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政府-銀行-家計、満期・据置延長‘不良 膨らまし’

登録:2010-09-07 07:26

原文入力:2010-09-06午後08:20:28(1864字)
景気低迷で住宅価格下落すれば‘金融雷管’憂慮
政府、元金償還誘導で危険低めるどころか
DTI廃止等で無理な貸出 むしろ煽る

アン・ソンヒ記者、キム・スホン記者

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[危機の住宅担保貸し出し]
‘0.53%.’去る7月末現在の銀行圏住宅担保貸出の延滞率だ。この数値だけ見れば安全に見える。だが、都市銀行住宅担保貸出残額の80%が、元金償還を先送りしたまま利子だけを払っているという事実を考慮すれば、住宅担保貸し出しの相当部分が‘潜在的不良’状態でもありうるという憂慮を生ませる。こういう潜在的危険を注意深く少しずつ消さなければならないというのが専門家たちの終始一貫した指摘だが、政府は最近、総負債償還比率(DTI)規制解除など反対に進む政策を執っている。

■政府-銀行-家計 三角同盟のエバーグリーニング?
住宅担保貸出残額の内、元金を返さずに利子だけを払っている残額比重が80%に達するようになったのは、去る10余年の間に国内銀行と家計両者の‘必要’がかみ合わさって生じた‘奇形’だ。

銀行は企業貸出で苦労した外国為替危機後は、住宅を担保にした家計貸出拡大に没頭し、家計は不動産価格が上がるや無理に金を借りてでも家を買わなければならないという雰囲気が広がった。

3年ほどの‘元金猶予期間’が慣行だったのは実際に3年後から元金を償還するというより、住居価格が上がれば適当な時に家を売り借金を返すという意図があってのことだ。

だが、2008年のグローバル金融危機以後、住居価格上昇勢が止まり住宅取引が小康状態に陥る中でこういう‘戦略’に支障が出始めた。チェ・ユンギョン エデュマネー理事は 「多くの借入者が家が売れなかったり、とても安い価格で出さなければならない状況に置かれるや、ひとまず据置期間延長を通じて‘時間稼ぎ’をしてみようという態度を見せている」と解説した。

銀行もやはりその場では‘損をする必要はない’という態度だ。ある都市銀行貸出担当者は「銀行としては担保価値を十分に押さえているので大きく不健全化する心配はなく、顧客も据置期間延長を通じて利子だけ払い後ほど家を売って返せば良い」と話した。金融当局もやはりこういう雰囲気をほう助している。政府は昨年初め、都市銀行に一斉に満期・据置期間延長を指示した経緯がある。

■風船の空気を抜くべきなのに反対にさらに膨らませる
カン・ギョンフン東国大教授(経済学)は「据置期間を延長するということは事実上、元金償還能力や意志がない人とみるべきだ」として「厳密に問い詰めれば不良債権だが、‘エバーグリーニング’(evergreening:銀行が満期延長や借り換え貸出をしてあげることにより不良を隠す形態)をしている」と話した。

問題は‘エバーグリーニング’は名前の通り永遠ではないという点にある。パク・チャンギュン東国大教授(経営学)は「銀行らが今は限りなく満期を延長してくれるように言うが,これは住居価格が落ちておらず家計所得も維持されるという前提が満たされる時の話」として「住居価格が突然落ち、担保価値が危険になったり家計所得が減れば銀行はその属性上、一斉に元金回収に出るほかはない」と話した。家計もやはり住居価格の上昇で売買差益を出すことができるという‘期待’が完全になくなるならば、これ以上 高い利子を払いながら貸出を抱いていく誘因がなくなる。
このようにして不動産売り物が一度にあふれ出す場合、住居価格は急落し多くの家計が家を売っても借金を返せない事態が起きうる。こういうハードランディングを防ぐには、政府が今からでも住宅担保貸出に対する構造調整に積極的に出るべきだというのが専門家たちの指摘だ。

だが、政府はむしろ逆に最近DTIを解除することにより、低所得層まで無理な貸出を受けることができる道を開けた。パク・チャンギュン教授はこういう態度を典型的な‘規制猶予’と規定した後、 「規制猶予の最も悪い点は、問題を繰り延べるだけでなく、問題をさらに膨らませる点にある」と批判した。

アン・ソンヒ、キム・スホン記者 shan@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/438554.html 訳J.S