憲法裁判所は24日、ハン・ドクス首相の弾劾事件を棄却した。憲法裁の決定によって、ハン首相は直ちに首相職に復帰する。
憲法裁はこの日午前10時、憲法裁大審判廷でハン首相弾劾を棄却(棄却5、認容1、却下2)した。憲法裁はまず、国会がハン首相の弾劾訴追の議決定足数に大統領の基準(200議席)ではなく首相の基準(151議席)を適用したことは妥当だとし、却下事由にならないとしたうえで、棄却か認容かの判断に入った。
ハン首相は、首相として「C上等兵特検法とキム・ゴンヒ特検法」について大統領に再議要求権(拒否権)の行使を建議したこと▽12・3非常戒厳に積極的に加担したこと▽戒厳直後に政府・与党の共同国政運営構想を明らかにしたという理由と、また、大統領権限代行時代に▽「内乱常設特検」候補の推薦依頼を放棄したこと▽憲法裁判官の任命を拒否したことを理由として、昨年12月27日に国会で弾劾訴追された。
各争点で裁判官たちの判断は分かれた。まず、棄却意見を明らかにした5人の裁判官のうち、ムン・ヒョンベ、イ・ミソン、キム・ヒョンドゥ、チョン・ジョンミの4人の裁判官は、「C上等兵特検法、キム・ゴンヒ特検法」について大統領に再議要求権(拒否権)の行使を建議したこと▽12・3非常戒厳への積極的な加担▽戒厳直後の政府与党共同国政運営構想については、違憲と判断しうるに足る具体的証拠がないとして棄却した。
▽「内乱常設特検」候補の推薦依頼を放棄した疑惑についても、「被請求人が大統領権限代行として特別検事候補者の推薦を依頼しなかった実質的期間は、10日程度に過ぎない」、「被請求人には特検候補の推薦依頼の適切さ、およびその影響を検討する時間が必要だったという事情がうかがえる」として、法に違反したわけではないと判断した。
しかし4人の裁判官は、ハン首相が大統領権限代行として憲法裁判官の任命をしなかったのは違憲だと判断した。4人は「被請求人は当時、裁判官選出をめぐる与野党の対立が深刻な状況にあって、国会から裁判官選出を通知されもしないうちに、国務会議や談話などを通じて与野党の合意を前提に裁判官を任命するとの趣旨の発言を行うなど、国会が選出した3人を裁判官に任命しないという拒否の意思をあらかじめ終局的に表示することで、憲法上の具体的作為義務に違反した」と述べた。
4人の裁判官は「被請求人による裁判官の任命拒否が現職大統領に対する弾劾審判を行う憲法裁を無力化するという目的、または意思に起因しているとまで認めるに足る証拠や客観的資料は発見されていない」とし、「当時、裁判官任命をめぐる政治的対立のさなか、現職大統領に対する弾劾訴追議決で被請求人の大統領権限代行としての役割や範囲などに関する批判が続いていたことなどを考慮すれば、国民の信任を裏切った場合に当たると断定することはできない」として、罷免理由になるほどではないとした。
棄却意見を提示した5人の裁判官のうちの1人のキム・ボクヒョン裁判官は、裁判官の不任命も違憲ではないとして、ハン首相の弾劾訴追事由には法違反がないと判断した。キム裁判官は決定文で、「被請求人の裁判官任命義務は国会から裁判官選出が通知されてから発生するが、ハン首相は国会の裁判官選出通知後に国会の選出する3人を裁判官に任命しないという拒否の意思を明らかにしたことはない」と述べた。
弾劾認容意見を提示したチョン・ゲソン裁判官は、ハン首相が大統領権限代行として「内乱常設特検」候補の推薦依頼を放棄したこと▽憲法裁判官の任命を拒否したことをその根拠とした。チョン裁判官は「被請求人は非常戒厳をめぐる各種事件について、特検を通じた迅速な捜査が実現する機会を根元から遮断したため、社会的混乱を収拾し法秩序を回復しようという特検法の目的を深刻に阻害した」と述べた。3人の裁判官を任命しなかったことと同時に、このような理由についてチョン裁判官は、「国家的混乱を速やかに収拾する義務があるにもかかわらず、むしろ憲法・法律違反行為で批判を増幅させるとともに、憲法裁さえまともに機能しないようにするなど、憲法的危機状況を招いたため、重大な違憲事由に当たる」として、ハン首相の罷免を主張した。
チョン・ヒョンシク、チョ・ハンチャンの2人の裁判官は、ハン首相事件の却下意見を提示した。ハン首相の弾劾訴追事由には首相時代の行為と大統領権限代行時代のそれが混ざっているが、このような場合は弾劾訴追権の行使に慎重を期すために大統領の基準(200議席)に則るのが正しい、との解釈だ。