどすべての企業が共通して持っている問題と見ます。一光グループのロビー実務者が別の企業へ席を移す小説の結末は、まさにそうした点を暗示したものです。事実この主題はすでに30,40年前から資料を収集してきており、これと関連して文を書いたり法廷闘争を繰り広げた市民運動家たちにも会って助言も聞きました。」

いわゆる社会の指導層人士2千人を相手に3千億ウォンのロビー資金をばらまきながらも全体秘密資金に比較すれば雀の涙に過ぎないとして満足がる会長とグループ役員ら、ロビーの最末端でせいぜい(?)50万ウォンの特別手当てを受け取るために企業の裏口を急いで行き来する記者たち、不適当な記事を載せた新聞に対し広告圧迫で報復する企業、上命下服と検事同一体原則の下、不当な命令に抵抗できず不正や不正の共謀者となる検事たち、会社側の懐柔に乗り法廷で偽りの証言をする労組幹部…。登場人物らは全て‘貪欲’というコードに合わせて踊るカカシのように見える。しかし他の一方には経済民主化を要求するコラムを書き、結局 解職されるホ・ミン教授、検察文化に懐疑を感じ飛び出し財閥を相手に戦う市民団体に力を寄せるチョン・インウク弁護士のような‘希望の根拠’たちもいる。

 "季刊誌<文学の文学>とインターネット書店インターパークに連載する時、数多くの読者が怒りと絶望感を表しながら激励してくれました。文学読者が減るとわめき散らすが、我が国の読者たちは自分に関心があり、読む必要があると思う本はいつでも探して読む準備ができています。ただし作家がその期待に応えられていないだけでしょう。"

文チェ・ジェボン記者 bong@hani.co.kr

写真シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/442548.html 訳J.S