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半導体市場、危機か機会か…メモリ効率を最大化したグーグルのターボクアントへの賛否

登録:2026-03-30 20:24 修正:2026-03-31 08:24
米ニューヨークのGoogle Store Chelsea=ニューヨーク/ロイター・聯合ニュース

 米国のグーグルが人工知能(AI)モデルのメモリ使用を効率化する新技術を発表したことで、サムスン電子やSKハイニックスなど関連企業の株価が一斉に変動している。半導体メモリ企業の「スーパーサイクル」(超好況)が予想より早く終わる可能性があるという市場の不安感が反映された結果だ。しかし、中国のAIスタートアップのDeepThinkが低コスト・高効率モデルを発売したことがむしろ投資競争を激化させたように、この新技術に対する市場の懸念も根拠のないものに過ぎないという指摘も出ている。

 今回の論争の発端は、グーグルが24日(現地時間)に自社のブログで紹介した論文だ。グーグルは昨年4月に初めて公開した「TurboQuant(ターボクアント)」技術に関する論文を、先日自社のウェブサイトに再び詳しく掲載した。

 論文によれば、TurboQuantとは、チャットGPTやGeminiといったAIモデルの「キー・バリューキャッシュ」(KVキャッシュ)のサイズを縮小し、メモリ使用量を削減して応答速度を向上させる重要技術だ。KVキャッシュとは、AIモデルが回答を生成する際に、以前に交わした会話の文脈を一時的に保存し、再び取り出して使用する方式を指す。回答速度を上げるために、いわば「専用メモ帳」を用意しているようなものだ。

 現在、AIモデルはますます巨大化しており、このメモ帳のサイズも拡大し続けるという問題がある。AIメモリ(HBM)やNANDフラッシュなど、メモリ需要が全方位的に急増し、価格が上昇したのもこのような理由だ。TurboQuantは、データを標準化して圧縮し、圧縮後のデータと実データとの誤差を補正することで、メモリ使用量を現在の6分の1にまで削減したというのがグーグルの研究結果だ。その結果、「AI企業のメモリ需要が減るのではないか」と市場が動揺した。

主要メモリ企業の最近の株価変動率//ハンギョレ新聞社

 英国のフィナンシャル・タイムズ(FT)は「グーグルの新たな研究結果の発表により、米国のMicronやSanDiskなどメモリ・ストレージ関連株の時価総額が1週間でほぼ1千億ドル減少した」と指摘した。この期間、サムスン電子とSKハイニックスの株価も8%以上急落した。グーグルが自らAIチップ(TPU)を開発し、エヌビディア(NVIDIA)のチップへの依存度を下げたように、今回も自社ソフトウェアで「メモリ供給不足」事態の突破口を見つけたのではないかという分析が出ている。

 しかし、反論も決して少なくない。半導体業界の関係者は「関心を持って見ているが、論文一つだけで直ちにメモリ市場全体に大きな影響があるとは言い難い」と述べ、「ビッグテック(大手技術企業)のAIデータセンターの構築需要が引き続き増加しているうえ、メモリの活用効率が高まり価格負担が軽減すれば、AI投資需要はむしろさらに拡大するだろう」と語った。

 証券業界の見方も概ね同様だ。かつて蒸気機関の燃料効率が向上すれば石炭使用が減少すると予想されたのとは対照的に、蒸気機関の普及が進むことで石炭消費はむしろ増加した「ジェボンズの逆説」のような現象が起きるだろうという見解だ。成均館大学化学工学部のクォン・ソクジュン教授は、「過去とは異なり、予想外の方向で技術的要求が深刻化しているため、メモリ企業も既存のハードウェアにソフトウェア技術を統合し、顧客がチップ設計段階から参画できるようにするなど、AIメモリ企業として業務の性格を変える必要がある」と述べた。単なる汎用メモリの生産・供給にとどまらず、顧客に合わせたAIメモリの開発が必要だという提言だ。

パク・チョンオ、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1251649.html韓国語原文入力:2026-03-30 09:29
訳J.S

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