原文入力:2010-09-05午前11:57:24(2128字)
外務長官 素早い辞退に "ずるずる 大統領府が変わった" 政界 異口同音
レイムダック化防ぎ‘公正社会イメージ向上’狙うが、かえって‘毒’になることも
"大統領府が変わった。" 娘の特別採用問題と関連してユ・ミョンファン外交長官更迭方針を大統領府が速かに決め、政界では‘大統領府の変身’に対する評価と意見があふれている。任期序盤に種々の批判が聞こえてきても知らない振りで一貫した姿とは明確に異なるためだ。今回のユ・ミョンファン長官更迭問題にしても、ユ・ミョンファン長官が4日辞意を李明博大統領に伝達し、イ大統領がこれを受け入れる方式だったが、政界では事実上 大統領府で3日すでに更迭方針をユ・ミョンファン長官側に伝達したと見ている。さらにこういう大統領府決定はG20ソウル大会準備などを考慮し、ハンナラ党でも更迭要請をためらう間に、大統領府が主導して行われたという点で大統領府の態度変化の理由が注目される。
すでにキム・テホ総理候補とシン・ジェミン文化部長官候補、イ・ジェフン知識経済部候補者が自主辞退したことにより政治的打撃を受けた大統領府が、なぜ長官辞退という決定をこのように速かに下したのだろうか? これに対しては大統領府がすでにレイムダック現象が強まっていて、ユ長官の件をずるずる引き延ばした場合、レイムダックは手のほどこしようもないほど波及すると把握したことに伴うものと分析される。
まずユ・ミョンファン長官の娘特別採用自体が政権よりは個人利益に焦点を合わせるレイムダック現象と見ることができる。総理および長官候補者3人がぞろぞろと倒れたにも関わらず慎重に行動できないのは「政権がすでに終わらんとしているので個人利益でも手に入れよう」という心構えと解釈されるということだ。大統領府としてはこういう行為に対し‘防御’に出る場合、類似の事例が相次ぎ溢れでるなど耐えがたくなると憂慮せざるを得ないということだ。
レイムダックの初期現象は次の総選挙を控えているハンナラ党において特に強まっている。大統領府が速かにこういう事例を処理しなければ、特に首都圏出身議員らは次の総選挙で敗北するという恐れが強まっているためだ。これに伴い、ハンナラ党で統制されない声が溢れでているが、代表的な事例が‘慎ましい人’と評価される初当選のユ・ジョンヒョン議員が、キム・テホ総理候補者を "雑巾" と表現したことだ。このように議員総会で初当選議員が大統領が指名した総理候補者を雑巾と表現している状況であるのに、ユ長官を巡り大統領府がためらうならば、G20のためにためらった党が強く反発する可能性が高いということだ。こういう状況をむかえれば、イ大統領の党掌握力は急速に落ちレイムダック現象も加速化する。
党だけでない。ユ長官事例を速かに処理しなければ、政府内公務員たちを扱うことも難しくなる。公務員たちは大統領の任期序盤にはびしっと緊張していたが、任期が折返し点を回る頃になれば緩みやすい。はなはだしくは次の大統領に誰がなるかを把握し、コネを作る人まで出てくる。したがってユ長官事例を速かに処理することにより、公職社会にも「まだ刀の柄を握っている」というメッセージを投じる必要があるということだ。
大統領府はまた、こういう迅速な対応が‘公正な社会’という李明博政府国政後半期のキャッチフレーズを傷つけるのではなく、李明博大統領の‘意志’を浮き彫りにすることにより、かえってプラスになると期待しているという。これは5日午後2-6時、大統領府迎賓館で開かれる長・次官ワークショップでもイ大統領は最近の事態に関連して公職者たちの厳正な自己管理と公正社会を強調すると発表されていることにも明確にあらわれている。
政界ではまた、イ大統領がレイムダックを防ぐ方策としてユ・ミョンファン事例を活用した可能性も占っている。ユ長官事例を契機に、政治家を含む高位公職者に対する大々的な司正を推進することにより、これらに対する手綱を放さないという分析だ。大統領府は現在こういう可能性に対して「公正社会と司正は関係ない」と線を引いているが、核心参謀たちは「結局、公正というものは社会の指導層が先にならなければならない」と暗示する。すなわち大規模高位層の不正清算が進行される可能性があることを予告しているということだ。
だが、実際にこのような大規模な政治家と高位公務員に対する司正が成り立つかは未知数だ。李明博政府自体が以前まで清潔よりは能力を中心に人々を重用してきたため、大規模司正が大統領府が予想した統制範囲を抜け出しかねないためだ。すなわち検察の司正を通じて予想より多い人物の不正が明らかになれば、これは李明博政府に対する国民の不信を加重させ、レイムダック化をかえって加速化しかねないためだ。
eニュースチーム
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/438312.html 訳J.S