原文入力:2009-02-03午前08:32:40
イ大統領 ‘死刑執行’意見に“党で議論”
“即興的・感情的発想で人権価値揺さぶる”
キル・ユンヒョン記者ソン・ヨンチョル記者
京畿,西南部連続殺人容疑者カン・某(39)氏事件の余波が‘死刑執行論’,‘凶悪犯身分公開法制定’等の主張に広がり、ややもすると私たちの社会が着実に進展させてきた人権価値と基準まで後退しかねないという指摘が出ている。
イ・ミョンバク大統領は2日、ハンナラ党議員らとの大統領府昼食会で一部重鎮議員らが‘死刑執行をしなければならない’という意見を出すとすぐに「党で議論してみなさい」と話したとある参席者が伝えた。この参席者は「昼食前に重鎮何人かが今回の事件に言及し‘我が国が1997年以後、死刑執行していないそうだ。死刑執行をしなければならない’と話すと大統領が‘党で一度議論してみなさい’と話した」と伝えた。我が国は1997年12月以後死刑執行をしておらず国際アムネスティなど国際人権団体によって‘実質的死刑廃止国’に分類されている。
人権・市民団体と専門家たちは凶悪犯問題が死刑制度存廃論議に広がるのは理解できないという反応だ。オ・チャンイク人権実践市民連帯事務局長は「死刑制度と凶悪犯罪間には有意な関係がないというのが国際社会で固まった合意でこれに伴い私たちも10年以上実質的な執行をしていない」としながら「多分、即興的で感情的な発想で死刑制度存廃論をまた引き出したようだ」と話した。一部ネチズンらが<ダウム> ‘アゴラ’等に‘カン○○は死刑になぜならないか?’ ‘私たちが極悪非道な人々を食べさせ眠らせてあげなければならないとは’等の文を吐き出すなど、おぞましい犯行にともなう国民的公憤に期待し私たちの社会が長らく積み重ねた人権の原則と価値を揺さぶる発想というものだ。
国家人権委員会は2005年4月、全院委員会決定で“死刑制度は廃止されなければならない”という意見を出したが、これは2006年12月全国法学教授アンケート調査で当時までに人権委が下した判断の中で‘最もよくやったもの’に選ばれた。
警察庁もこの日「凶悪犯の場合、顔を公開する側に法律を制定する必要がある」という公式意見を明らかにした。大部分の新聞・放送がカン氏の顔を公開し、現場検証に出たカン氏のマスクもはがした。 しかしカン氏の顔と身上が公開された後、子供らの実名と身上情報までインターネットに無数に漂っている。
パク・クンヨン参加連帯事犯監視チーム長は「凶悪犯の顔の公開は犯罪予防の実益がなく被疑者家族などに対する2次被害の可能性が大きいことを警察もよく知っている」として「いわゆる‘非寛容’,‘法治’等を強調するイ・ミョンバク政府の政策基調の下では人権後退的形態が反復されるほかはない」と話した。キル・ユンヒョン,ソン・ヨンチョル記者charisma@hani.co.kr