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韓国大統領選、初のテレビ討論…トランプ関税対応、野党候補は慎重・与党候補は迅速

登録:2025-05-19 08:53 修正:2025-05-19 10:17
キム・ムンス候補(国民の力・左から)、クォン・ヨングク候補(民主労働党)、イ・ジュンソク候補(改革新党)、イ・ジェミョン候補(共に民主党)の各大統領候補が18日、討論会の開始に先立ち記念写真を撮影している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 第21代大統領選に出馬した主要政党の候補4人が、中央選挙管理委員会の主催で18日に開かれた初のテレビ討論会で、米国のトランプ政権との関税交渉などの経済懸案をめぐり激しい攻防を繰り広げた。最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補が「関税交渉は急いではならない」として慎重な探り合いの動きを強調した反面、与党「国民の力」のキム・ムンス候補は「大統領に当選したらただちに韓米首脳会談を行う」として、速度戦を公言した。

 イ・ジェミョン候補はこの日の討論会で、米国のドナルド・トランプ大統領が主導する相互関税交渉について、「最も重要な原則は国益中心というものであり、米国も要求するものが多いが100%貫徹するつもりではないだろう」とし、「先に乗り出して急いで交渉を早期妥結する必要はない」と述べた。一方、キム・ムンス候補は「トランプ大統領と私は様々な信頼関係が形成されており、私が当選すればただちに韓米首脳会談を開き、7月8日に相互関税の猶予が終了する前に成功裏に(交渉を)終わらせる」と述べた。

 改革新党のイ・ジュンソク候補も同様に「韓米両国は単なる貿易国でなく、安全保障と戦略を共有する友好国だという認識をはっきり持たなければならない」として、韓米同盟を強調した。一方、民主労働党のクォン・ヨングク候補は「私はトランプ政権の略奪的通商には屈服しない」として、他の3人の候補とは異なる姿勢を示した。

 経済危機の対策についても、候補によって立場が分かれた。イ・ジェミョン候補は「不景気に対しては、政府が調停者の役割を果たさなければならない。可能な範囲内で追加予算を編成し、内需景気を活性化させなければならない」として、積極的な財政運用を強調した。一方、キム・ムンス候補とイ・ジュンソク候補はそれぞれ「企業が良い雇用を作るよう、規制を完全に撤廃する」「規制を徹底的に破壊しなければならない」として、「規制撤廃論」を強調した。クォン・ヨングク候補は「3人の候補は全員『無条件成長』を唱えている。私は不平等を根本から変える」と述べた。

 各候補は原発政策についても激突した。キム・ムンス候補が「原発を作らずにどうやってAI(人工知能)世界3大強国になるというのか。適切に管理される原発はむしろ安全だ」と主張すると、イ・ジェミョン候補は「原発は基本的には危険であり、持続性に問題がある」として、「原発を活用しつつ過度にならないよう、再生可能エネルギー中心の社会に転換していく」と対抗した。

 さらに、北朝鮮核問題の解決についても、キム・ムンス候補は「北朝鮮の中心指揮部を完全に壊滅させられる報復攻撃を確実に確保しなければならない。核均衡に持っていかなければならない」と述べた。一方、イ・ジェミョン候補は「北朝鮮が核を保有しているからといって、韓国も核を持つ手段を取ると、核ドミノ現象を引き起こす。朝鮮半島非核化を目標に定めていかなければならない」と反論した。

 この日の討論のテーマは経済分野だったが、政治的・社会的な中心課題である「内乱克服」についても、熱い攻防が繰り広げられた。クォン・ヨングク候補はキム・ムンス候補に向かって「内乱首謀者の尹錫悦(ユン・ソクヨル)の代理人ではないのか」として、「国民の前で犯した罪を謝罪し、辞退すべきだ」と要求した。これについてキム・ムンス候補は「内乱か(そうではないか)は裁判で判断される問題」だと述べた。

オム・ジウォン、コ・ギョンジュ、キム・チェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1198085.html韓国語原文入力:2025-05-18 23:07
訳M.S

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