「主文。被請求人大統領尹錫悦(ユン・ソクヨル)を罷免する」。4日午前11時22分、憲法裁判所が尹錫悦大統領に全員一致で「罷免」を言い渡した瞬間、ソウル安国(アングク)駅6番出口前は泣き声、笑い声、互いに対する感謝と慰労の言葉が入り混じった歓声であふれた。「主権者が勝利した」という叫び声が響く間、紫色のジャンパーを着た10・29梨泰院(イテウォン)惨事の被害者たちは、市民と抱き合いながら泣いた。労働組合のベストを着た労働者たちは拳を振り上げ、障害者たちは車いすで満面の笑みを浮かべた。12・3内乱から123日、突然の戒厳宣布で「自由の脅威」を懸念していた心は、春の日の暖かな日差しの中に一瞬にして溶けていった。
この日午前、憲法裁判所の最寄りの安国駅6番出口前で開催された「尹錫悦8対0罷免のための決起大会」に集まった1万人あまりの市民(警察による非公式推計、午前10時30分現在)は、路上を埋めつくして共に罷免言い渡しを見守った。多くの人々が、ムン・ヒョンベ憲法裁所長権限代行の読み上げる弾劾宣告文を、内乱の夜以降の恐怖と挫折の瞬間に対する慰めだと考えた。特に「戒厳解除は市民の抵抗と軍警の消極的な任務遂行のおかげ」という部分では、「抵抗し、崩れなかった」市民たちは大きくうなずいて拳を振り上げた。
尹錫悦の罷免が確定した瞬間、路上に鳴り響いたバンド「DAY6」の歌「Time of Our Life(1ページになるように)」に合わせて、若者たちはみなで飛び跳ね、年配者は肩を揺らして踊った。歓喜する市民の間で、慶尚南道昌原(チャンウォン)からやって来たキム・ミヨンさん(52)も涙を流した。キムさんは「民主主義が生きているということを目撃し、とてもうれしい」と話した。やがて、弾劾広場の象徴になった歌、少女時代の「Into the new world(まためぐり会えた世界)」が流れた。
「まためぐり会えた世界」を前にして何をなすべきか考えていきたいという決意表明も相次いだ。非現実的な大統領の戒厳宣布とその合理化以降、嫌悪にまみれた韓国社会を前にして、苦悩はいっそう深まった。大学生のイ・チェヒョンさん(20)は「尹錫悦を最後にして、今後は嫌悪政治によって勢力を結集する例が出てきてほしくない。広場で私たちが女性、労働者、障害者、農民、性的マイノリティーらの多様な弱者と共にあったように、これからはじまる新しい世の中も弱者が思う存分声をあげられる方向へと向かってほしい」と語った。
全国各地の様々な場所でも歓喜する市民たちの姿があった。全羅南道長城(チャンソン)の白岩中学校での「弾劾審判契機教育」中に生中継を見た同校1年生のコ・ダユンさん(13)は、「私も母について行って、尹錫悦大統領(弾劾要求)集会に参加した甲斐がある」と感想を書いた。大邱市中区(テグシ・チュング)のCGV大邱ハニル劇場前で弾劾言い渡しを見守ったキム・ジョンテさん(24)は、「ついに憲法裁が国民の気持ちをきちんと受け止めたようだ」と言って涙ぐんだ。
市民たちはソウル松ヒョン(ソンヒョン)広場の地面に市民集会の象徴となった色とりどりの旗を広げ、互いに「同志よ、お疲れ様。市民が最高だ!」と叫んで集会を締めくくった。広場の地面に「炎の男、チョン・デマン」と記された旗を広げたKさん(24)は、再び旗を手にし、「大統領は罷免されても旗は手放せない」と話した。「尹錫悦は罷免されたが、今も連帯すべき所は非常に多い。子どもの頃、約束してなくても公園に行けば友達がいたように、これからも数多くの広場で『旗の同志』たちと、市民たちとまた会えると信じています」