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14億人のチャンスある市場…韓国の自動車・バッテリー・電子、インドへ

登録:2025-10-23 20:06 修正:2025-10-24 07:35
インドのチェンナイ現代自動車工場=現代自動車提供//ハンギョレ新聞社

 自動車、二次電池、電子産業などの韓国企業は、人口14億のインド市場攻略に力を入れている。米国のトランプ政権の自国優先主義と高関税政策に触発された保護貿易基調が世界的な流れとなる中で、まだ貿易障壁が高くなく成長の可能性が大きいインドが注目されている。

 22日、ハンギョレの取材を総合すると、韓国の主な大企業はインド市場進出を検討または投資を拡大している。このところ最も目立つ分野は、現代自動車が率いる自動車産業だ。現代自動車はインド市場に2030年までに4500億ルピー(約7600億円)を投資すると15日(現地時間)発表した。これに先立ち現代自動車は昨年10月、インド証券市場に現地法人を上場している。

 現代自動車は長期的にインド市場を北米市場に次ぐ「2番目の市場」と想定し、総力を傾けている様子だ。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の関係者は「現代自動車が大規模な投資計画を発表し、韓国の自動車産業関連の協力企業のインド進出に関する問い合わせも増加している」と述べた。

 自動車業界がインド市場に注目する最大の理由は、14億人の人口を基に成長の可能性が高いからだ。インド自動車産業協会(SIAM)は昨年、乗用車510万台、二輪車2430万台、商用車110万台を生産したと集計し、今後5年間で年平均4%以上の成長率を記録するだろうとの予想を出した。

 米国や中国に比べて貿易障壁が低く、租税の負担が小さい点もインドに目を向ける要因に挙げられる。インド政府は9月、米国の関税(50%)賦課による経済ショックを緩和するために、商品・サービス税(GST)を大幅に下げ、小型車の消費税(29%→18%)とスポーツ実用車(SUV)などの大型車の消費税(50%→40%)が全て下方修正された。また、最近インド政府は5億ドル以上を投資し、3年以内に電気自動車(EV)を生産する自動車メーカーには関税率を100%から15%に引き下げると発表した。伝統的に中国と国境を接して紛争してきたインドが、中国企業に警戒心を持っている点も韓国企業としては有利な部分だ。

 こうした雰囲気に支えられ、韓国の自動車関連の産業界全般がインド進出を拡大している。SKエンムーブは15日、インドの自動車部品メーカー「アナンドグループ」の系列会社ガブリエル・インディアと合弁法人「SKエンムーブ・ガブリエル・インディア」の設立契約を結んだ。

 エコカー(電気自動車、ハイブリッド車)と電動二輪車などに使われる二次電池関連企業もインド進出に拍車をかけている。昨年インド現地に販売法人を設立したサムスンSDIは、インドの電動二輪車と小型バッテリーの需要が大幅に増加すると見込んで供給拡大に乗り出している。LGエナジーソリューションは2023年にインド営業法人を設立し、二輪車企業のヒーローモーター、アザーエナジーなどにバッテリーを供給している。

 これだけではない。ポスコグループは今年8月、インドの鉄鋼1位企業であるJSWグループと主要条件合意書(HOA)を結び、年間粗鋼生産量600万トンの製鉄所を建設する計画を具体化しており、LG電子は今年、インド現地3工場の建設に着手したのに続き、18日にはインド法人を現地証券市場に上場した。

 企業各社がインド市場にいち早く参入しているが、不安要素もある。インドは貧富の格差が大きく、経済規模に比べて消費力は大きくないためだ。インドの国内総生産(GDP)は2024年基準で4兆1870億ドルで世界4位だが、1人当たりのGDPは2697ドルにとどまる。人口14億人のうち、所得が1万ドルを超える国民は2億8千万人程度と把握される。二次電池業界の関係者は「インドは市場規模に比べて消費者の購買力は微々たるもので収益を出しにくい市場と分析され、企業は現地に営業法人を運営しながらも工場移転などはためらっている」と話した。

 大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のインド・チェンナイ貿易館関係者は、「伝統的に価格敏感度が高く小型・低価格商品に対する需要が強いインド市場への輸出は、価格競争力が成否を分けるだろう」とし「インド政府の政策・規制を確認しながらインド現地に工場を建てたり、韓・インド包括的経済連携協定(CEPA)の恩恵を活用したりすることが役立つ」と述べた。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1224913.html韓国語原文入力:2025-10-22 20:50
訳J.S

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