米国のドナルド・トランプ大統領が、欧州の同盟国に圧力をかけるため、ウクライナに対する兵器支援の中止の可能性に言及したと報じられた。ホルムズ海峡の開放に向けたいわゆる「有志連合」への参加を強制するための措置だ。
1日(現地時間)のフィナンシャル・タイムズの報道によると、トランプ大統領は欧州諸国が有志連合に参加しない場合、欧州諸国が資金を提供している北大西洋条約機構(NATO)のウクライナ向け武器調達イニシアチブ「PURL」への兵器供給を米国は停止し、さらにウクライナ支援全般から手を引くと脅したと、議論の内容に詳しい3人の関係者の話から伝えた。ホルムズ海峡は2月末の米国とイスラエルによるイラン攻撃以降、事実上封鎖されている。同海峡は世界の原油輸送量の約20%が通過する重要な海上ルート。
トランプ大統領は先月、NATO海軍に海峡の開放に取り組むよう求めたが、欧州の主要国は戦争が続く中では軍事介入は不可能だとの立場を示した。一部の国はこの問題について「我々の戦争ではない」と表明している。
複数の関係者によると、トランプ大統領はこれに反発し、ウクライナへの支援中止の可能性に言及し、このことがNATO内部の緊張を急速に高めたという。この過程でNATOのマルク・ルッテ事務総長の仲介によりフランス、ドイツ、英国などの主要加盟国が先月19日に共同声明を発表。声明は「ホルムズ海峡の安全な航行を保障するための適切な努力に貢献する準備ができている」と表明している。議論に詳しい関係者は「ルッテ事務総長はトランプ大統領の圧力後、共同声明の発表を強く推し進めた」として、「時間がなかったため、一部の国が先に発表し、その後、その他の国が合流した」と語った。
ルッテ事務総長は声明発表前、2日間にわたってトランプ大統領やルビオ国務長官と電話で複数回会談したという。別の関係者は、ルッテ事務総長はフランス、ドイツ、英国との電話会談で、トランプ大統領が欧州の拒否に対して「かなり激高していた」と説明したと語った。トランプ大統領はこの日のロイターとの電話インタビューで、NATOからの脱退を「絶対的に」考慮していると語った。この日夜の対国民演説でNATOの支援不足に対する失望を表明するとも述べた。
ルビオ国務長官は先月27日、PURLメカニズムを通じた米国のウクライナに対する軍事支援はまだ中東戦争の影響を受けていないとしつつ、「まだ変更された事項はない」と述べた。しかし同氏は、今後、対イラン戦争で消耗した米国の備蓄を補うために、ウクライナに割り当てられている兵器供給ルートを変更する可能性は排除していない。同氏は「米国のために何かが必要であり、それが米国のものであるなら、我々は米国のために優先的にそれを保有する」と強調している。