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[ハンギョレ プリズム] 天安艦と米-中関係/カン・テホ

登録:2010-07-19 13:34

原文入力:2010-07-19午前08:53:59(1683字)

カン・テホ記者

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李明博大統領はバラク・オバマ米国大統領が前任者ブッシュ大統領のようにすることを願っただろう。そのような期待はオバマ大統領が同盟関係を尊重し、何よりもイ大統領との親密なよしみを誇示したところからくるということなのかも知れない。実際にオバマ大統領は先月初め、明らかに 「天安艦攻撃は正当な理由がない北韓の侵略行為」と断定し全面支持を明らかにした。しかしソン・ミンスン前外交通商部長官が指摘したように、多分に口先で言ったことだった。政府が南北関係を全面断絶状況に追い立てる対北韓制裁に出たが、米国は動かなかった。北韓に対するテロ支援国再指定は当初から排除し、金融制裁など追加的な対北韓制裁は留保した。

イ政府が何と言おうが安保理議長声明は得られたものがない。北韓を糾弾することも、北韓の謝罪と責任者処罰要求も、再発防止約束もなかった。これは李明博大統領が去る5月24日の戦争記念館での対国民談話で明らかにしたことだ。もちろん政府は中国・ロシアのせいと言うだろうが、中国と米国が妥協した結果だ。

もう少し根本的に見れば、イ政府が見過ごしたことがある。米-中関係だ。ブッシュ大統領の時も重視したわけだが、オバマ大統領は中国との協力を戦略的段階まで格上げさせた。ブッシュ2期行政府でバブ・ゼーリック国務部副長官は戦略的競争者であった中国との関係を新たに‘責任ある利害関係者’(Stakeholder)に変化させた。オバマ行政府でジェームズ・スタインバーグ副長官はこれを‘戦略的再確認’(Strategic Reassurance)という概念に格上げさせた。利害関係者が米国が中国により大きな責任を要求することで、対等な関係ではなかったとすれば、今や両国関係は‘積極的であり協力的であり包括的な’ものになった。これは天安艦での韓-米同盟強化が米-中協力と衝突するならば、米国がどういう選択をするのかを如実に示すということだった。金大中・盧武鉉大統領当時の10年を‘失われた10年’として無視した李明博政府の外交は、こういう米-中関係の変化が見えていないようだ。だから、そのようにためらいなく中国を押し付けたのではないだろうか?

イ大統領は先般の対国民談話で「国際社会の責任あるどんな国も天安艦事態が北韓によって強行されたことを否めなくなった」と話した。中国に向けて言った話だ。それに先立ちイ政府は4月、金正日委員長の中国訪問についてチャンシンソン駐韓中国大使を呼び‘責任ある役割’を要求し内政干渉だという反発を買った。5月30日済州 韓-中-日首脳会談後の記者会見では、温家宝中国総理をそばに置き、戦争を願うものではないが "戦争を恐れない" と話した。中国は韓半島の平和と安定を一貫して語っていた。天安艦事件を安保理に回付した6月4日、シンガポールの<ストレイツ タイムズ>との会見では 「天安艦事態解決なしには、6者会談も成果を上げることはできない」 と話した。今、中国は 「できるだけ速かに天安艦事件を決着させ韓半島核問題を議論するための6者会談を早く再開することを要求」している。

当初、西海での韓-米合同訓練に核推進航空母艦ジョージ・ワシントン号が参加すると発表したのは韓国国防部であった。しかし、米国国防部は決定されていないと否認した。2度の延期など紆余曲折の末、結局訓練場所が東海に変わった。この前まで韓-米はキーリゾルブなど西海で大々的な訓練を行った。今は中国の顔色を伺い訓練も好きなようにできない状況になった。天安艦外交は同盟に対する過信が中国無視として現れた典型であり、政府はその代価を十分に払っている。

カン・テホ国際部記者 kankan1@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/430897.html 訳J.S