記事入力:2008-12-03午後06:18:33
零下に下がる気温は私たちをすくめさせ、人々は暖房のそばに集まるものだ。気温が低下すれば私たちの体が熱を外に発散することになり身体は逃げる熱を守ったり補充するために他の熱源を探さなければならなくなるためだ。この頃、日常生活で最もよく使う暖房機としてヒーターが挙げられるが、その原理について知っている人は多くない。私たちがなにげなく見過ごしているヒーターにはどんな原理と種類があるのか一度調べてみるようにしよう。
ヒーターの原理を理解するためには熱の移動について簡単な基本知識が必要だ。熱が移動する方式は大きく三種類だ。熱伝導,対流,輻射がそれだ。熱伝導は加熱した金属でよく見られる。熱いコーヒーに冷たい箸とスプーンを漬ければ反対側の末端まで熱くなるのが伝導現象の例だ。だが熱伝導自体は直ちに暖房に利用するのには適さない。
対流は主に気体や液体で熱が移動する方式だ。気体と液体のように分子運動が活発な物質は、熱を受けると運動がより一層盛んになり体積が膨張する。質量の変化なしに体積が増えれば、結局単位体積当たりの質量が減って軽くなる。その結果、浮力を得る。上に上がった気体(または液体)は上昇して熱源から遠ざかることにより浮かび上がる力を喪失して下に下りる。この過程で得た熱を周辺に伝達する現象が対流だ。対流は伝統的な暖房方法だ。真ん中に置いて部屋全体を暖める暖炉や金属管にお湯または蒸気を通過させ対流熱を作るいわゆるスチームが対流現象を利用している。対流現象は室内全体の温度を高める効果がある反面、効果を得るまで長い時間がかかるという短所がある。
ヒーターは熱伝達の面から見た時、人類が最も永らく熱の恩恵を受け入れてきた太陽と基本的には同じだ。すなわち熱輻射現象を利用する。絶対零度より温度が高いすべての物体は外部に電磁波を発散する。この電磁波を受けた物体はそのエネルギーの一部を得る。これが輻射だ。前に言及した暖炉も対流現象だけを利用するのではない。暖炉近くに手をつけてみれば、まだ室内が寒くても熱を感じられるが、これもやはり熱輻射の結果だ。ヒーターは熱輻射の効率を最大限高めるために特別に考案された暖房装置だ。
ヒーターは電磁波中の赤外線を人工的に発生させ加熱対象に放つ装置と考えれば良い。可視光線を分解してみれば赤色から紫色までのスペクトラムを見られるが、赤色に近いほど波長が長い。赤外線は漢字語の意そのまま赤色よりさらに波長が長い電磁波をいう。可視光線の領域を抜け出しているので目に見えることはないが熱をそれだけよく伝達する。赤外線中でも波長が短いものを近赤外線,長いものを遠赤外線として区分している。電磁波は波長が長ければ吸収が良いという性質がある。したがって赤外線は熱伝達能力に優れ、この原理をヒーターでそのまま利用する。電気ヒーターの裏面に反射版がかかっているのも輻射される赤外線を一方向に集中させ暖房効率を上げるためだ。
市中で販売されているヒーターは皆同様に電気をエネルギー源として使うが種類が多様だ。この中でハロゲンランプ ヒーター,石英管ヒーターは電気エネルギーにより加熱することで赤外線を発射する発熱方式の種類による区分だ。基本的に電熱器具は特定導体の物性を活用する。すなわち理想的な超伝導体でないかぎり電気回路上で導体は抵抗を持つが失われる電流はそのときエネルギーの形態に変換される。光を強く発する物質は照明器具に、熱の比重が高い物質は電熱器に使われるのだ。暖房が目的のヒーターの場合、当然流入した電気エネルギーに対して、よりに強い赤外線を放出する物質を使う。だが効率と同時に耐久性をも考慮しないわけにはいかないので、それに見合う適切な措置が必要だ。
ハロゲンランプ ヒーターはフィラメントの寿命と効率を上げるために電球内にハロゲンガスを満たしたランプを利用する。石英管ヒーターは石英管中に電熱線を通過させる形態だ。石英管の無水硅酸の純度を高めた製品で高温での耐久性に優れ熱膨張性が小さく赤外線の透過性が高い。一般的にハロゲンランプ ヒーターは電源を入れてから熱が出てくるまでにかかる時間が短く電力消耗が相対的に少ない方だ。その代わりに初期購入費用が石英管ヒーターに比べ高い。 石英管ヒーターは価格が若干安い代わりに電力消耗が多いが、あくまでも基本的な水準の比較なので製品を購入する際は特性を几帳面に調べた方が良い。
その他に遠赤外線,近赤外線ヒーターという区分もある。こういう特性を強調する製品らの場合、治療機能まであると宣伝する場合が多いが単純に‘遠赤外線’という単語一つだけで医療効果が確実だと信じるのは自重した方が良いだろう。もちろん遠赤外線と近赤外線の間に常識的な差はある。前に書いた通り、電磁波は一般的に波長が長いほど浸透力が強い。したがって遠赤外線は物体の表面だけでなく内部まで浸透することができる。だが発熱体の温度は近赤外線の方が高く、したがってさらに多い熱を伝達する。しかし電気製品というのは部分的な改善により効率に大きな違いが生じるので、本人が重点を置くヒーターの用途を念頭に置いて製品を選ぶ方が良い。
電気ヒーターは暖房効果が早いという長所があるが購買時にはそれだけ考慮しなければならない点も多い。ヒーターが室内の空気を早く乾燥させるという点はよく知られているので冬季の健康と直結する湿度に気を遣わなければならないだろう。またすべての電熱器具が持つ危険性、すなわち火災予防も忘れてはいけない。異常に過熱した場合の対策はあるのか、ヒーターが倒れた場合にどんな遮断装置になっているのかなどは必ず確かめてみなければならない要素だ。最近の製品は回転機能や送風機能を併せ持ったりしているので便宜性も無視することはできないだろう。
冷たい冬を暖房器具なしで過ごすことは難しい。小規模人員ならばやはりヒーターが適当だ。賢く選んだヒーターで寒さに勝って元気に冬を送るのはどうだろうか。
文:キム・チャンギュ科学コラムニスト
科学の香り出処:KISTIの科学の香り
原文: 訳J.S