原文入力:2010-06-24午後10:23:44(1501字)
公論化が国益の助けと判断
‘ハンギョレ’大統領府 要請拒否
当初からエンバーゴ成立できず
イム・ソクキュ記者
韓国と米国の首脳が26日(現地時間)にカナダで開かれる両者会談で2012年4月17日に予定された戦時作戦統制権(戦作権)転換時点を延期する問題を議論する予定という<ハンギョレ>報道(23日付1面)と関連して、イ・ドングァン大統領府広報首席が24日「ハンギョレ新聞がエンバーゴ(特定時点まで報道猶予)を破った」と主張した。
この日、国会運営委員会に出席したイ首席は「韓-米首脳会談で戦作権延期問題が議論されることが明らかではないか」というイ・ジョンヒ民主労働党議員の質問に 「ひょっとしてそうなる可能性があるので、しかし敏感な懸案であるからエンバーゴを守ってくれとお願いしたが、ハンギョレが破り一人で記事を書いた」と話した。
しかしイ首席の主張は事実をわい曲したものだ。この懸案は当初からエンバーゴが成立しなかった。通常エンバーゴは出入処の要請により出入り記者らの全員一致合意で決定されるが、<ハンギョレ>は初めから同意しなかった。
大統領府は去る22日午後、この懸案に対するエンバーゴを大統領府出入り記者団に要請してきたが、<ハンギョレ>は検討の末に「エンバーゴを受け入れることはできない」という方針を伝達した。合わせて23日付新聞に戦作権転換延期関連報道を行うという意も通知した。当時イ首席はエンバーゴを受け入れるか否かに対する記者全体の合意がなされる前に、一方的にエンバーゴ成立を既定事実として前提し 「エンバーゴを守ってくれ」と話した。したがって「<ハンギョレ>がエンバーゴを破った」というイ首席の主張は事実ではない。
<ハンギョレ>がエンバーゴを受け入れなかったのは、戦作権問題は国民の意見が分かれているだけに公論化されるべきで、そうするならば関連内容に対して適切な時期に忠実な報道が必要だと判断したためだ。しかも大統領府は戦作権問題を韓-米首脳会談で議論するという最近までのマスコミ報道に対し事実でないと否認してきた。そうした大統領府が首脳会談が差し迫り、その間の態度を変えエンバーゴを要請したことは政府の責任ある姿勢ではないと見た。
戦作権関連事項を報道しないことが国益に役立つという大統領府の主張にも同意できなかった。むしろ戦作権のように重要な問題を公開的な議論過程なしに‘秘密外交’、‘びっくり外交’で解決しようとすること自体が国益に深刻な危害要因となり得る。公論の場で激しい議論を経ることが、より国益に符合するというのが<ハンギョレ>の判断だった。
エンバーゴは多数の生命と安全が直接関わっていたり、国家の機密に関連した懸案、凶悪犯罪発生時に非公開捜査が必要な時など、誰か見ても納得できる場合に制限的に実行されなければならない。<ハンギョレ>は戦作権問題はこういう一般的な基準に合わず、大統領府の要請を受け入れる場合、マスコミの報道統制にむしろ活用されかねないという点を警戒した。
こういう理由で<ハンギョレ>は23日付に戦作権記事を扱った。<京郷新聞>もエンバーゴが成立しなかったと判断し記事を書いた。 イム・ソクキュ記者 sky@hani.co.kr
原文: 訳J.S