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【決定文分析】憲法裁判官の全会一致、罷免に異論はなかった

登録:2025-04-05 06:38 修正:2025-04-05 08:07
(左から)チョン・ヒョンシク、キム・ボクヒョン、チョ・ハンチャン憲法裁判官が、4日にソウル鍾路区の憲法裁判所の大審判廷で開かれた尹錫悦大統領弾劾審判の宣告に出席している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領罷免決定において、保守系に分類される憲法裁判官3人全員が弾劾認容に署名したことで、いわゆる「裁判官5対3のデッドロック(膠着状態)」は実体のない極右・保守陣営の願いに過ぎなかったことが明らかになった。特に裁判官の個別判断が伺える「補足意見」でも、尹大統領の罷免を招いた非常戒厳宣布を違憲・違法とする判断をめぐり、異なる意見は全く現れなかった。

チョン・ヒョンシク憲法裁判官が4日にソウル鍾路区の憲法裁判所の大審判廷で開かれた尹錫悦大統領弾劾審判の宣告に出席している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 4日の弾劾宣告直後に公開された決定文は、A4用紙106ページにわたる。87ページまでは裁判官8人の共通した弾劾認容の意見が、88~105ページにはイ・ミソン裁判官とキム・ヒョンドゥ裁判官▽キム・ボクヒョン裁判官とチョ・ハンチャン裁判官▽チョン・ヒョンシク裁判官の5人による補足意見が順に載せられている。罷免決定には同意する一方、争点になった事案について追加意見を述べたのだ。

 それぞれ革新と中道に分類されるイ・ミソン裁判官とキム・ヒョンドゥ裁判官は、弁論過程で尹大統領側が反対した憲法裁の刑事訴訟法条項の緩和適用には問題がなく、これに伴い捜査機関の調書と国会会議録の証拠能力には問題がないという点を8ページにわたり強調した。

キム・ボクヒョン憲法裁判官が4日にソウル鍾路区の憲法裁判所の大審判廷で開かれた尹錫悦大統領弾劾審判の宣告に出席している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 最も関心を集めた保守系のキム・ボクヒョン裁判官とチョ・ハンチャン裁判官、チョン・ヒョンシク裁判官は、非常戒厳宣布の違憲・違法性▽軍と警察を動員した国会の封鎖▽布告令第1号の違憲性▽軍を動員した中央選管委の占拠・家宅捜索▽政治家や法曹人などに対する逮捕の指示など、尹大統領の罷免につながった核心争点ではまったく異論を唱えなかった。

 弾劾審判に先立ち、極右・保守陣営ではこれら裁判官3人が棄却または却下の意見を出すという「5対3デッドロック」を主張し、「共に民主党」をはじめとする野党では保守系裁判官が罷免には同意するものの、一部争点をめぐり意見を出すかもしれないという見通しを示した。一方、憲法学界では政治的スタンスにかかわらず、法律家ならとうてい棄却あるいは却下の意見を書けない事件なので、裁判官全会一致の罷免が大方の予想だった。

 キム・ボクヒョン裁判官とチョ・ハンチャン裁判官は、イ・ミソン裁判官とキム・ヒョンドゥ裁判官の補足意見とは逆に、捜査機関の調書と国会会議録の証拠能力を認めるのが難しいという補足意見を8ページにわたり書いた。弾劾審判の重大性を考えると、刑事訴訟法をできるだけ厳しく適用すべきであり、「これからは弾劾審判の迅速性と公正性、二つの衝突する価値をより調和させる案を模索すべき」だと指摘した。尹大統領の罷免決定においては問題にならないが、今後は弾劾審判の手続きと制度を補完しようということだ。

 一人で補足意見を出した同事件の主審チョン・ヒョンシク裁判官は、国会弾劾訴追制度を補完する立法を提案した。「国会で弾劾訴追案が否決された場合、他の会期中にも再び発議する回数を制限する立法が必要だ」ということだ。

 憲法裁は野党の「連続弾劾」などで非常戒厳を宣布したという尹大統領の主張を一蹴し、罷免を決めた。ただし、野党が「疑惑だけに基づき、政府に対する政治的圧迫手段として弾劾審判制度を利用したという懸念」などがあったことにも触れた。チョン裁判官はこれに対する補足意見も書いたものとみられる、3ページにわたる補足意見で、一事不再議の原則の適用▽無制限の連続発議による国家機能の低下▽弾劾制度の政争の道具化などを指摘したうえで、「弾劾訴追案の発議回数に関する規定作り」を提案した。

チョ・ハンチャン憲法裁判官が4日にソウル鍾路区の憲法裁判所の大審判廷で開かれた尹錫悦大統領弾劾審判の宣告に出席している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社
キム・ナミル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1190757.html韓国語原文入力: 2025-04-04 21:15
訳H.J

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