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集娼村を去りあがき、貧困に踏み付けられ再び…

登録:2010-08-02 12:17

原文入力:2010-08-02午前10:01:56(1719字)
清涼里 性売買女性 被殺、彼女に何が
2004年 性売買特別法 施行時‘588’を去ったが
植物人間 母親・癌闘病 父親 病院費 稼げず
抱え主 なしで借家で営業…取り締まり・治安‘死角地帯’

ソン・ジュンヒョン記者,ソンチェ・ギョンファ記者

1日午後、訪ねて行ったソウル、東大門区、典農洞のいわゆる‘清涼里588’は行き来する人もなく物寂しい雰囲気だった。事故現場の588番地86号には、警察が張っていった黄色い警告帯だけが残っていた。先月30日午後、ここでは性売買女性パク・某(31)氏が凶器に刺され発見された。(<ハンギョレ> 7月31日付 8面)この日、事故現場近隣で会ったK氏は「かわいそうな娘だった」として重い口を開いた。亡くなったパク氏とは故郷も同じで同い歳なので親しく過ごしたといった。「その友人も家の暮らし向きが非常に良くなかったです。母親は倒れて何年か前から病院にいて、父親も癌闘病中で、2人いる弟妹もほとんど一人で世話してきたと言うのに…。」

パク氏は‘清涼里588’が急激に没落した2004年の性売買特別法施行前にこちらで仕事をしていたという。特別法施行によりこちらの‘営業’が難しくなった後、ここからパク氏も去った。「この娘もその時に出て行って会社に入ったようです。ところが会社の月給がいくらにもならないでしょう。出て行くお金は決まっているので生活できない形で、とにかく5年前ぐらいに再び戻ってきました。信用等級が低いので貸し出しも受けられず、お金が必要だから再び来たのでしょう。父親は今回の事件が起きて初めて(この仕事をしていたことを)知ったと言います…。」

パク氏が再び戻った時‘清涼里588’はすでに営業形態が大きく変わっていた。かつてはいわゆる‘抱え主’が性売買女性を雇用する形態とすれば、今は性売買女性たちが部屋一つを2~3交代で借り家賃を払って営業する。以前は主に夜だけ営業をしたとすれば、今は24時間営業をする。実際に事業主たちは 「性売買特別法施行前に金を儲けた人々は去り、今の事業主は高い権利金を払い入ってきて、これを回収しようと足掻いている」と打ち明けた。

お金が必要で再び‘清涼里588’を訪ねてきたパク氏もこのように変わった営業方式から自由ではなく、結局 真昼に営業して被害に遭った。こちらのある事業主は「パク氏が初めは家賃250万ウォンを払い営業して商売がうまくいかず他の家に追い出された」と話した。高い家賃を払いお客が多い夜に営業をする、これに耐えられなかったということだ。彼は「パク氏が再び頼んで家賃100万ウォンで昼間営業をすることにして再び入ってきた」と伝えた。パク氏を殺害したと指定された有力な容疑者はタクシー運転手で、最近昼間にパク氏を頻繁に訪れてきていたことが分かった。

この地域に対する取り締まりに手をこまねいていた警察は、事件発生直後の現況把握もまともにできなかった。性売買特別法施行以後、事実上閉鎖されたと理解されていたこちらでは、40ヶ所余りの業者が未だに営業をしている。警察は事件発生以後、全体性売買女性が45人程度と推算されると明らかにしたが、こちらで会った大部分の人々は「出勤するお嬢さんらが100人余り」と話した。性売買問題解決のための全国連帯チョン・ミレ代表は「性売買集結地の営業方式が変わっただけで、事業主が変則営業で金を儲けるのは変わらないのに、警察は最近取り締まりをほとんどしていない」と指摘した。

一方、今回の事件を捜査中のソウル、東大門警察署はこの日「パク氏が首が絞められ死亡した後、刃物で刺された可能性が大きい」という解剖医の所見を伝えながら「有力な50代容疑者を追っている」と明らかにした。 ソン・ジュンヒョン先任記者

ソンチェ・ギョンファ記者 dust@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/433100.html 訳J.S