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天安艦 疑問提起すれば北韓偏向? 軍 漫画、人身攻撃にアカ論争まで

登録:2010-09-14 13:06

原文入力:2010-09-14午前10:20:01(2223字)
異なる意見に対して‘純ゴリ押し’‘笑わせる’‘世論集め’追い込み
イ某教授、ソ某教授 挙論し‘基本も分からない人’こき下ろし

←天安艦漫画

 国防部が天安艦事件の真実を知らせるとして製作した漫画が天安艦と関連した疑惑を提起した人々を北韓に偏向した見解を持っているかのように描写し論議を起こしている。国防部が13日、天安艦最終調査結果を発表しながら配布したこの漫画で、天安艦沈没原因と国防部発表に疑問を提起する人々は‘物証を無視し推測記事を書く記者’‘専門的知識のない専門家’‘事実を根拠に話さずにゴリ押し主張と世論集め式に疑惑を提起する者’として描かれている。
 <カン・ホリョン記者が調べた天安艦被撃事件の真実>という題名のこの漫画は32ページで構成されている。日曜版新聞社で仕事をする記者を主人公として前面に出し、彼が天安艦事件を取材し これと関連した疑惑を一つ一つ解いていく過程を描く。天安艦事件以後に提起された論難と疑惑に対し国防部が提示した写真と図表などを利用し いちいち説明しながら異なる意見を持った人々に対しては一刀両断でこき下ろす。

 漫画でカン記者は部長から天安艦事件と関連した疑惑を暴けとの指示を受ける。部長は「今回の天安艦事件の実体はそれこそ左右ではない! 本当に物証だけを根拠に推測記事は絶対書かない最高の記者が書かなければならない」とカン記者に任務を付与した理由を説明する。カン記者の恋人として登場するソン・ウンヘという女性は、カン記者に「確実な証拠なしに記事をむやみに書かないで。とても難しい世の中だから、ちょっと間違えば一発で駄目になることもあるわ」と警告までする。

 カン記者は天安艦沈没が座礁によるものかもしれないといういわゆる‘座礁説’に対し 「それは知らない人が主張すること」と言い切る。ソン・ウンヘは「それでも専門家を自称する人たちが外部爆発の科学的根拠がないとして座礁を主張しているんですって?」として合いの手を入れる。天安艦沈没が機雷によるものか魚雷によるものかを説明する部分では「多くの人が接触爆発(空気中爆発)と非接触爆発(水中爆発)を区分出来ずにいて、米国のイ某、ソ某教授たちもこれでこんがらかったけど、僕の説明をちゃんと聞いてみて」として‘イ某教授’や‘ソ某教授’が基本的な内容さえ知らないかのように描写する。

 漫画が名指しする‘イ某教授’は イ・スンホン バージニア大教授、‘ソ某教授’は ソ・ジェジョン ジョーンズホプキンス大教授と思われる。国防部の天安艦調査結果に対し科学的根拠を土台に国内外で反論を提起してきた人たちだ。漫画はアルミニウムが爆発しても非結晶質のアルミニウムになる確率はないというイ教授の主張に対し、ソン・ウンヘの言葉を通じて「その人、実験はちゃんとしたの?」と尋ねたりもする。その一方で‘魚雷’の文字が焼けないこともあると主張した専門家には‘カイスト ソン教授’と礼節を守り呼ぶ。

←天安艦漫画

 漫画は天安艦と関連して色々な角度から疑惑を提起した人々を北韓に偏向した人々として追い詰め、これらの人々に国論分裂の責任を転嫁する。ソン・ウンヘは「ところで、まだ北韓の仕業をでっち上げだと言う人がいるというのが理解できなくて」と首を横に振る。これに対し、カン記者は「民主主義というのは本来そういうもの」としながらも「だけど、事実を根拠に話さなくちゃ。事実を確認せずに、ゴリ押し主張と世論集め式に疑惑を提起するのは明らかに誤りだよ」と話す。

 北韓が天安艦を沈没させた理由を説明する場面では‘アカ論争’まで連想させる。怪しげだ。カン記者は「貨幣改革の失敗による経済難で民心が離れるとすぐに住民たちの関心を向けさせるためでもありうるし、幼い後継者の断固たる決心を示すことによって軍部の忠誠を誘導するという意図かもしれない」として「だけど、最も大きな理由は我が国の国論を分裂させるためのものだ」と話す。「こういう奇襲的浸透をやっておき、とぼけることで我が国の中で責任所在を問い詰めるなど、左右葛藤を誘発させ国論を分裂させてみようという下心」ということだ。同時に「今回、某団体が国連に書信を送り国家的恥さらしを招き、米議会書信波紋と某北韓訪問者の妄言などが今回の事件の犠牲将兵と遺族たちにとって大きな傷とならないか心配で」として舌打ちをする。

 民主党と韓国記者協会は漫画を批判して出た。国防委員会幹事のシン・ハクヨン民主党議員は「国防部が天安艦関連漫画で疑惑を提起した人々の人身を攻撃しアカ論争を持ち出した」とし「今回の漫画に言及されたソ教授とイ教授などを国政監査の証人に申請し、今後も継続的に疑惑を暴くだろう」と語った。ウ・ジャンギュン韓国記者協会長は「漫画は天安艦事件に疑惑を提起した記者たちが偏向した見解を持っているかのように描写し、これらの人々に向かいあたかも警告のメッセージを送っているようだ」とし「内容を綿密に検討し今後対応方案を議論するだろう」と話した。

eニュースチーム

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/439698.html 訳J.S