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カンボジアから逃走しタイやラオスへ…国境超える犯罪の「イタチごっこ」が現実に

登録:2025-10-22 08:02 修正:2025-10-22 09:31
カンボジア当局が16日、外交部のキム・ジナ次官が訪問した建物の出入口に「立ち入り規制」を知らせる公示を貼り付けている/ロイター・聯合ニュース

 カンボジアの犯罪組織が隣接する国に根拠地を移して詐欺犯罪を続ける、いわゆる「風船効果」(ある場所を押さえると別の場所が膨らむように問題が発生すること)を懸念する声が高まっている。特定の国に存在する犯罪組織に集中する「局地的」アプローチでは、東南アジア全域で繰り広げられる「超国境犯罪」への対応に限界があると指摘されている。

 このところカンボジア現地では、バベット、カンポット、ポイペトなどの「ウェンチ(園区:犯罪団地)」が密集する地域から、数百人がパソコンや各種の通信機器をワゴン車に載せて「夜逃げ」するのが目撃されている。犯罪組織の「エクソダス(脱出)」が繰り広げられているこれらの地域には、タイ、ラオス、ベトナムと国境を接しているという共通点がある。3国が向き合う国境地帯は、広大な密林と公権力の空白で詐欺、麻薬、人身売買に手を染める組織の通り道となってきた。全北大学東南アジア研究所のパク・チニョン上級研究員は、「国境は1千キロに達するうえ、密林の真ん中にあるため、国境警備が韓国のように厳密ではない」として、「タイやミャンマーなどと接する一部の国境は紛争中であるため、『無国籍地帯』となっているケースもあり、密入国が容易だ」と語った。

 彼らがミャンマーやラオスなどの隣接する国に拠点を構えて詐欺を繰り広げたり、当局の取り締まりが収まればカンボジアに戻って犯罪を続けたりする可能性も予想される。警察の関係者は「中国資本で回っている東南アジアの一部の経済特区は、中国系マフィアの超国籍ネットワークが動いている。犯罪組織があたかもグローバル企業のように『本社』を移転させつつ活動することが容易な環境」だと指摘した。国連麻薬犯罪事務所(UNODC)は、カンボジアのシアヌークビルだけでなくラオスのゴールデントライアングル経済特区、ミャンマーの武装組織に占領されている地域は中国系犯罪組織と地方権力が結託しており、各種の詐欺、麻薬、人身売買の温床になっていると指摘する。UNODCのシム・インシク分析官は、「特定の国の詐欺団地から追い出したからといって犯罪組織がなくなるわけではない。むしろ地下組織化し、別の国で犯罪を継続する可能性もある」と述べた。

 カンボジア拉致・監禁事件が騒がれているさなかにあっても、タイやラオスなどでは相変わらず詐欺犯罪が盛んなことも、「国単位」の解決方式の限界を示している。今月17日にはある求人・求職掲示板に「タイのバンコク本社のテレマーケター(TM)社員を採用します。カンボ×」と書き込まれてもいる。「カンボジアではなくタイ」であることを強調するこの投稿は、「各種借金、生活苦で苦しんでいる方々には、わが本社と共に新たな出発をしていただきたい」として、「宿舎、飛行機、ビザ、仮払い、生活費提供」とうたっている。東南アジア全域にまたがる地域単位の国際協力の必要性を強調する声が高まっている理由はここにある。シム・インシク分析官は「犯罪組織が国の単位を越えて活動する中、一つひとつの事件に対応するやり方では、風船効果を防ぐのは難しい」として、「一国の問題とみなすのではなく、地域的観点からの解決方法を模索すべきだ」と述べた。

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1224649.html韓国語原文入力:2025-10-21 18:12
訳D.K

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